蘇州の寒山寺は日本で最も馴染みのある中国のお寺かもしれません。
蘇州に来る団体旅行なら必ず寒山寺は訪れるのでは思います。
私の場合、休閑カードという蘇州近郊の観光地の年パスを毎年買っていて、
寒山寺もこの休閑カードで入園できる場所に含まれているのですが、
人が多いせいもあってお寺の中にはあまり入りません。
楓橋夜泊で有名な寒山寺の隣にある楓橋風景区には、散歩がてらしょっちゅう行くのですが。。
いつも寒山寺の外側から普明宝塔を眺めておしまいです。
(実際、普明宝塔の写真を撮りたいならお寺の外から撮るのが一番)
久しぶりに寒山寺の中に入ってみました。
現在は入園前に予約が必要となっていますが、実際は予約なしでも入れます。
(人が多くなるとチェックされるのかもしれません)
寒山寺の入り口は江村橋のある西側だけになっています。
天王殿から入るとすぐ目の前にあるのが本堂の大雄宝殿、左右には羅漢堂、大悲殿などの建物が並び、
いつもお参りに来る方々の線香の煙が充満しています。
羅漢とは、”阿羅漢(あらかん)の略称で、一切の煩悩を断って修行の最高位に達し、
人びとの供養を受けるに値する仏弟子や聖者をいう”とのこと。
羅漢堂には、金色の小さな羅漢像がずらっと並んでいます。
寒山寺の中で一番静かな場所は、天王殿南側の常楽池がある庭園です。
だいたいいつも人混みを避けて、ここで一息入れてから先に進みます。
皆さん、大雄宝殿とその先にある普明宝塔を目指して移動するので、
反対方向になるこの庭園には気付かないのかもしれません。
蔵経楼の屋根をよく見ると。。こんなところに西遊記が。
三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄と白馬が並んでいます。
寒山寺と言えば鐘、伊藤博文らが1914年に寄贈した鐘も残されています。
そういえばお金を払えば誰でも鐘を突くことができたハズでしたが、
今でも境内の鐘を突けるのでしたっけ、最近鐘の音を聞いていない気がします。
10年以上前に一度突いた覚えがあるのですが、すっかり忘れていました。。
2005年に造られた巨大な鐘はお寺の外にある梵音閣に納められています。
寒山寺が建立されたのは500年代の南北朝時代、その頃は妙利普院塔院という名で、
現在の名前になったのは唐代になってからだそうです。
長い歴史の中で、元代、明代、清代と戦乱や火災によって度々消失しています。
清代にも数回焼失しており、現在の寒山寺は清代末期に再建されたものになります。
観光客が集まる一番人気の場所が寒山寺のシンボル、五重塔の普明宝塔です。
境内からいい感じに写真に収めるのはなかなか難しいです。
普明宝塔の下にある池には大きな錦鯉がたくさんいて餌やりができます。
ここにいるのは確か日本の錦鯉だったと思います。
寒山寺と言えば、もうひとつ有名なのが楓橋夜泊の詩。
月落烏啼霜満天
江楓漁火対愁眠
姑蘇城外寒山寺
夜半鐘声到客船
蘇州の文人や有名人の彫った詩碑が境内のあちこちにあります。
寒山寺は住んでいるマンションからも見えますし通勤途中に前も通るので、
わざわざ中に入ろうとはなかなか思わないのですが、たまに行くと昔のことを思い出します。
以前、年末年始には盛大に花火が上がっていましたが、今はレーザー光線とライトアップになりました。
どちらもお寺の外からだけしか見たことがないので、
チャンスがあれば、除夜の鐘のイベントには参加してみたいと思っています。
なかなかチケットを手に入れるのは難しそうですが。。