学校のいじめ・虐待・暴力を考える 1 本の紹介『ハラスメントは連鎖する』光文社新書、2007年4月20日初版
「雨宮日記」で書いてきたように、ぼくの住んでいる町内の10階建てのマンションの屋上から、中学2年生の男の子が飛び降り「自死」しました。
その後、曳馬中学校の校長先生が「いじめ」があったことを認めました。妻の則子さんと二人で、少し、この「自死」問題というより、この間の学校のいじめ問題を追いかけようとしています。
そのためにも、その前提として、関心のあるみなさんに、次の本を読んで欲しいと思います。2年3ヶ月前に書いた本です。
本と映像の森31 安冨歩・本條『ハラスメントは連鎖する』 2010年04月24日 05時41分08秒
大津の中学生の自死問題で、加害者の親を特定しそこねて、まったく関係のない親を標的に、ネットで攻撃がされた事態がありましたが、それは、いじめに対するのに、「いじめ」行為では、いじめは連鎖していくだけで、解決しません。
無自覚に行動していると「ハラスメントは連鎖」してしまいます。
則子さんと数日前、話をしたのですが、「いじめをした子は家庭や地域や学校で、以前にいじめをされた子じゃないのかな」と。
たとえば、絶対に親に殴られたり、苛められたりしたことの無い子どもが、他の子どもを殴ったり、苛めたり、するでしょうか。その子自身が、想像もできないのではないでしょうか。
そういう「報復」の「連鎖」ですね。
ヒロシマ・ナガサキの核戦争を体験した被爆者は、「報復の連鎖」という地獄から逃れて、「ノーモア広島、ノーモア長崎」「ノーモア・ビキニ」「すべての核兵器をなくそう」「長崎を最後の被爆地に」などなど…高いモラルを維持していると思います。
まだまだいろんな論点があります。この本を全部読んで、反論なり、考察なりしてください。
そういう作業に値する本だと思います。