雨宮日記 2月1日(土) 則子さんは夜勤です
2月なのに暖かいので、則子さんが「智彦くん、散歩行く?」と誘ってくれたので、喜んででかけました。
三浦橋の付近は、黒と白の制服の紳士淑女のオオバンが占拠していました。いつもだともっとカモ類が多いのですが、今年は少ないです。オオバンを数えたら43羽でした。太鼓橋の南にも22羽いたので、合計65羽です。
三浦橋の南で、カイツブリが2羽、川面に浮かんではすぐ潜り、魚を食べていました。クチバシの色が違うので、オスとメスのカップルでしょうか。オオバンやカモは草食ですが、カイツブリや鵜は魚食です。
春の花はまだまだですが、すでにタンポポとオドリコソウとカタバミは咲いていました。
2人で歩く堤防 どこまでも続くといいな
カイツブリも 2羽で 泳いでいく馬込川
「ほら!見て!カタバミ」と 君がいれば言える
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午後3時半には夜勤で出勤なので、午後は則子さんは少しだけ仮眠しました。3時近くなったので「3時だよ」と起こすと、「ビブリアの夢だった」と言いました。
ビブリアとは今、話題の「古本屋推理小説」の第5巻で、数日前に買って来て、すぐ読んで則子さんに貸しているやつです。
鎌倉の鎌倉北駅の横にある古本屋「ビブリア古書堂」の若い独身女主人「栞子(しおりこ)」が不器用な青年店員「五浦大輔」と古本にまつわる謎を解決していく「古書ミステリー」なのですが、二人のなかなか進展しない恋がからまってもつれる傑作シリーズです。
「え?なに?それ、どういう配役?則子さんが栞子さん?」と、ぼく。
「わかんないけど、古本屋で、自分が本を縛っているところで目が覚めた」
「それって、ボクの蔵書を全部捨てたいという、たんなる願望じゃないの?」
わが家はもともと本屋だったので、則子さんがボクのお嫁さんに来た時は、ボクは本屋でした。でも、則子さんはずっと保母をしていて、そのあいだに、「林泉書房」は廃業にしたので、ついに、則子さんが「本屋さん」をすることはありませんでした。