古代ブログ 81 浜松の遺跡・古墳・地名・寺社 46 浜北・於呂(おろ)、再録
「遠州古代史 6月6日 地名編1 浜北区「於呂(おろ)」
2011年06月07日 07時03分29秒 | 遠州古代史
しばらく地震・防災問題に集中していて、古代史や人間論に戻れなかったので、すこし溜まったフラストレーションをはらしていきます。
できるだけ事実に基づいて科学的でありたいと思いますが、則子さんのいう「智彦くんの小説的妄想」も入る場合もありますので、ご注意ください。
遠州古代史では「地名編」を始めます。
というのは、いま時間的な余裕がなかなか無くて「遺跡・寺社」編を実地調査して書く余裕がないから、すこし文献をあさって書きたいと思います。
まず浜北区の「於呂(おろ)」からです。
いま手元に『角川日本地名大辞典 22 静岡県』(角川書店、1982年)を引くとP266に「於呂」は「天竜川によって形成された河岸段丘上に位置する。地名は崖を意味する地形から起きた。」とあります。
於呂=崖、ですか?
それより、やはり、ここは「赤佐(あかざ)」に属するわけでですから、すなおに考えるなら、赤佐の別字「赤蛇」のとおり、於呂は「オロチ(=蛇)」の「おろ」と考えるのが自然ではないでしょうか。
なぜなら、ここは天竜川で、当然「龍=蛇」です。
この付近は、現地の龍=蛇の化身である水の神の女性の伝説に充ちています。
坂上田村麻呂さんの「あらたま」伝説もその一つです。
だとすると、やはり「於呂」は「オロチ」と同じでしょうか。
あの「ヤマタノオロチ」は有名ですが、「オロチ」の「チ」は、古い神さまの接尾語です。
たとえば出雲神話で,スサノオを迎えた現地の「テナヅチ」「アシナヅチ」は、現地の夫婦神です。
「ヤマタノオロチ」も同じく古い蛇神です。
記紀にでてくる火山の神「カグツチ」も「チ」神です。
ここから則子さんのいう「智彦くんの空想」「妄想」のたぐいになりますが日本語で動揺した感情を表す「オロオロ」は何でしょうか?
ぼくの大好きな宮澤賢治さんの有名な「雨にもまけず…」に出てくる「寒さの夏はおろおろ歩き…」という、あれです。
やはり「オロオロ」というのは、蛇がクネクネ進んでいくように、あっちへよろよろ、こっちへよろよろ、方向が定まらず歩いて行く様を蛇にたとえたのではないでしょうか。
次に「於呂村」「村名は於呂神社に由来する」とありますので、「於呂神社」のことを、現地踏査もして触れたいと思います。」