友人が観たいと言ったので。自分では決してチョイスしない映画だ。
「山内マリコの小説を原作にしたドラマ。結婚こそ幸福と考えて相手探しに奔走する女性と大学を中退して怠惰に生きる女性の人生が交錯する。」とYAHOO!の解説にはあるけど、観た印象は違うなあ。
東京の貴族社会の中では中流の、松濤に住んでて開業医の三女である榛原華子(門脇麦)が主人公で、その結婚相手が貴族社会の上流にいる、幼稚舎から慶応の弁護士の青木幸一郎(高良健吾)。その幸一郎が息抜きにたまに呼び出して10年ダラダラ付き合っているのが、富山から出てきて慶応大学に入ったものの、学費が続かず中退して働いている時岡美紀(水原希子)。華子と美紀の友人も絡んで、すっごく丁寧に彼女達の自立を描いている。
まあ、所属的には美紀派の私は、あ~、それ分かるわあ!と、楽しく観られた。
一方、華子の方は、余りにも主体性なく、27歳で周りの友人達はほぼ第1子がいるという、2017年が舞台とは思えない、古さ。いやいや、いくら貴族社会でも、そこまで古くはないだろうに。
華子、移動手段はほとんどタクシーだった。
で、華子の友人が美紀と幸一郎の間に関係がある事に気が付いて、美紀と華子が会ったりして、なんとなく2人の間に友情みたいのも芽生えたりして。美紀は自分の立場を分かっているからねえ。
で、美紀と友人は起業して、東京で頑張る。
と、ここまで124分の尺の中ですごい丁寧に描かれて面白いんだがいるんだが。ただ、女性は共感するからいいんだろうが、男の人はヒマかもね。
ところが、ラスト、いきなり、1年後になって、華子が幸一郎と離婚。えっ? 今まで、あんなに丁寧に出会いから結婚まで描いてたのに、なぜ、いきなり1年後? しかも、友人のバイオリニストのマネージャーやってますって、それじゃあ、食えないだろう。華子の両親もたまらないだろう。次女も離婚してるとはいえ医者だけど、何もできない末っ子の華子を面倒見ないといけないなんて。
いやいや、最初から言われなくたって、政治家の女房も面白いだろうに。結婚だけをゴールに今まで生きてきたんなら、結婚生活も政治家の妻も楽しめよ。離婚して、幸一郎と再会して、ニコニコ笑って。復縁するのか? じゃあ、なんで離婚した? 離婚して何をする気だったんだ!
と、ある意味どんでん返しの謎のラスト。
一番、ホッーなるほど、と思ったのが、企業する美紀と友人が、一生独身に備えて、介護の人がしやすいように、あそこの毛を脱毛しようと話しているシーン。なるほどね。確かにね。そうかあ。