私的図書館

本好き人の365日

『ゲーデルの不完全性定理』

2009-12-08 22:07:00 | 本と日常
喫茶店で面倒くさいお客さんを見ました。

もうかなりの年配の紳士だったのですが、メニューの一つ一つを指しては、アレコレ質問。

若いウエイトレスさんは辛抱強く説明していましたが、あれもダメこれもダメと、なぜかダメ出しして、結局コーヒーを注文。

これで静かになるかと思いきや、コーヒーをソファーにこぼしてまたもや大騒ぎ…

…話し相手がいないのかな?

と思わずよけいなお世話の想像が頭に浮かびました。

コーヒーカップに文句を言って、席を替えろという紳士に、謝るウエイトレスさん。

ちょうど私の席から紳士の正面が見えたので、ウエイトレスさんがいなくなったすきにこれ見よがしに紳士をジロジロ観察しました。

紳士と目があったので、そのままアルカイックスマイル♪

紳士はすぐに目をそらしましたが、落ち着かない様子で、すぐに席を立って、捨て台詞を残して店を出て行ってしまいました。

少なくとも羞恥心は残っていたのか。

注意する勇気がないのでちょっと安心。

相手が若い子ならニラみつけられていたかな?

その喫茶店で読んでいたのは、結城浩さんの、

*(キラキラ)*『数学ガール ゲーデルの不完全性定理』*(キラキラ)*(ソフトバンククリエイティブ)

高校生を主人公に、青春小説の形を借りて数学を楽しく紹介しようとする意欲作『数学ガール』の第3弾なのですが…

こんな高校生いないよ(苦笑)

「ペアノの公理」とか
「数学的帰納法」とか
「ゲーデルの不完全性定理」とかが出て来ます。

Σ(シグマ)とかn′(エヌ・プライム)とか、自然数とか、極限値とか、ラッセルのパラドックスとか、加算の公理とか出て来ます。

難しく聞こえますが、「加算の公理」とは要するに1+1=2というのはどういうことなのか、+(足す)を定義するお話。

哲学を楽しく紹介した『ソフィーの世界』というのがありましたが、それと似たような狙いで、ただし、ストーリー性が弱いので文系には読むのが辛い…

楽しいですけどね☆

例題  正直者は誰?

 A1 「ここに、嘘つきは1人いる」
 A2 「ここに、嘘つきは2人いる」
 A3 「ここに、嘘つきは3人いる」
 A4 「ここに、嘘つきは4人いる」
 A5 「ここに、嘘つきは5人いる」

5人のうち、本当のことを言っているのは一人だけ。

さあ、正直者は誰?

直感じゃなくて、それを論理的に証明するのが数学的思考。

ちなみに、

 0.999…=1

この式が間違って見える人はまだ直感で数学を捉えているんだとか。

ヒント

0.999…≠0.999…9




 いったん発見されれば、
 どんな真理も理解するのは容易である。
 大切なのは、真理を発見することだ。


         ―ガリレオ・ガリレイ―