蘇州呉江区、同里古鎮の近くにある静思園は、1993年に造られた新しい庭園です。
名前が同里にある世界遺産の園林、退思園に似ていますが全く別物です。
静思園は個人庭園です。蘇州園林を参考に10年かけて造ったのだそうです。
以前、静思園に来たのは2019年、今回で2回目です。
庭園には、池、橋、堂、亭、築山、石、回廊など蘇州園林の要素が全て揃っています。
明清代、民国風の建物などもあります。
蘇州古典園林との大きな違いのひとつは。。訪れる人がとても少ないこと。
今年の夏はとても暑かったせいもあるかもしれませんが、本当に少ないです。
ここだと好きな場所で好きな格好で写真も撮り放題だと思うのですが、
おばさまも、漢服を着た若者も、結婚写真を撮る人もほとんど見かけません。
今は入園料が70元するようなので、これも敬遠される理由のひとつかもです。
近くにある世界遺産の退思園は50元(同里古鎮のセットで100元)だったかと思います。
静思園に歴史的価値はありませんが、退思園とは比較にならないぐらい広い庭園です。
夏でも涼しさを感じさせる風が心地よい場所もありますし、好きな場所でのんびりできます。
また静思園には岩のコレクションが数多くあります。
最も大きな慶雲峰は、高さが9.1mで重さ136トン、1600ほどの穴が開いており、
何の記録かよく分かりませんがギネスにも登録されているらしいです。
以前来た時は、園内のレストランも営業していて、次はお茶を飲むか食事でもと思っていましたが、
レストランも売店も今は営業していないようでした。
実は、今回、静思園に来たのは。。
隣接する5つ星クラス(と紹介されている)の静思園大酒店が朝食付き357元というのを
旅行サイトで見て、怖いもの見たさも含めて宿泊してみることにしたからです。
ただし本当に5つ星クラスならこの価格設定は通常あり得ないです。
庭園式ホテルと呼ばれる広い敷地に大小の建物が並ぶホテルの見た目は立派です。
エントランス前の駐車スペースに空きがなく、停めた地下駐車場は若干廃墟感が。。
かなり経営は厳しそうに見えます。本館以外の建物はもう使用されていないようです。
ホテルのロビーは天井も高くとても広いですが、喫茶店も売店も営業していません。
もともとあった、宴会場、KTV、日本料理店、プールなども営業しておらず、
ホテルの食事は朝食だけ提供されているようです。
ホテルの部屋はとても広くベッドも大きいです。
部屋の中の物は全て年季が入っていますが窓の外には緑が多く、古いことを除けば快適です。
朝食は中華のみで時間帯は7時から9時までと、とても短く料理も追加されないので、
8時を過ぎると何も残っていません。1人57元らしいのでクレームレベルです。
麺だけは最後まであります。合理化とコストダウンを推進中のようです。
ホテルの名前は蘇州靜思園開元大酒店→蘇州靜思園豪生大酒店→蘇州靜思園大酒店と変化していますので、
経営難でついに合弁先もなくなったのかもしれません。
今は、団体旅行客の受け入れで何とか持ちこたえているのでしょう。
静思園は静かでいいところなのですが、静思園大酒店と共にすっかり寂れてしまいました。
以前は静思園にもホテルの敷地から直接入れたのですが、今は門も閉められています。
古い5つ星クラスのホテルは施設の古さを除けば安くて快適だったりすることもあるのですが、
ここは部屋とロビーの広さだけ5つ星で、それ以外は3つ星以下に成り下がったという感じでした。
もちろん値段からして想定の範囲内。。なのですけど。