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2016.5.15 『前富良野岳』(1,625m)

 

 ねえちょつと皆さん、聞いてくださいよ~っ!

土曜の夜ねえ、富良野市布礼別の原始ヶ原登山口で三人宴会をやっているとき、車を出入りするToshiのジーンズの尻ポケットが膨らんでいるので、

「Toshiぃ、尻ポケットに何入れてんのよ?」と尋ねると、「財布です」。

「そんなものそんなとこに入れてたら、またなくすべやあ!」、「残念ですが、財布は30年以上なくしたことがありません」

「ホントかよ~っ!?」

そして今朝、テントから出てきたToshiが、何かを熱心に探している。

「Toshi、何探してる?」、「財布がないんですよねえ・・・」

「何言ってんのよ? ジーンズの尻ポケットに入ってるべや!」、「アッ・・・」

皆さん、こういう人が某株式会社の専務取締役の地位にいるんですよ。

考えられますぅ?

うちの女房に言わせると、「そう言う人でなきゃ出世できないんだわ」。

とにかく“キングToshi”は相も変わらず我が道を行く!

 

 今朝5時55分、夏道登山口をスタートして『前富良野岳』を目指した。

今回も原始ヶ原からの『境山』を融雪進行で変更した。

この時期は現地で山容を確認しなくては、積雪の状態を把握できない。

 

 歩き出して30分ほどで左手に現れる無名の小沢に入る。

この沢は水量が少なく、夏場は水が涸れる。

そして沢は出合いまで雪が残っており、藪漕ぎの煩わしさがなくて助かった。

すり鉢状の沢形はまっすぐ『前富良野岳』に向かっている。

ただ、『前富良野岳』の南面は斜度がきつく、一直線に登るわけには行かない。

いつもは向かって右側(東側)の尾根を利用するのだが、この日は左側(西側)を登ることにした。

高度を増すに従って斜度もきつくなるが、雪が融けてアイゼンを深く食い込ませてくれるので、滑落の心配はそれほどでもない。

 

 8時15分、『前富良野岳』とその西の「1,459mP」を結ぶ稜線上に上がった。

と同時に凄まじい風が南から吹き付ける。

Hiromiが飛ばされはしないかと恐怖で、深く突き刺したピッケルにしがみついている。

それでも風というのは、自らの立ち位置を少し変えただけでぐんと弱まるものだ。

そんなところに導き、「どうする、ここで待ってるか?」と尋ねると、少し間を置いて「行く!」。

それから強風下ではあるが、素晴らしい風景を眺めながら頂上を目指し、

8時35分、頂上着。

強風の下、雪渓にカメラの三脚を突き刺して記念撮影。

その後速やかに下山を開始した。

下山になるとやたら張り切って、バッタバッタと走り回るToshiとは対照的に、静かだが心配なのがHiromiだ。

もし滑落したら大変なことになる。

しかし、融けかかった雪がほどよく足場を確保してくれ、何事もなく下山。

沢形に下り立ったあとは淡々と下り、

10時10分、登山口着。

前日と同じく「ハイランド富良野」で汗を流し、その間にザック、ピッケル、アイゼン、ストックその他の装備を全て車の屋根の上に上げて乾かし、悠々と帰途に着いた。

 

 日曜日の早い帰宅は時間にゆとりができて助かる。

洗濯、写真の整理等、やることがたくさんある。

それにしてもいい週末だったなあ・・・

 

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2016.5.14 『御茶々岳』(1,331m)

  この週末は随分久しぶりに土日を通しての好天予報だ。

天候を心配せずに予定を立てられるのは大変ありがたい。

 

 土曜の早朝、Toshi、Hiromiと富良野へ向かった。

3人で出かけるのは、前述の土日好天予報同様、久しぶりのことだ。

いや、出発時点から一緒というのは今年初めてのことだ。

 

 この日は夕張山地の『御茶々岳』~『松籟山』を周遊することにしていた。

しかし心配していた通り、『御茶々岳』の登路で『松籟山』から下降尾根を伝ったあと、

林道に下るまでの斜面の雪がすっかり消えてしまったことを確認。

汚い笹が立ち上がった中の藪こぎは避けたいので、『御茶々岳』のみの行程とした。

 

 6時40分、18線林道入口付近を駐車地としてスタート。

少し歩くと林道ゲートが有り、しっかりと施錠されていた。

但し、上川南森林管理署に申し出れば、鍵のナンバーを教えてくれるらしい。

私は過去にこの林道をMTBで走ったことがある。

しかし短いので、歩きもそう気にはならない。

 

 7時20分、林道終点。

この辺りは、ここを訪れるたびに風景が変わっている。

大雨や雪融け水で、常にその姿が変化しているようだ。

18線川を一度だけ渡渉しなければならないが、水量が多くてとても水中は突破できない。

しかしどうしようかと思案する間もなく、うってつけの倒木が橋を成しているのを見つけた。

渡渉後川から離れて斜面に取り付くのだが下部は融雪が進み、笹がかなり立ち上がっている。

この山域を攻めるのは今回がラストチャンスだったかもしれない。

 

 急登が始まる前の適当なところでアイゼン装着。

その後の急登の連続ではアイゼンがなくても十分登れるが、アイゼンを装着した方がスリップすることなく楽に登れる。

多少腐りかけた雪の急斜面を一歩一歩登って行く。

とにかく長い急登だ。 

前方左手に見上げるようにそそり立つ『槙柏山』(1,184m)の頂きがだんだん迫ってくる。

しかしルートは右手を目指す。

そして『御茶々岳』から東に伸びる尾根に乗ると頂上は近い。

最後は富良野盆地とその背後の十勝連峰を背に、

9時55分、頂上に至る。

 

 『御茶々岳』の最大の魅力は、頂上からの景観にある。

南に『芦別岳』の迫力ある姿を目にしたかと思うと、その西には鋭い鋭鋒『中岳』の端整な姿。

振り返ると『中天狗』から『布部岳』~『富良野西岳』~『松籟山』の美しい山並みが続く。

ちょっと早い昼食を摂りながら、そんな景観をゆっくり楽しんだ。

 

 下山はほどよく融けかかった雪面を淡々と下って

11時45分林道へ。

また林道をトコトコ歩き、

12時15分、駐車地着。

 

 思いがけず短い山行となったので、「ハイランド富良野」にてゆっくり汗を流し、

『富良野岳』原始ヶ原登山口へ移動した。

そして3時20分、

 早々と「かんぱーいっ!!」

日が長くなったこの時期の遅い夕暮れを、ゆっくりと楽しんだ。

 

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