北海道の山野でとことん遊ぶ!!
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2014.10.12 『ピパイロ岳』(1,917m)~『1967m峰』 《回顧録より》
この週末も山に出かけられるのは今日だけだったが、今朝浦臼町で目覚めると、外はごっそりと雪が積もっていた。
それを計ってみると、ちょうど30cmだった。
そうなると、スノーシューは使えずスキーになるが、Hiromiはスキーが苦手で、樹木が混んだところは滑らせられない。
今仕事上で大きな行事を抱えており、絶対に休むことができないのだ。
そんなことを考えているととてもおっくうになり、とうとう完全休養することになってしまった。
まあ、そんな日もあるさぁ・・・
それで今週は私の回顧録の中から、過去に実施した山行の一つを紹介することにする。
Hiromiにとって記念すべき一座である。
尚、文章は当時『ミニ山の会』メンバーに送っていた「山行報告」をそのまま使うことにした。
この三連休は私もHiromiも土曜の午前中が仕事だったので、その午後出かけて移動日とした。
当初は別の山域に出かける予定でいた。
ところが土壇場になって、天候を見越した私の長い経験から引き出された勘が北日高へと誘った。
そして日の短い土曜の夕方、もう暗くなってから上美生の『伏美岳』登山口に入った。
日曜の早朝4時45分スタートで『伏美岳』(1,791m)~『ピパイロ岳』(1,917m)~『1967m峰』を縦走した。
ひじょうに激しく深いアップダウンと、長い歩行距離を歩き通して登山口に戻ったが16時35分。
全行程11時間50分に及ぶ長い山旅であった。
Hiromiは大量の発汗があることから、山中での着替えを2回分用意し、飲料水は3リットルを背負った。
『伏美岳』を越えたところで最初の着替えをし、
ぐっしょりと汗を吸って重い衣類と飲料水1リットルはハイマツの根元にデポして先に進んだ。
『伏美岳』~『ピパイロ岳』間の最低標高まで下ったあとは、『ピパイロ岳』頂上に向かって長い急登の連続だ。
このあたりから解け切らぬ積雪が、ツルツルの登山道を更に危ういものにし、なかなか前に進めない。
おまけに笹やハイマツの上に積もった雪が登山道を覆い、下半身をベチャベチャにしてくれる。
四苦八苦しながらも4時間半で『ピパイロ岳』頂上に立った。
登山道の条件が良ければ、もう15分ほどは縮まっただろう。
『ピパイロ岳』頂上に立ったが、普通の健脚者ならここで来し方に広がる『伏美岳』への復路を見て、容易に想像がつく帰路の辛さを噛み締めて引き返すところだが、私の登山は違う。
HIromiの体調を十分確認した上で、更に先へと歩を進める。
『ピパイロ岳』がもつ長い頂稜の北西側のピークである『1911mP』を経て、更にその先の『1967m峰』まで行ってくるのだ。
苦労してようやく登りきった『ピパイロ岳』頂上から見るその距離はあまりにも長い。
しかし、天候はあくまでも「先に進め」と言うがごとく素晴らしく、Hiromiに『1967m峰』に立たせてこその勲章だ。
それでも『1911mP』に立ち、『1967m峰』を眼前にして再度体調を確認。
大丈夫、はっきり言って私より元気だ。
GO!
『1911P』からはハイマツが少し濃くなる。
そのハイマツにまたもこびりついた雪が邪魔をし、なかなか速くは歩けない。
このハイマツ漕ぎで私下半身のあちこちに傷を負った。
それは裕美も同じで、下山後の入浴で複数のあざに気付いたそうだ。
『1967m峰』も最後は長い急登で、きついきつい。
そして登山口をスタートして6時間10分後、岳人あこがれの『1967m峰』の頂上に立った。
この『1967m峰』だが、日高山脈第三の高峰でありながら、経験豊富な登山愛好家以外あまり人に知られていない。
それは日帰り登山の対象となっていないため、ガイドブックで紹介されることがないからにほかならない。
しかし素晴らしい山で、特に『ルベシベ山』や『チロロ岳』から見る姿が鋭角でカッコいい。
『1967m峰』で軽食を口にしたあと、速やかに復路の行程に入った。
復路も往路の深くきついアップダウンを、同じだけ繰り返していかなければならないため、6時間をみなければならない。
素晴らしい大パノラマを目にしながら淡々と歩を進めるが、往路で疲れきった下半身は一歩一歩が重ダルく辛い。
スピードはがた落ちだ。
特に最後の登りである『伏美岳』への登り返しがきつくてきつくて、辛くて辛くて・・・
私はHiromiと知り合ってから、常にスピード登山を心がけるように指導してきた。
それは今回のような行程を想定してのことだった。
日帰り装備でどこまで行ってこられるか?
人が山中一泊ないし二泊でなければ行ってこられない山に日帰りで登ってくる。
これが私のやってきたことであり、裕美にもそれを会得させたかった。
これで裕美は5月の増毛山地『奥徳富岳』~『群別岳』~『幌天狗』に続き、“女性健脚者”としての称号をモノにしたことになる。
人間目標を定めて努力すれば、必ず報われるということを証明してくれたようなもの。
裕美、よく頑張った!