映画『のぼうの城』 予告篇(HD)
前々から見たかった映画
≪のぼうの城≫を見てました。
震災との関係で公開を遅らせていたものです。
わたしは狂言師野村萬斉さんが映画の中で田楽舞を踊るということでとっても興味があったのです。
精鋭といえど500の兵士の忍城。
秀吉の家臣石田三成が2万の軍で、北条氏征伐の過程で取り囲みます。
初戦、地の利を得た事、「のぼうさま」のためにという兵士の士気高らかでのぽうさま側が、勝つ
しかも大勝利!
のぼうさまというのは、でくの坊様の意味。
総大将の成田長親のこと。
およそ武士らしいことはまるで駄目。
その癖やたらと百姓のことに興味を持つ。
でも至って不器用らしく、百姓も何とか手を出させないようにしているが憎めないキャラ。
「痩せても枯れても元は、坂東武者のはしくれ、のぼうさまのいうことなら戦おう」と武器をもって、百姓も籠城する。
初戦の敗戦を機に三成は水攻めを決行する。
金に糸目をつけず、近隣から百姓が金目当てに堤を築きに集まった。
そして水攻めに・・・そのシーンが津波を連想させるのです。
大事な大事な、田んぼが水の底に・・・本丸まで水づけになり、
戦をしないで、初めっから城を明け渡していれば、こんな目にあわなくて済んだのに・・
という怨嗟の声が満ちてきます。
ある夜、鳴り物を後部に従えて、一人水面に舟をうかべ田楽舞を舞う。
その楽しげな様子は敵も味方も見いってしまいます。
農作業の後の喜びの男女のなまめかしい様も・・・
敵も味方も、みんなをたらしこんでしまうのです。
こんな素敵で楽しい、たらしこむ田楽を踊れるのは、野村萬斎、彼しかないです。
そして美しい所作!!~
これを見るために映画を見に行っても損はない。
総大将が死ねば、戦は終わり。
長親であると判明した時、三成は鉄砲でうたせます。
のぼうさまが撃たれた!!
このことが、堤を壊させるきっかけになり・・・
城の士気はますます盛んに・・
この石田三成を演じる上地雄輔君が素敵ですネ。
品のあるいい武将を演じています。
映画で、なんとなく、いまいち食い足りない気がして。
原作を読んでみました。
原作に忠実に映画化されてるのに感心しました。
のぼうさまは一度も内面表現されてないですね、
前半は幼馴染の丹波が語り、後半は石田三成が語り。
とらえどころのない人物としてえがかれているのが理由だと判明しました。
でも、映画を観終わった後、だめなものはだめ、
強いものにへつらい保身を図る。
特に戦国時代はそうであったであろうと推測される。
その時にこんな痛快なことをなし得たということはとっても爽やかというか
明快、わかりやすく、とてもすがすがしいです。
このお話からリーダーは・・うんぬんの本も出てるようですが・・そんなこざかしい・
たんに絶対的な負けでもピリリと一発やってくれた爽快さが残りますよ。
ひさしぶりにたのしい映画でした。
そんな映画です。
よんでくださってありがとう