エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)の子どもも、大人も、心は0歳

2016-08-29 06:10:44 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
「第三の道」の不思議
   少数意見がなぜ大事なのか? 世界にいっそうの自由をもたらす<新しいヴィジョン> 身代わりとしての患者2013-08-28 02:00:39 |&n......
 

 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。コナーは身なりも「遊びがない」状況でした。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.149の第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 「でもさ、ボタンがあるじゃん」。コナーは、?って顔で、言いました。

 そこで私は、ハサミを取り出して、ボタンを外しました。(母親の)ジェーンは気に入らずに、「いつから、セラピーでハサミを使うようになったんですか?」と私に電話を掛けてきて、言ってました。それでも、コナーが成長し続けていましたから、ジェーンも矛を収めました。コナーは私どもの治療プログラムで、別の少年と友達になりました。その子は十代の子で、ネグレクトで悩まされていて、情緒的な発達で、コナーと同じくらいの子どもでした。この2人は、音楽と運動のクラスで一緒だったんです

 

 

 

 

 ブルース・ペリー教授は、キチンと子どもたちの情緒的な発達を評価して、子ども等に接しているところが、プロですね。発達トラウマ障害(DTD)の子どもも、大人も、情緒的には、0歳、赤ちゃんだ、ということをきちんと評価しないと、関わり方が間違う元凶になります

 いま日本の学校で、勉強の進度の評価はしても、情緒的な発達段階をきちんと評価しているケースは、非常に稀でしょうね。勉強を教えることがまだ学校の役目だと誤解しているからですね。ユングが言っているように、お勉強も学校の役目ですが、半分以下の役割にしかすぎません

 

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無意識にある激しい怒りは、勝手に動き出す

2016-08-29 05:43:32 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
自由自在に、いまを生きる
  「あしあと」の詩はいかがでしたか? ビーチのお土産にどうぞ。 Young Man Luther 『青年ルター』p.221の第4パラグラフから。   ......
 


 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども。肝心な時に、辛い思いをしがちです。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.125。第8章。下から4行目途中から。

 

 

 

 

 

 2・3杯ワインを飲んで、「法と秩序」を取り戻した後、マリリンとマイケルは、マリリンのベッドの枕のあたりで、一緒に休みました。朝方の2時頃、マイケルは眼が覚ましました。マリリンは、マイケルの身体が自分の身体に触れていることが解かると、両手の拳でマイケルを殴りつけて、引っ掻き、噛みつき、「人でなし、人でなし」叫び出しました。マイケルは跳び起きて、荷物をわしづかみにして、逃げ出しました。マイケルが出て行ったあと、マリリンは自分のベッドに何時間も座ったまま、自分の身に起きたことに呆然としていました。マリリンは、ひどく恥ずかしくなって、自分がしたことで自分が大嫌いになりました。それで、マリリンは、男が怖いこと、何故か分からない内に怒りをぶつけてしまうことを直したいと、私のところに来てくれました。

 

 

 

 

 

 無意識に押し込まれている激しい怒りが、まるで、別の生き物みたいに、マリリン本人とは別人格があるみたいに、勝手に動き出すかが、上手に示されているところですね。

 無意識にある激怒を、治療しなくっちゃね。

 

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教育をずっとしてない、ニッポンの学校

2016-08-28 22:15:38 | 間奏曲

 

 

 
禅とエリクソン
    道 アイデンティティ  無知の知こそ、あらゆる賢さの基です。 p69下から2行目途中から。   &a...>続きを読む  今......
 

 

 

 今宵は、林竹二の言葉から。「学校は子どもたちの生きられない場所になってしまった」 『運命としての学校』(1983)から。

 

 

 

 

 

 第一に、学校というものは子どものためにあるもので、教師のためにあるものではないということ。語を換えていえば、子どもの教育のために設けられたもので、教育の職場として設けられたものではないということである。…

生命への畏敬を欠けば、教育は成立しない。日本の学校教育の致命的な欠陥は、生命への畏敬の念を欠いていることであろう。

 

 

 

 

 

 いまから30年以上前に、このように指摘をされていることに、愕然とします。30年以上前から、日本の学校では、教育はしてないんであって、それは今に始まったことじゃないことが解かりましたね。

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すべては、クライアントが内省するため

2016-08-28 20:41:30 | 間奏曲

 

 

 
あしあと・・・
  自分の「未解決の個人的課題」は平凡な日常生活を送っていても、なかなか気づけるものではありません。「困ったなぁ」、「あいつはとにかく許せない」などと感じるような場面に出く......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども、大人、親しい関係が怖いのは、悲しい関係を思い出すから。

 最終章の第7章、p.285の、7行目途中から。

 

 

 

 

 

しかし、サイコセラピーを続けている間、スージーは親しい関係が怖い、ということを克服しましたし、私がこの本を書いている時、スージーは熱心にパートナーを探しています。このような区別は、発達トラウマ障害(DTD)を生きて来た人達が、自分自身を見出した関係が新たになる心構えが、スージーにできたことを示してんですね。 クライアントが、新しい関係に心の準備ができていること、あるいは、新しい関係を望んでいることは、セラピストが一番大切に、一番共感をもって、一番大切にしなくちゃいけないことです

 

 

 

 

 

 サイコセラピーは、自分の気持ちを表現し、それを受け止めてもらうことで、内省する、ということが基本形です。

 サイコセラピーは、クライアントが内省するお手伝い以上のことは出来ないんです。

 クライアントでも、どなたでも、本当の自分との出会いは、内省以外に方法がないからです。

 

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発達トラウマ障害(DTD)の子どもに一番必要なのは、「遊び」

2016-08-28 01:36:27 | 間奏曲

 

 

 
女子高生の売春には、大きな磁場が働いている!
  心大らかに、朗らかに、ユーモアセンスのある大人になりたいものですね。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p70の第4パ......
 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。コナーは身なりも「過激」でした。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.149の第3パラグラフから。

 

 

 

 たとえば、コナーは、ボタンをカラーのところまで留めて、シャツを着たものです。ある日、私は一番上のボタン蓮ばしたら、と言いました。コナーは、まるで私が気が狂っているみたいに、にらみつけて、「どういう意味?」と訊きました。「うん、ボタンを全部止める必要はないんだよ」と応えました。

 

 

 

 

 ボタンは留めるもの。そのように了解すると、ボタンは全部止めなくてはならないものになっとしまう…。コナーには「遊び」がありません。関わって来た大人に「遊び」がなかったからです。

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもに関わる時に一番必要なのは、いつでも、この「遊び」です。

 

 

 

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