原作本3部作は既読。スウェーデン版は第1部の「ドラゴン・タトゥーの女」のみ観てる。2部と3部は、同時公開だったんで、サラリーマンじゃ休みの日しか観られないじゃん。で、休みの日も用事があって観られなかった。
まあ、そういう訳で、デヴィット・フィンチャーがそう料理するかが楽しみで観た。予告編はスタイリッシュだったし。
タイトル・ロールがすごい!「移民の歌」がカッコ良くアレンジされ、モノクロのちょっと凝り過ぎ?とも思える、2部3部を連想させる映像が続々と流れる!おおっ、これは、「セブン」や「ベンジャミン・バトン」を越えるおどろおどろしい不思議な感じで映画が進んでいくのか!と、思った。
そしたら、結構、本編は普通だった。
大企業を経営するヴァンゲル家の歪んだ家系や、リスベットの新後見人の残虐な変態ぶりも描き方が甘くないかあ?
おまけに猟奇殺人事件の真相も、うやむやにする過程がカットだし。
残虐な方法で殺された被害者たちへの同情や人としての敬意がないじゃん。原作の、この猟奇殺人事件に対するリスベットの怒りもなく・・・。原作だと、ヘンリックも真相を知って、レイプや暴力の女性被害者の会へ多額の寄付をさせられるのに。ん~、ヘンリックがクリストファー・プラマーだから、なんか軽い感じがするのかなあ。
で、オーストラリアが出てこない。
多分、監督がスウェーデンとロンドンの、鉛色の空や暗い感じだけで物語を表現したかっただろうけど・・・。でも、これにストーリーを変えたら、ミカエルでなくても、ちょっと優秀な探偵だったら、彼女を見つけられただろうに・・・。見つけられなかった時点で、ヴァンゲル家って、財力がないんだなあと、やはり軽い感じが・・・。
あと、リスベットがヴェンネルストレムの全財産を奪い取る過程が分かりにくくて、爽快感がなかった。
マルティンて、「マイティ・ソー」の博士で、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の靴ひもビルだったのね。
リスベットが、初めてミカエルに愛を感じる過程やクリスマスの哀しさなど、彼女の過去に焦点を当てて、2部3部につながるようにしてたのは良かったけど・・・。本当に2部・3部できるのかな? 2部の方がハリウッド的、3部の方がフィンチャー向きだと思うけど。
で、何が一番良かったかというと、黒いビキニパンツのダニエル・クレイブの体でした。2時間38分、飽きないで観られたけどね。