雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

NOMAD

2021-04-15 00:05:06 | 素敵...映画/音楽/珈琲
「ロードムービー」という映画ジャンルを思うと、
僕の場合、真っ先に浮かぶのが
ヴィム・ヴェンダース (Wim Wenders)監督の
「パリ・テキサス( Paris, Texas )」という作品。
それと、以前も記していたデイヴィッド・リンチ(David Lynch)監督の
「ストレイト・ストーリー(The Straight Story)」あたり。

どちらも好きすぎてDVDを持っていたりもするのですが、
サブスク時代にはもはや意味がない!?
とも言えるパッケージでしょうか......



つい最近、もしかしたらそんな作品さん達以来の、心から
「いいなぁ、、(*´ω`*)、、」
と思えるロードムービーらしいロードムービーに
出会うことができました。



「ノマドランド(Nomadland)」
クロエ・ジャオ(Chloé Zhao)監督。
フランシス・マクドーマンド(Frances McDormand)主演。
予告編はこんな感じ......



冒頭、始まって2分ぐらいのシーンで、もう、
主演女優さんから作品に対する強烈な「覚悟」を見せつけられ。
それはそのまま、
監督さんを含めた映画制作チームの皆さんの覚悟であるとも思われ。
見ている、タダのいち観客である僕さんも、
それ相応の「見る覚悟」を決めさせられてしまう感じ。
ここでもう、勝負あり。
映像というより詩篇を読んでいるかのような丁寧なフィルムワークには、
ヴィム・ベンダースさんのような才能の煌めきは見えないのですが、
作品に対するどこまでも深い愛と誠実さと
丁寧さとを感じさせられました。
今年のアカデミー賞でも何かしらの賞を取りそうですし、
きっと、これから相応のヒットともなるのかなぁ、と。
そんな空気感もプンプン。
僕の中ではもう名作のリスト入りは決定。
サブスク時代には意味のないDVDも
「出たら買っちゃうかも!」
という感じ。

孤独とは何か。

別れとは何か。

友達とは何か。

家族とは何か?

家とは何か?

ホームとハウスの違いは?

豊かさとは何か。

経済とは何か。

国とは?

旅とは?

生きるとは?

動く人と動かない人との相互補完。関係。必要性。

そして、



歳を取るということは、
どんなことかなのか?



そんな、最早ありきたりとも言えるテーマごとを、しかし、
一切の押し付けがましさもなく。
ロードムービーらしい絶え間なく流れる景色と時間の描写の中で
淡々と、じんわりと、うっすらと、
見る者の心の深いトコロに問いかけてきます。
イヤ、「問いかけられる」というよりは
「そっと置いていかれる」......
という表現の方が正確な感触でしょうか。
故に、体にとても染み込んでもきます。



経済大国アメリカの、
その経済に対して貢献してきた人々が、
年齢を重ねるにつれどの様な現実に直面していくのか。
どの様な思いに苛まれていくのか。
それは、この日本国においても、これまでも、これからも、
とても多くの人々が直面するであろう大きな問題であり、風景。
国や家族というものの意味と価値と意義と、
再定義が問われている様にも思えます。



高齢となるまで生きれているとして、
僕はどんな生活をおくろうか......



この国はきっと、
何も助けてはくれないだろう。



今の「経済」なるものは、
資本主義なるものは、
そんな国と同様に、
きっと何も助けてはくれないだろう。
それこそが経済というものの本性であり、
「弱肉強食」こそが今の経済なるものの本質。



いつか、
未来世界でこの映画を再び見た時、



「ああ、こんな時代もあったよねぇ、、
俺たちの社会って未熟だったなぁ、、、」



と、そう言って笑えるような世界を作れるように
頑張っていきたいなぁ......
なんて。
柄にもないことを思ったりもして。
きっと、これから、
様々な人が様々な切り口から様々なことを語っていくであろうこの映画に、
僕はそんなことを思ったりもしました。
全体的には切なく、重々しくもある空気が流れてはいますが、
しかし、どこか軽やかで笑顔にもなれる柔らかさや優しさがあって。
大好きっす。この映画。



沢山の別れのシーンがあるのに、
「サヨナラ(Goodbye)」
という言葉が出てこない映画。



そこにあるのは、いつも、
「See you down the road」
という言葉。



————————また、道のどこかで会おう。



去りゆく人のシーンを見ていると、
僕はいつも一人とり残され、
置いていかれてしまう様な気持ちにもなります。



最も重要とも思える、とあるシーンでは、
美しい荒野に向かって歩いていく主人公をカットの真ん中におかず、
スクリーンの隅へと持っていくショットとなっていて。
そこに僕は言いようのない美を感じ、
ロードムービーの魂も感じました。



主人公は誰なのか。
なんなのか。



今一度、
人生について深めに考えている今日この頃なのでございます。
気付いたら二回も見ちゃってた♡
のでございまつ。(^^)


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