コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

梅雨時の富士山麓  ~ ツリシュスラン

2021-07-09 19:27:38 | 登山


~前回の続きになります。








苔蒸した樹々を一本一本双眼鏡で見上げながら標高を上げていきます。

倒木も見事にふかふかグリーンにコーティングされています。








北八ヶ岳の森も苔が美しいのですが、コメツガ、シラビソなどの針葉樹の森です。
富士山麓にはブナ、ミズナラやカエデも多く、苔やシノブが多く着生していて
貴重な着生ランも住んでいる、とても多様性のある森だと思います。

この時期、ブナやミズナラを見上げると所々でツルアジサイの花が見られます。






初秋のイワギボウシ、秋のダイモンジソウ・・・・
食害で林床の花はありませんが、樹々に着生する花が楽しめます。

ブナの樹の周辺には果実のガラがビッシリと積るようにありました。
昨年は豊作だったのですね。









小さいのが幸いして食害から逃れたハコネラン、アリドオシラン。















アリドオシランはまだ蕾でした。

米粒程度の大きさですが、苔の緑の中ですと白い蕾がそれなりに見えてきます。










なだらかに見える富士山麓ですが、中に入ると地形は複雑で時々GPSで位置を確認しながら行きます。
基本は登っているので、迷ったらそこから下って行けばそのうち何処かの車道に出るだろうと
安易に考えていると深い迷路にハマります。


この樹は昨年の秋に探索していた時、フガクスズムシソウの葉がまだ残っていたので
撮影して帰ってからパソコンのモニターで明度を上げ拡大して、細部もよく見ていたら
ツリシュスランの葉が多く着生してるのが確認できました。





















昨年は一株も咲かなかったようですが
今年は何株も花芽が見えます。 (^^ 


目線近くのフガクスズムシソウは少なくなってしまいましたが
よく見て行くとシノブの隙間に住んでいたり、双眼鏡レベルで見上げて見る枝には
ワサワサと住んでいます。

また種が下に落ちて、いつか目線の近くで見られる時がくれば・・・・・

















何か着生していそうな樹を見つけては双眼鏡で順番にゆっくり眺めていきます。

ツリシュスランは花が終わってからでも花殻が目立つので
昨年の秋に場所を変えて2度ほど探し歩いてみましたが、まったく花殻は見つかりませんでした。
パソコンのモニターで株があるのを確認できたくらいで、花殻や花芽がない株を
見上げて見るだけでは見つけるのが非常に難しいことがわかりました。

今日は丁度花芽が伸びている時期ですので、どこかで花芽を付けた株に出会わないかな~と
あまり期待はしていなかったのですが、立ち止まって見上げていくと、けっこう高い確率で花芽を付けた
ツリシュスランが目に入ってきました。


なかなかすぐには見えてきませんが、同じ樹を違う角度から何度も見ていくと
少し垂れ下がってきたツリシュスランの花芽が見えてきます。



















ここは双眼鏡で見る前にすぐ気が付きました。(^^











背伸びすれば届く位置にいました。










上の方にも点々と株があって、花芽を付けた株も見えます。









ようやく双眼鏡を使わないで、ゆっくりと観察できます。








花芽を付けた株を見ていると、
たぶんすぐ上の方の花芽のない株達と苔の中でつながっていて、同じ一つの株なのだと思います。


ベニシュスランは花を咲かせるとその株は衰退して
また2~3年後に成長して花芽を付けますが、ツリシュスランもそんな感じなのかな・・・・・




この樹には花芽を29本確認しました。きっとまだ見落としていると思います。
花が咲いた景色を想像すると、なんだかドキドキしてきます。































比較的低い位置に着生していた株を眺めていた時
何気なく下を見たら・・・・・

足もとにもいた。 (*_*;

ツリシュスランはさすがに足元にはいないだろうと思っていたので
ビックリです!









周りに葉は見当たりません。
こうして花を咲かせる株だけの時もあるようです。
長い間、養分わ蓄えていたのでしょうか・・・・・












今回は凄いコラボも見る事ができました。










数えていませんでしたが、少なくとも50株以上は花芽を見たと思います。

もともと多くの株が住んでいる森なのだと思います。
気候の影響なのか昨年はまったく花芽を付けない年で
今年はその反対の当たり年なのでしょう。










コメント (2)
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