私的図書館

本好き人の365日

それでも地球はまわっている

2009-02-15 23:58:00 | 本と日常
ニュースでガリレオ・ガリレイが取上げられていました。

何でも、ガリレオ・ガリレイの死後367年たった、本日2009年2月15日。
ローマの教会でガリレオのためのミサが初めてとり行われたそうなんです。

地球が太陽の周りを回っているという「地動説」を唱えたため、「地球が宇宙の中心である」(天動説)とする聖書の教えに反するとして、宗教裁判によって有罪となり、「地動説」を捨てることを誓わされたガリレオ・ガリレイ。

今では当たり前のようなこの「太陽の周りを地球が回っている」という「地動説」を、バチカンが受け入れたのは、20世紀も後半。
ついこの間のこと。

ミサはその「名誉回復」の象徴だそうです。

367年かぁ~
長かったなぁ。

物事を変えるってどうしてこんなに時間がかかるんでしょうね。

常識を覆すようなこを言う人物は、いつの時代でも迫害されるもの。

ハンガリーの医者、イグナツ・ゼンメルヴァイスもその一人。

彼はみんなに「手を洗おう」と言ったばかりに、散々な目に遭います。

最初は病院で出産する女性の多くが、出産後に高熱を出して死亡するケースが多いことに疑問を持ったのがきっかけでした。

いろいろと調べた結果、イグナツ先生は出産に立ち会う助産婦や実習生に、塩素水でひんぱんに手を洗うよう指導します。

するとどうでしょう、死亡する女性の数が激減したのです。

そう、19世紀初頭のヨーロッパには手を洗うという衛生観念がまだなかったため(多くの医者が病気は沼などから立ちのぼる瘴気が原因だと思っていました)、実習生たちは死体解剖をしたその手で出産に立ち会っていたのです。

そこで、イグナツ先生はこの手を洗うことと病気の関係を本に書いて、他の多くの病院関係者に知らせようとします。

ところが、当時の常識としてこんな突拍子もないことは信じてもらえず、それどころかバカにされ、みんなに笑われてしまいます。

イグナツ先生も目に見えない細菌が病気の原因だとは当時知るよしもなく、やがてまた誰も手を洗わなくなり、当然またしても死亡率は高くなり、イグナツ先生は失意のうちに精神に異常をきたしたとして精神病院に入れられて、そのまま一生を終えるのです。

その後、精度の良い顕微鏡が開発され、病気の原因がようやく細菌やウィルスであることが発見されます。

うちの会社でも風邪が流行っています。

うがいと手洗いはかかせません。

イグナツ先生は1865年に亡くなっていますが、死後その功績が認められ「母親たちの救済者」と呼ばれ、144年後の今もこうして教えは生かされています。

イグナツ先生ありがとう♪