雨宮智彦古代史メモリー 15 20200129 本と映像の森 29 奥野正男『鉄の古代史3 騎馬文化』白水社 20100413
本と映像の森 29 奥野正男『鉄の古代史3 騎馬文化』白水社
2010年04月13日 05時57分06秒 | 本と映像の森
2000年1月20日発行、231ページ、定価2800円+消費税
奥野さんが批判する、日本古代史の「定説」は以下の通りです。
① 戦後の日本古代史の通説は、戦前の「皇国史観」と古代天皇家が朝鮮南部を支配したという「任那日本府」説を表面的には避けて否定するように見えながら,実は、それを受け継いでいる。
② 3世紀の卑弥呼は大和(現在の奈良県)にいて、3世紀から南朝鮮を支配する日本統一国家が成立していた。
③ 高句麗の「広開土王」碑文の「倭」は、近畿天皇家・大和政権の派遣軍である
④ 倭国の鉄は、5世紀まですべて輸入にたよっていて鉄の獲得が、近畿天皇家の南朝鮮への軍事的遠征と支配の理由である
⑤ 5世紀の『宋書』に出てくる「倭の五王」は、近畿の天皇のことである。
⑥ 前方後円墳は、近畿天皇家が、日本列島の地域豪族に、設計を配布し、その造作を許可したものである。
このような問題について、奥野さんは、考古学の解明した事実に基づいて、この当時の流れは、南朝鮮から日本列島へ流れていくのであって、その逆ではないことを明らかにします。
3世紀からの近畿天皇家による南朝鮮の軍事的支配という虚構は、2010年の今は、崩れ去る寸前です。
このことを雨宮智彦は、解明して、通説に反論していきたいと思います。」