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2015.11.14 『恵庭岳』(1,320m)

 

  この週末は土曜日だけの山行だ。

金曜の夜、久しぶりにHiromiを拾って出かけ、『恵庭岳』登山口近くで車中泊。

就寝前は晴れて星空だったが、朝起きるとどんよりとした曇り空。

おまけに『恵庭岳』は5合目から上がガスの中だ。

モチベーションが上がらないまま、6時45分に駐車地をスタートした。

 

  『恵庭岳』登山口は、昨秋の集中豪雨で大量の土石流が発生し、登山口一帯を覆い尽くした光景を、今年7月ここを通った際に目にした。

そしてその後(案内板には9月からとある)大規模災害復旧工事が開始され、目下は立ち入り禁止状態だ。

先週Hiromiが一人で登ろうとしたが、登山口が不明で取りやめた。

無理もない。

私としてはそんなことなぞ知らずに出かけたので、やめるわけにも行かず、工事現場の中を歩いて奥の涸れ沢へと向かった。

工事開始時刻を午前7時と読んでの行動だった。

 

  大きな砂防ダム建設現場を、「これはまずいだろう・・・」という状態で乗り越えて、涸れ沢に降り立った。

その涸れ沢奥にあらためて「登山口」の標識があるのだが、とにかく随分久しぶりに訪れた景色が変わりすぎて、ついつい涸れ沢の砂地に続く複数の足跡と、

そこら中に付けられているピンクテープにつられて先を進んでしまった。

ところがこれが今日のプラス要因。

踏み跡を進んで行くと、作業道を登り返して国道453号線に出た。

位置は国道上部のオコタンペ湖方面への分岐と、『イチャンコッペ山』登山口とのちょうど中間点だ。

しかもすぐそばには車10台分もの広い駐車スペースまである。

これには少々驚いたが、災害復旧工事のため通常の登山口からの入山が不可能となったため、誰かが非常手段に訴えて入山したのだろう。

とにかく人気の高い山だ。

誰かが踏み跡を残し、そこにピンクテープを付けて歩くとすぐ登山道と化してしまう。

 

  そんな新登山口を確認し、歩いたルートを戻って正規の登山道を登ることにした。

この登山道もまた旧登山道を廃道とし、2合目から5合目付近まで新たな斜面に新登山道が刻まれていた。

これは明らかに倒木のせいだ。

他の山域同様、ここでも倒木が嵐のようだ。

このところ毎年のように強風が吹き荒れる事が有り、倒木は増えるばかりだ。

5合目付近で旧登山道と合流し、下を見下ろすと旧登山道には倒木が折り重なるように山になっていた。

 

  7合目の「見晴台」を過ぎると積雪が現れ、上部に向かうにつれて量が増えるものの、たいした深さではない。

9合目の「見晴台」で上部への立ち入りは禁止となるが、Hiromiの「行けるところまで行きたい」との意志を確認して先へ進むことにした。

私としても申し訳ないが、この処置がなされてからここで引き返したことはなく、変わりゆく頂上岩塔の様を見てきた。

辺りは5合目付近からスッポリガスに包まれ、おまけに雨が降り出して何も見えず、ああつまんね!

  直登の頂上岩塔に取り付いたとき、登りはいいが雪がついた岩肌の下りに危険を感じたHiromiが、自ら登頂断念を決めて撤退することにした。

まあどうせ頂上に立っても何も見えないのだが。

とりあえずHiromiを待たせて登ってみた私だが、頂上に飛び出すところですごい強風が吹き荒れ、とても頂上に立てる状態ではなかった。

 

 下山は強くなった雨の中をただ淡々と下った。

そして最後は全てが起動している工事現場の中を通ることは避け、新発見の登山口を出て国道に沿う広い歩道を歩いて駐車地に戻った。

その時点で時刻は既に12時半を過ぎていた。

 

  天候が悪くて何も見えない山行ではあったが、久しぶりの『恵庭岳』は面白かった。

人がひとりもいない山はいい。

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