活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

活字づくりと貨幣づくり

2014-06-14 11:07:49 | 活版印刷のふるさと紀行

 6月12日印刷図書館クラブの例会が印刷博物館の「朝鮮金属活字文化の誕生展」(7月4日まで)の見学会をかねて行われました。緒方宏大学芸員の周到なレクチュアーに例会メンバーも熱心に質問攻め、おおいに盛り上がりました。

 グーテンベルクの金属活字と朝鮮の金属活字との根本的な違いは鋳造法にあります。砂鋳型を使う高麗・李朝方式の活字づくりは会場のビデオで見るとよくわかります。興味深いのはグーテンベルクの方は金細工から来たものですが、朝鮮の方は貨幣の鋳造技術が源流のようです。

 日本では和銅開ほうが和銅元年(708)から250年も鋳造されていますが、 その間に活字鋳造に技術移転がなされた気配はありません。逆に活字鋳造をするようになってから、鋳造技術者はかなり厳重な管理下に置かれたようです。活字か造れるなら貨幣もつくれるとされたからでしょうか。この辺に活字の鋳造技術立ち遅れの一因があるのかもしれません。      そういえば、上の写真の上の2つは一字一字になっている鋳造 工程の展示写真ですが、貨幣の製造工程でもこんな模型を見たことがあります下の粒々は出来あがった活字でボタン状なのは組版のときに蜜蝋で接着するからです。

 それにしてもグーテンベルク以前に金属活字をつくっていた朝鮮文化はすごいですね。右の大きな文字は鉛活字だと説明されました。1436年の「丙辰字」?でしょうか。なお、朝鮮金属活字には銅・鉛・真鋳・鉄が使われております。

 

 

                        

 

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