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2018.3.18 『分監山』(460m)~『三角山』(708m)  樺戸山地の鋭鋒に登る!

 この週末からGWまで、私の土曜休日がなくなる。

勤め先がGW前の繁忙期となるため、

毎年この期間は週に日曜日一日だけの休日となる。

それがまた山にとっては素晴らしい時期に当たるものだから、

ストレスのない私がストレスを抱え込むことになってしまう。

まあ、それもかなり慣れたし、

その繁忙期が終われば割と自由に休めることを覚えたので、

自分をなんとかなだめながらやっていくさぁ~

 

 「三角山」という名称をもつ山は各地に点在している。

それが札幌市内の『三角山』のように、

東側から見るとその名の通り美しい三角形の姿を持つものもあれば、

夕張市の『三角山』なぞは、「どこが三角ぅ~?」と首をかしげてしまうその姿。

そして樺戸山地の『三角山』はと言うと、

鋭角でピラミダルなその姿は、

『三角山』という名にふさわしい姿を見せている。

そんな樺戸山地の『三角山』には20年近く前、

中小屋川の林道を詰めて沢筋に入り、

とある尾根に取り付いて、

一度だけその頂上に立っている。

その後数度再登頂を試みたが、

激しい降雪や雪崩の危険を察知してアプローチ段階で断念してきた。

それで常にモヤモヤとしたものが心の片隅にあり、

いつかそれを振り払わねば、と思い続けてきた。

また、Hiromiにとっては初登の山であり、

大いに登行意欲を掻き立てられての挑戦だった。

 

 今朝6時ちょうど、『分監山』麓の駐車地をスタートした。

今回は沢筋の雪崩の巣を回避して登るルート開拓をすることとし、

一旦『分監山』頂上に立ち、

そこから北に伸びる尾根を伝って『三角山』を目指すことにした。

数年前にもこれを狙って挑戦したことがあったが、

その年は積雪が少なく、

途中の細尾根でブッシュがうるさくて嫌気がさし、

リタイアしてしまった。

地形図で確認すると尾根は『三角山』までつながっている。

ただ一箇所気になるところはあったが・・・

 

 7時05分、『分監山』。

雪面が締まり、スノーシューのアイゼンがよく効くため、

ずいぶん短時間で『分監山』に達した。

そして休むことなく北尾根に乗る。

尾根はおおよそ幅が広く、快適に歩を進めることができた。

アップダウンが続くものの、たいして負荷がかかるところはない。

そんな快適な歩行を楽しみながら歩き、

8時ちょうど、CO.440で気がかりだった箇所に着いた。

尾根が限りなく垂直に近い斜度で深く落ち込んでいる。

一瞬Hiromiのことを考え、「まずい!」と思ったが、

雪に助けられた。

今冬の多い積雪が崖状の尾根を覆い尽くし、

難しい下降を和らげてくれていた。

スノーシューをザックにくくりつけ、

ツボ足で下降を開始。

少々時間を要したものの、何の問題もなくクリア。

これを下りきると、あとはもう最後の登りに耐えるだけだ。

スノーシューをデポして登行を開始。

相変わらずよく締まった雪面の尾根を淡々と登って行く。

高度が600mを超えると背後に空知平野の広々とした風景が広がる。

そして最後は狭く壁のような急登だ。

写真ではその斜度が表れないが、かなりきつい。

そこでHiromiが、「私ここで待ってるから行ってきてえ」。

その時点でHiromiに「いいから登れ」と言ってしまえば登った。

しかし、それは怖い。

技術的に難しいわけではなく、Hiromiだって登れるのはわかっている。

ただ、Hiromiの心の中にある「恐怖心」、これが怖かった。

もうヒビりまくりでガチガチだ。

申し訳ないがひとりで頂上に立った。

9時20分、『三角山』。

遠くから見るより意外と広い頂上からは『隈根尻山』方面の景色が美しい。

Hiromiが頂上直下30mのところで待っているので、

そそくさと写真を撮って下山開始。

Hiromiは変わらず不安そうな面もちで待っていた。

して「ここまで登れただけで幸せだ~」。

その言葉にホッと安堵して下降。

 

 下山は中小屋川に下って林道を利用することにした。

先日の大雨で崩れるべき雪庇は既に崩れ落ちているであろうとの判断だ。

小屋川に下ると巨大なデブリが数箇所。

そんなデブリを越えて、腐りかけた雪を踏みしめながら淡々と歩を進め、

12時05分、駐車地。

積年のモヤモヤがようやく吹き飛んだ。

そして新たなルート開拓ができたことに満足して帰途に着いた。

 

 

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