ウツ状態からのリハビリには、尺の短いホラー映画が一番!と思って観たら、別にホラーじゃないじゃん。
全く恐くない。
ホラー映画のド定番、能天気な若者が湖畔の別荘(キャビン)で一人ずつ殺人鬼の餌食になる!というのは、実はある組織に仕組まれた殺人ショーだった。だが、最初から組織(ラボみたいな感じ)側から映画がスタート。なもんで、本当に若者達は死んでるんだが、ラボ側から描かれるんで恐くない。
惨劇を仕組むラボの人間達が、罪の意識を払拭するため、わざと明るく楽しげに振る舞うし。
別荘に向かう途中で惨劇を暗示させる不気味な老人も仕込みだし、若者達も殺されやすいように正常な意識を保てないよう薬で操作される。道理でその最中に殺される、エッチしだすカップルがいつものように出てくれば、絶対に1カ所に集まればいいのに、なぜか各々部屋にこもって殺され易いシチュエーションを自ら作りだすのも、この組織から操られていたからかあ。
なるほどねえ、ホラー映画の定番は、この組織の操っているから、同じような作りになるのか、とうなづきながら観る私。
ただ、この若者達、ナイフで刺されようが、斧で叩かれようが、数分後には顔に血は付いているもののスタスタ普通に歩けるほど回復力が早い。おいおい!
で、この組織がなんのためにこんな儀式をしていかというと、その理由が無茶苦茶で。映画のストーリーとしては、ここで破たん。
アメリカは、馬鹿な若者が生け贄で処女が生き残ればOKで1年間は大人しくしている怪物君で、東京は、学校が舞台で子供が生け贄になれば満足する怪物君らしい。
でもさあ、ラスト20分、ホラー映画のクリーチャーが大集合するんで、楽しくて笑ってしまった。アナコンダも定番ゾンビもいれば、普通のゴーストもいる。もちろん、ラボの職員がお気に入りの「半漁人」も出てくる。直腸動物の口を持つ子供のバレリーナは、どこが恐いんだがさっぱり分からん。
そして、そのまま人類は滅ぶらしい。ハハッ! 館長は、宇宙人ポールと同じ役柄の、シガニー・ウィバー。好きだなあこの人も。
マイティ・ソーが、有名になってから出てる。普通は逆なのにねえ。
なんか、恐くなく、ヒネリもなく、破たんした目茶目茶な映画だった。