3月9日 木曜日 12:00~
当日券もまだ売ってたけど、会場内は平日とは思えないほど人がいた。土日はどれほど混むのだろう?
“愛”には興味ないけど、フランソワ・ブーシェの作品が4点展示されているので行ってみた。
公式HPはこちら。
絵画の解説パネルが小さいなあ、と思ったら、スマホで見られるようになってた。さすが令和の時代だ!
全体的に“アモル”題材の絵画がいっぱい!
アモル=ギリシア神話の恋の神エロスのラテン語名で、愛を意味する。ローマ神話の女神ウェヌス(ヴィーナス)の息子クピド(キューピット)もエロスと同一神である。
今回の展示会のアモルはローマ神話の中の登場人物らしい。日本語表記だと“アモル”なんだが、英語表記だとCupidとなっている。キューピットだと日本では、恋の魔法にかかる矢を射る子供の天使のイメージだから、“アモル”にしてるのかな? この展示会では、“アモル”はヴィーナスに心配されながら成長して立派な成人になって結婚していた。
プロローグー愛の発明
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フランソワ・ブーシェの《アモルの標的》
Ⅰ.愛の神のもとにー古代神話における欲望を描く
令和の時代、男(神)の欲望のままに誘拐されてしまう女性が題材として好まれた時代の絵画を、見に来ている若い女性はどう思うのだろうか?と、心配になる位、略奪される美人達の絵画が10点程並ぶ。
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セバスティアーノ・コンカ《オアレイデュアを略奪するボレアス》
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フランソワ・ブーシェ《ブッシュケとアモルの結婚》
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16世紀後半にヴェネツィアで活躍した画家《アドニスの死》
愛の女神ヴィーナスの恋人、美青年アドニスが狩りにいって猪に突き殺されてしまって、ショックを受けて倒れるヴィーナスとそれを取り囲む三美神を描いた絵で、構図が素晴らしい。が、その猪を3人の天使がかたき討ちしているシーンが遠景に見えるんだが、これが後から付け足したのが見え見えで。三美神の袖の上に、絵の具が乗ってるんだよ。誰かに命令されて、慌てて書き足した感じがなんか面白くてさ。
Ⅱ.キリスト教の神のもとに
昭和育ちの私でさえ、《略奪》にうんざりしてたので、聖家族コーナーの絵画を見てホッとする。
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サッソフェラート(本名 ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ)《眠る幼子イエス》
Ⅲ.人間のもとにー誘惑の時代
ここは見慣れた風俗画。人間の男と女、どっちもどっちって感じなので親しみが湧く絵が並ぶ。ユベール・ロベールの「かつてヴィーナスに捧げられた神殿」があった。
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ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》
今回のメインらしい。ジャン=オノレ・フラゴナールって誰?と思ったら、ワシントン・ギャラリーにある「読書をする娘」や、「ぶらんこ」の人だ。ちょっと知ってる。この人もブーシェもロココ美術の作家は晩年は恵まれなかったらしい。
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フランソワ・ブーシェ《褐色の髪のオダリスク》
この絵のそばに、凄く地味な額に入ったブーシェの「アモルを支える三美神」があった。解説もなく、絵の具も薄塗だったので習作なのかなあ?
Ⅳ.19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇
この部屋だけ、撮影OK。なので、どーせ上手には撮れないけど、スマホで撮影してみる。
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フランソワ・ジェラール《アモルとプシュケ》、または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》
やっぱり最後の部屋も“アモル”だ。
フランソワ・ジェラールってナポレオンの絵を描いた人かあ。この人は新古典主義らしい。
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アリ・シェフェール《ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊》
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ウジェーヌ・ドラクロワ《アビドスの花嫁》
ドラクロワ、このコーナーで一番小さな絵だった。
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クロード=マリー・デュビュッフ《アポロンとキュパリッソス》
ボーイズラブだ。
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テオドール・シャセリオ―「ロミオとジュリエット」
ロココ美術のキラキラした愛の絵を見て頭がパステルカラーになっていたので、この絵(ロマン主義らしい)を見たら気分が落ち着いた。
ルーブル美術館に行くと、ブーシェの部屋があるそうだ。ルーブルに行った時はブーシェを知らなかったからなあ。また、行けるかなあ。