カテゴリー名変更
これまでのカテゴリー名「青い地球とオレンジの花」を「青い銀河とオレンジの花」に変更しました。
内容に変更ありません。
カテゴリー名変更
これまでのカテゴリー名「青い地球とオレンジの花」を「青い銀河とオレンジの花」に変更しました。
内容に変更ありません。
自伝のための破片 10 十一月の惑星詩 PARTⅠ
1975年春に浜松へ帰ってきた。1978年(昭和53年)5月に56ページの同人雑誌『零 ー サークル零 創刊号 ー』に詩のようなものを2つ書いた。
これはその1編。「藤井智則」はボクの以前のペンネーム。
下手な「詩のようなもの」だけど、当時の自分の気分は出ていると思う。
ちなみに「十一月の惑星詩 PARTⅡ」以降は、ついに書かれませんでした。いま書いてもいいな。
「十一月の惑星詩 PARTⅠ
藤 井 智 則
生誕は腐食の都市
半透明な耐熱ガラスのビル街で
ぼくたちは育った
空ははるかに灰青色に
治平から治平へ飛行体がよぎる
湖面に 陽の影は長く
波間を秋が去っていく
沼地の泥に沿って歩いていくと
赤茶けた岸にギラつく陽ざし
ほおをくすぐる風だけがさわやかで
地蜂がうなりをあげていた時間
沼蛙たちが合唱している
ビル街の窓から女たちが手をふっていた
午後 人々が路上を埋めつくした
ポプラのつったった夕ぐれ
枝のざわめきがぼくたちの口にのぼる
苦悩の六十年代からまだ近く
ゆきかう男はふりっむきもしないで
花屋のバラは血をしたたらせる」