発達トラウマ障害(DTD)≒愛着障害の子ども。コナーは身なりも「遊びがない」状況でした。
ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.149の第4パラグラフから。
「でもさ、ボタンがあるじゃん」。コナーは、?って顔で、言いました。
そこで私は、ハサミを取り出して、ボタンを外しました。(母親の)ジェーンは気に入らずに、「いつから、セラピーでハサミを使うようになったんですか?」と私に電話を掛けてきて、言ってました。それでも、コナーが成長し続けていましたから、ジェーンも矛を収めました。コナーは私どもの治療プログラムで、別の少年と友達になりました。その子は十代の子で、ネグレクトで悩まされていて、情緒的な発達で、コナーと同じくらいの子どもでした。この2人は、音楽と運動のクラスで一緒だったんです。
ブルース・ペリー教授は、キチンと子どもたちの情緒的な発達を評価して、子ども等に接しているところが、プロですね。発達トラウマ障害(DTD)の子どもも、大人も、情緒的には、0歳、赤ちゃんだ、ということをきちんと評価しないと、関わり方が間違う元凶になります。
いま日本の学校で、勉強の進度の評価はしても、情緒的な発達段階をきちんと評価しているケースは、非常に稀でしょうね。勉強を教えることがまだ学校の役目だと誤解しているからですね。ユングが言っているように、お勉強も学校の役目ですが、半分以下の役割にしかすぎません。