活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

すばらしい南島原市のメッセージ

2016-08-04 01:12:55 | 活版印刷のふるさと紀行

 これはザビエルに遅れること30年、1579年に来日していまの長崎県南島原市口之津港に上陸したアレサンドロ・ヴァリニャーノのブロンズ像です。

 すでに何度かこのブログで紹介していますし、ご存知の方が多いと思いますが、ヴァリニャーノこそ日本にグーテンベルク方式の金属活字を使う活版印刷をもたらした大恩人です。

 彼のふるさとはローマから300キロ離れたキエーティ、450年以上たった今、故郷が生んだ偉人ヴァリニャーノの生家跡が市役所になっていて、その正面に口之津と同じ彼の像が鎮座ましますといいます。つまり、口之津のはレプリカなのです。口之津開港450年にこの像が贈られたことでわかるようにヴァリニャーノを絆にして南島原市とキエーティ市の間に深い友好が重ねられています。

 実は先日、以前から親しくさせてもらっている加津佐の教育委員だった松藤さんに連絡をとったところ即刻、貴重な返信をいただきました。なかでも「平成遣欧使節がみたヨーロッパ」というCDにはすっかり惹きつけられました。伊東マンショや千々石ミゲルら4人の天正遣欧少年使節のあとを追って南島原市が8人の中学生をポルトガル・イタリアに派遣したのです。ローマ法王の謁見を受けるヴァチカンでの貴重なひとときをはじめ、430年前に天正少年使節が辿る「平成使節」の様子に釘付けになりました。

 私自身も2度訪ねたところが多いということを懐かしさもありますが、天正使節も訪ねられなかったキエーティまで旅程に組んであることには感心しました。

 それだけではありません、南島原市は有馬のセミナリヨの再現授業を行ってラテン語でグレゴリオ聖歌を歌うような経験を中学生にさせています。このセミナリヨのあった日野江城や島原・天草の乱のあった原城なども地元ですし、長崎教会群はもちろん長崎もおとなりです。こうした歴史環境を生かした教育は南島原市の発するメッセージ、いきいきとした情報発信として素晴らしいものです。

 なお、口之津のヴァリニヤーノ像は松藤幸利さん撮影のものす。

 

 


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