エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD) : 親に捨てられた子ども達

2016-10-30 13:30:18 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
精神分析も、一種の瞑想法だ
   無意識は、ホッタラカシにすればするほど悪さをしますから、意識の光で、照らしてあげればいいのですね。 The lie cycle completed 『人生の巡......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.141、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 生育歴に関して、同じような質問をされました。「誰と住んでるの?」、「何回引っ越したの?」、「誰が母親役だった?」。いろんな所に、たらい回しにされている患者さんが多いんですね。年度途中でも、転校もしなくてはなりません。親が刑務所行、精神病院行、軍隊行という人もいます。養父母から別の養父母のところへという人もいますし、いろんな親戚と一緒に暮らしてきた人もいます。

 

 

 

 これはアメリカだけの話ではないですね。ニッポンでも、それはそれはひどいですね。1人暮らしと言ったら、大学か社会人になってからするものと思いますでしょ。ところが、親に捨てられて、1人暮らしになっている高校生、おばあちゃんに預けられている小学生は、かなりいるんですからね。

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども達、ニッポンでも、親に捨てられて、何度も引っ越ししたり、母親役が何度も変わったりするケースで溢れてんですね。

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 子どもがイキイキする、手応えのある経験

2016-10-30 11:19:00 | 間奏曲

 

 

 
耐え難い気持ちの対処法は
   アインシュタインは≪私の時間≫を、かく語りき  私どもは、はたして≪私の時間≫を持てているでしょうか? 自分が生かされている意味を再確認する時間で......
 

 

  Chilhood and Socirty から。p.235から。

 

 

 

 

 

  育ち盛りの子どもは、あらゆる舞台で、イキイキとした、手応えのある経験をしなくてはなりません。それも、その子が自分のことを自分でやるやり方(その子の自我全体)が、みんなが自分を確かにされる上手なやり方でもあると同時に、時間も場所もやることも、自分の見通し通りでもあると、その子が解るものでなくてはなりません

 

 

 

 

 

 手応えのある翻訳にするために、かなり時間がかかったところです。

 良心が、「共に見通す」という意味であることは、このブログで繰り返し申し上げていることでしたね。子どもが、自分自身を、≪本当の自分≫を、良心を作り上げるためには、その子が、時間場所やることを、その子が自分で選べる、ということがとても大事です

 今の大人たちの狂気は、親も教員も、子どもから、この自分で決める時間と場所とやることを奪っていることにある訳です。時間割とルールの強制こそ、今のニッポンの学校の狂気です

  

 

 

 

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インターメッツォ: 沈黙の秘密

2016-10-30 07:38:26 | 間奏曲

 

 

 
愛着障害と若者の自殺
   信頼=自己信頼+他者信頼  自分自身を信頼すること。それかすべての始まりです。 p114第3パラグラフ。     ...>続きを読む ......
 

 

  ヘンリー・ナウェンの『魂の向き』Spiritual Direction、p.97。さらに、昨日の続き。

 

 

 

 

 

 

 およそ、言葉を話す時には、その言葉すべて、沈黙から生まれなくてはなりませんし、絶えず、沈黙に戻らなくてはなりません沈黙が、語る言葉に、力と内実をもたらすからです。心からの言葉を語ることができるのは、沈黙からなんですよ。私どもが言葉を話す時、言葉の源になっている沈黙の秘密を明かす訳ですね。言葉がうまく伝われば、沈黙という名の余韻が残るものです。

 

 

 

 

 

 言葉は、単なる情報ツールではないことが分かります。特に、話し言葉は。話し言葉には、いろいろな音色がありますでしょ。それに、話し言葉には、間も遊びもありますしね。

 話し言葉は、語られない部分が、むしろ大事なのかもしれませんね。

 沈黙の秘密って、何のことだと思いますか? 

 沈黙の秘密って、“ 感じ ” です。

 ですから、知ることは感じることの半分も大事じゃない訳ですね。

 

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最悪は、最善を装うもの

2016-10-29 14:22:05 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
心のビョーキ
   集団を超える≪超越≫  加藤周一さんによれば、日本人はその1000年以上に歴史の中で、集団を超える≪超越≫に関わったのは、鎌倉仏教くらいだ、と言い......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p164、第3パラグラフから。

 

 

 

 

  東テキサスのアメリカ式養父母たちは、「」に内在する危険をこれっぽっちも知らないことは明らかでした。また、ヴァーノン一家を担当し、ヴァーノン一家の「抱っこ療法」にも時々出ていた児童保護局のケースワーカーも、全くの無知でした。「抱っこ」のものの考え方は、アメリカ式養父母たちの宗教的な信念とピッタリだったんですね。その信念とは、罰をおまけしてもらった子どもらは、ダメになるし、悪いことや非行を避けるようにさせるためには、ぶちのめす位されなくちゃいけない、というものでした。

 

 

 

 

 

  ひどい話ですが、アメリカも南部となれば、スパルタ式みたいですね。従順にさせるためには、子どもをぶちのめすのもお構いなし…。

 虐待は、今のニッポンでも、躾を口実、言い訳に、されることが多いですね。

  

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発達トラウマ障害(DTD)の子ども・大人は、当てになる人は「だぁれも、いません」

2016-10-29 13:32:10 | 間奏曲

 

 

 
心のともしび
   戻っておいで、私の時間  形は中身が大事なので、日々中身を確かめなくちゃあいけません。悦びなのか? 真実なのか? それとも、「人間を上下2つに分け......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.140、下から5行目途中から。

 

 

 

 

 

 

自分が経験したトラウマのことを恥ずかしく感じるが普通だ、ということを肝に銘じて、私どもは面接の質問票、『トラウマ生育歴質問票』(TAQ)を作りました。面接は、いくつかの簡単な質問で始めました。「何処に住んでいますか? 誰と住んでいますか?」、「誰が働いていますか? 料理ゃ掃除をするのは誰ですか?」。この質問票は、次第にトラウマに関する問いに進みました。「毎日当てにしているのは誰ですか?」、「病気の時、買い物に行ったり、医者に連れて行ってくれるのは誰ですか?」、「動揺したときに、話しを聴いてくれるのは誰ですか?」。要するに、誰が情緒的な支援や具体的な援助をしてくれるのか? と言うことです。時には、驚くような返事をする人もいましたね、「当てになるのは、飼ってる犬です」だの、「セラピストです」だの、「そんな人はいません」だの…。

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の人は、子どもでも、大人でも、赤ちゃんの時の発達危機を乗り越えられずにいるんです。ですから、自分も人も、信頼することができません。当てになる人は「だぁれも、いません」と言うことになります

 

 

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