ほのぼのディズニー映画と勘違いした観客から評判の悪い映画だ。
なんで勘違いしたんだろう? 予告編でちゃんとミュージカルって言ってたじゃん。
ブロードウェイで上演され、トニー賞を受賞したミュージカルで監督がロブ・マーシャルだせ。
こんなもんだろう。
欧米の感覚での“ウッズ”。人間の、動物としての本能、ダークサイドを増長させるのが「森」だ。そこが、そこだけが舞台だ。だから、シンデレラの舞踏会シーンもなければ、豆の木が届いた巨人の国も出てこないよ。全ては、人間のダークなインナースペースの森での出来事だからさ。
本当のグリム童話もぺローの童話も、本当は「恐い」物語りだよ。ラプンツェルは髪の毛を降ろして毎晩男を塔に招き入れてたどうしようもない好き者だし、シンデレラも王子と結婚した後は継母と義理の姉を殺してたんだよ。映画の方がずっと描き方は甘いよなあ。
パン屋の女将さんも、森の中で不義密通の罪を起こしたので、あの結末になっちゃうんだろうなあ。
「赤ずきんちゃん」の解釈も、ニール・ジョーダンの「狼の血族」を何も前知識もなく映画館で観てしまってしばらくうなされそうなになったほどの衝撃を受けた私としては、(ふーん、なるほど)という感じだし。
小道具としてタールがうまく使われてるのが、トーロンマンとかオールドクロウハン人なんかが好きな私としてうれしいのよ。
ジャックと豆の木の巨人が暴れる後半は、「進撃の巨人」だったな。
森から脱出したラプンツェルと陽気でおバカな王子の弟だけが幸せになるんだろうなあ。楽しそうだったなあ、王子の兄弟。滝で2人で唄るシーンは笑えるよ。
ジャックは、「レ・ミゼラブル」の少年だったのね。パン屋の旦那は「ワン チャンス」のポッツだったんだ。
皆、頑張って唄ってたけど、結構いじってるよ~な気が・・・。
結構深い話で、私は面白かった。