北海道の山野でとことん遊ぶ!!
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2019.3.10 『別狩岳』(666m) 今年も恒例の山に登る
積雪期には登りたい山がたくさんある。
しかし、登らないではいられない山もある。
私にとって、それが南の『別狩岳』だ。
もう10数年前から毎シーズン登ってきた。
日帰り山行には手軽であり、細尾根登行のスリルが楽しめる上、
増毛山地や浜益一帯の山、樺戸山地の展望が欲しいままだ。
土曜日は青山ダム付近で車中泊し、
日曜日の朝7時05分、
青山ダムから数キロ当別寄りの駐車帯をスタート。
ここを起点にこの山の山頂を往復するのが最短距離となる。
スタートして当別川に架かる唯一の古い橋を渡る。
ただ、この時期はまだ川が凍結しているので、
どこでも渡ることができる。
スタートしてすぐにスキーのトレースが現れた。
続いてツボ足の跡も。
以前は誰も登った気配がない中を登ったものだが、
増毛山地同様、インターネットやGPSの普及とともに、
多くの登山者が入るようになった。
雪面は気温が高く緩んでいるものの、
適度に締まって歩きやすい。
最初はスノーシューを背負い、ツボ足だったのだが、
やはりまだ早くスノーシューの方がはるかに楽だ。
送電線下の広い大地を西進すると、間もなく樹林帯に入る。
樹林は落葉樹からすぐ針葉樹に変わる。
植林された濃い針葉樹林帯を進むと、
やがてまばらになり、先の見通しが効くようになる。
もう随分回を重ねて登ってきた山なので、
ルートは明確に記憶されている。
もう10数年前に動物的勘だけを頼りに入山し、
ミスすることなく確立したルートだ。
小尾根の頭をつないで進むと、
CO.270で尾根が切れて桂沢川に吸い込まれる。
そこで一旦桂沢川の枝沢の底まで70mほど下る。
そして西の大きな尾根の末端に取り付く。
これがなかなかの斜度できつい。
その尾根に取り付くと、今度は急登に耐えながら、
一気に約400mの標高差を稼ぐことになる。
淡々と歩を進めるも、天気が良いと登行の苦痛が小さくなる。
疎林の中の登りはCO.500で一気に前方の視界が開け、
純白の大地が広がる。
これを登って行くと、
背後に樺戸山地の雄大な風景がどんどん広がっていく。
そして今回はこの広い斜面に亀裂がない。
昨年はもっと早い時期に深い亀裂が走り、
それを避けて歩くのが大変だった。
それが見られないというのは、今冬の積雪の少なさを物語っている。
雪が多いとその重量に耐え切れず、
急斜面に堆積した大量の雪がずり落ちて亀裂を生じる。
おかげで久しぶりに純白の美しい斜面を目にできた。
8時50分、「586mP」。
ここから見る樺戸山地の風景が素晴らしい。
そしてここでの色々な思い出が蘇る。
もうずいぶん昔になるが、ここで昼食と思った途端、
誤ってコッヘルを転がしてしまい、
谷底まで回収に下ったことがあった。
またあるときはクレバスに大鹿が落ちて、
そこから抜け出せないでもがく姿を見た。
「586mP」を過ぎると、いよいよこのルートの核心部となる。
そしてここから先には人が入った痕跡は見られなかった。
尾根は進むほどに細くなり、
ここでも積雪の少なさが痩せ尾根を、
いつもの年より更に細くしている。
Hiromiの滑落を心配しながらの登行だ。
それでも私が先を登ってステップを切ってやると、
泣き言を言うこともなく、慎重に危険箇所をクリアした。
以前のHiromiなら
「こんなとこ登ったらおりれないよ~」と、
泣き言を口にしたものだ。
無難に細尾根の登行を終えると広い稜線に出る。
そして頂上が100mほど先に見えている。
9時30分、『別狩岳』。
360度遮るもののない風景が広がるものの、
なんだかぼんやりと霞んでいる。
またPM2.5に覆われているのだろうか?
細尾根の下降もまた心配なので、
頂上に長居することなく下山を開始。
滑落の危険が高いところは巻いてクリア。
10時10分、再び「586mP」。
また雄大な風景を眺めながら下る。
樹林帯に入ってから早めの昼食を摂り、
楽しく下って、
11時30分、駐車地。
いやあ、晴れていると余計楽しいわ~
二人して大満足の二日間に感謝して帰途に着いた。
そしてもちろん仕上げは「サイゼリヤ」で
カンパーイッ!!
そしてこの日のが、
私にとって通算3,400回目の山登りとなった。