江南一の建物とも称される、太湖の東山鎮にある彫花楼は、
レンガ、木材、金、石などなどほぼ全ての建材に彫刻が施されています。
東山の大富豪だった金錫之が1922年から3年間かけて完成させた個人の邸宅と庭園で、
建築様式は四合院になっており、彫刻は建物内部だけでなく外壁や門など様々な場所に見ることができます。
彫刻の数は、木彫りが2708、レンガ彫刻が289、金の彫刻が611、
石刻が86、粘土で作られた像などに施された彫刻が160あり、
江沢民、李鵬、温家宝など、日本でも聞き覚えのあるような政府要人も訪れたことがあるそうです。
彫花楼は元々春在楼と呼ばれていました。
建物は門が西側にある東西向きになっており、一日中日が当たるように造られています。
このことから、いつでも春のような邸宅という意味で春在楼と名付けられました。
2階部分は住居になっており、当時の家具や寝具などが現在も残されています。
西洋建築も取り入れたステンドグラスのようなガラス窓などが美しい邸宅です。
中庭から見る建物は2階建てに見えますが内部では3階建てになっており、
後ろ側の建物の方が2mほど高くなっています。
3階の隠し部屋には貴重品などを保管していたようです。
2006年には国の重要文化財に指定されています。
木読にある古松園の彫花楼もここと同じ職人が造ったものだそうです。
そんなに大きくはありませんが庭園も綺麗に手入れされています。
同じ敷地内には、1980年代に開業した蘇州東山彫花楼賓館(旧東山賓館)があります。
開業当初は東山では唯一の星級ホテルだったそうです。
東山は碧螺春という有名な緑茶の産地で東洞庭山とも呼ばれています。
今はちょっと寂れた感がある田舎町の雰囲気ですが、古くから農業、漁業や商業で栄えた場所です。
近年、太湖の湖岸には環太湖大道や環山公路という道幅も広く走りやすい道が整備され、
彫花楼の近くでは湖岸沿いに立ち並ぶ民家や畑を避けるように、水上に道が造られました。
この風景が抖音(TikTok)などに投稿されて以来、上海や蘇州近郊からも車やバイクが集まり、
休日には大渋滞が発生するほどの人気スポットになっています。
他にも近くの湖岸には啓園という園林もあります。
彫花楼、啓園、水上の道路はそれぞれ微妙に距離が離れていますが、歩いて周れないことはないです。
歩くのが嫌な方は629路のバスでそれぞれの場所の近くまで行けますし、
もっと足を延ばせば陸巷古村という古い街があります。
過去記事
※2017年の記事です。今はもっと観光地化されて雰囲気も変わっています。
蘇州市内からは車で行くのが最も便利ですが公共交通なら地下鉄1号線の木読駅で、
快線10号のバス(中華園大酒店バス停乗車)に乗り換えて東山首末で下車です。
公共交通利用でも以前よりはずっと便利になりましたし、
蘇州市内から自転車で東山まで来られる方もいらっしゃるようです。
いつも楽しく拝見させていただいております(^^)
彫花楼とても雰囲気があり素敵ですね(^_^)
昔の春在楼という名前の由来もこれまた素敵です!!
お寺などには彫り物が細かくされているので
よくそういったものを見たりしています
中国や台湾などでも寺院に行きましたが
どこも見事な彫刻がありました
ヨーロッパの彫刻とはまた違った味がして
いいですよね(^o^)
蘇州には東山の他に西山と木読に彫花楼と名付けられた建物があります。
すべて大金持ちの個人が建てた家です。
彫花楼の彫刻は寺院の彫刻のような安らぐ?感じです。
ヨーロッパの彫刻はなんというかちょっと威圧感もあるような、見守られている感があるような。
すみません、ちょっと違うかもですが。。(笑)
どちらもいいですよね。