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2016.5.21 『美瑛富士』(1,888m)

 

  金曜の夕方、Hiromiを拾って美瑛町の白銀温泉へ向かった。

日の長いこの頃、まだ薄明かるいうちに到着できたので、目指す山の麓を確認。残念ながら融雪が進み、尾根に取り付けそうもない。

それで土曜の山行を『美瑛富士』に変更した。

 

土曜の早朝、『美瑛富士』の登山口駐車場に行ってみると、他に車はなし。

6時ちょうど、駐車場をスタート。

しばらくは雪のない登山道を進む。

しかし、間もなく雪渓が現れ、その後は登山道が見えたり隠れたり。

そのうちに全てが雪の下となった。

全てが雪の下とは言っても、それは登山道の話しで、ブッシュやハイマツはかなりの面積がむき出しとなっている。

こんなときのルートファィンディングが難しい。

純白の世界ならどこでも歩くことができ、目標に到達できるが、春山ではルートファィンディングを誤ると、

ひどく回り道をしなければならなくなったり、戻ったりを繰り返すことになる。

そんな春山も、長年の経験と勘で動き回ってきた私だが、そばにGPSを持ったHiromiがいると、ついついそれに頼ってしまう。

夏道登山道沿いに歩くべく、時折「それたか?」と声をかける。

結果的にこれが間違いだった。

GPSが示すルートに戻ろうとすると、かえってハイマツ帯につかまってしまう。

それであちこち歩き回り、ずいぶん時間を要した。

  7時45分、天然庭園。

Hiromiがハイマツに足を取られて転倒。

その際に手にしていたGPSを落としてしまった。

ただ雪上に落としたのなら何の問題もない。

しかしそこには運悪く岩の裂け目があった。

その中にスッポリ落ち込んでしまった。しかもその裂け目は大変狭く、底も深い。

ストックを140cmまで伸ばして中を探ろうとしても、底まで届かない。諦めるしかなかった。

まだ買って1年も経っていない7万円のGPSが、一瞬にしてパ~だ。

 

『美瑛富士』の裾を北たから南に回り込むような長いトラバースを終えると、広い東斜面に取り付き、あとは淡々と登る。

かなり傾斜のきつい斜面ではあるが、雪が腐りかけて滑落の心配はない。

私は「淡々」とは行かず、きついきつい。

やはりトレーニング不足で、要するになまっているのだ。

勤め先が変わってから、運動不足となり、体重も増した。

結局Hiromiにおいていかれ、少し遅れて

10時ちょうど、頂上着。

実に4時間を要してしまった。

季節外れの高温で空気が透明感を失ってはいるものの、素晴らしい風景が広がる。

人っ子一人おらず、風も弱い。

なんと贅沢な空間か?

そんな申し分のない頂上に、いつもより長い時間留まった。

美しい風景を堪能したあとは、来たルートをそのまま戻る。

下りは登りよりルートファィンディングが更に難しい。

ポイントを見落とすと、あっという間に別方向へ下ってしまう。

それが嫌なので、登ったトレースを忠実に辿った。

しかし樹林帯に入ると完全に融けてなくなった。

その後は勘に従うが、なかなか登山道が見つからない。

登山道が刻まれている尾根を蛇行しながら探すも、むき出しの笹の面積が大きくなり、それ以上の下降は危険と判断し、

トレースを見失った地点まで戻るべく、登り返すことにして間もなく、雪渓の中にわずかな登山道露出部分を発見。

あとは下降するに従って、登山道の露出部分が多くなる。

 

  13時25分、駐車場着。

たいして長い行程ではないのに、ひどく疲れた山行だった。

それにしても好天続きで助かる。

 

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