雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

考える人

2020-10-25 01:01:25 | 面白い
2017年に休刊してしまった「考える人」という雑誌がありまして。
新潮社さんが刊行していたのですが......



個人的にはとても好きな雑誌だったので、
気に入ったものは今も幾つか書棚に保管しています。
中でも、

「心と脳をおさらいする」

と題された、
2005年に出された特集号はとても印象深く。
幾度も読み直したりもしました。
内容的には脳科学者の茂木健一郎さんがケンブリッジや
オックスフォードといったイギリスの有名大学の教授さん達を
訪ね歩くインタビュー取材記事......
といったところなのですが、特に
「ロジャー・ペンローズ(Roger Penrose)」
さんとのお話がとても印象に残っています。
この本を読むまでは、
僕はペンローズさんに関しては

「“ブラックホール”の存在証明を計算で導き出した偉大な人」
「“ペンローズ・タイル”という平面を埋めるスゲー図案を考えた人」
「エッシャーに影響を与えた “ペンローズの三角形” を考えた人」

......というぐらいの見識しかなかったのですが、
いやいや、どーして、その実は、

「物理学や数学的見地から人の意識の本質を探っていた人!」

......なんていうことを知りまして。
少なからず僕は衝撃を受けたのでした。
なので、このフツーの季刊雑誌!?は、しかし、
僕にとっては大切なモノだったりもするのです。



どうしてこんな話を書いてるのか?と言いますと、
つい先日、
2020年のノーベル物理学賞にペンローズさんが!
ついに選ばれた!
というニュースが流れたもので。
その時に、ふと、そんな雑誌のことや
インタビュー記事のことを思い出したのです。
そして、この号にあるインタビューの中で、
幾度も会話に登場するペンローズさんの著作本というのがありまして。

「こりゃーー、買って読んでみねーといけねーべな......」

と、雑誌を見た後に買ってみたりもしたのですが......



「皇帝の新しい心(THE EMPEROR’S NEW MIND)」

見ての通り!

今もって新品同様!

何故か!?って!?

そりわ、、、

頑張って、頑張って、頑張って!

読み進めた挙句に!

出てきた!

この84ページを見た途端......



「こ、こりゃ、、
アチキに太刀打ち出来る本じゃなかとでちゅ、、( ̄▽ ̄;)」

以降!
ペラペラっとワケのわからないまま流し見て!
ハイ!
しゅーりょー!
永久冷凍保存!
ってな感じで今に至るわけなのでつ。ええ。
アカンです。こんな本。
素人にはもってのほかです。
ただ、目次を見ると......





なにかとソソラレるのでちゅ......(●´ω`●)むーん......
1994年に出た本で量子コンピュータの章があるなんて......
本当に凄い人です。

そんけー。

ブラックホール(=特異点)以外のわかりやすいところでは、
ペンローズ・タイルあたりでしょうか。







延々と平面を埋めていける、
たった二種類の菱形が織りなすパターン。
タイル張り。
どなたでも、どこかで?見たことがあるのではないかと。
コレもペンローズさんなのです。ええ。
平面充填問題(へいめんじゅうてんもんだい)
と言うヤツらしいっす。
いろいろなものもあるんす。





「ペンローズの三角形(Penrose triangle)」と言われるこの図柄も......



オーストラリアのパースには、
こんなオブジェまであるようでして。
wikipediaさんより拝借。



コレにインスパイアされた!?のか、
有名なエッシャー(Maurits Cornelis Escher)さんの絵なんかも、
なにかと見たことがあるのではないかと......「滝」



「階段の家」



「上昇と下降」



僕さん、ペンローズ好きなんす。
本人の本わまったくもってわからんポンチなのですけど。
ええ。ええ。漠然と。
お恥ずかち......(*´ω`*)ポ♡



おまけに。
冒頭に記した雑誌に並ぶ、
印象的なテキストさん達。(^^)



——————日進月歩のコンピューターが
そのうち人間の脳に追いつくようになり、人間の知性を再現した
「人工知能」もそのうちにできるだろうという空気が支配的だった。
しかし、ペンローズだけは違っていた。
ペンローズは、
人間の知性とは一体何かという問題に、正面から取り組んだ。
その結果提案された仮説は、驚くべきものだった。
決まった「プログラム」にしたがって
様々な計算をこなして行くコンピューターには、
人間のように考えることは永遠にできない。
人間は、コンピューターにはできない
「非計算論的」な思考をすることができる。
そして、人間の思考の根底には、
「意識」を支える脳のメカニズムがある。
これが、ペンローズが提出した
きわめて大胆な仮説だったのである——————



——————「皇帝の新しい心」でミンスキーらの
人工知能へのアプローチを痛烈に批判したペンローズは、
意識を支えるのは脳の中の量子力学的プロセスであり、
それこそがコンピューターには再現できない「非計算論的」
なプロセスなのだという大胆きわまりない説を唱えた—————————



——————ペンローズ以外にも、量子重力、
より一般に量子力学の効果が、
意識の起源に深い関わりをもつと考える研究者は多い。
とりわけ、量子力学が、意識の持つ「非局所性」を説明する上で
有力な可能性を提供すると考える人は多い——————————



——————確かに、ニールス・ボーア(コペンハーゲン解釈の主唱者)
自身は、あのような選択をするしかなかったと思うのです。

どんな形でも、量子力学の基礎を確立しなければ、
化学が進まなかったのですから。
しかし、だからこそ、コペンハーゲン解釈は、いわば、
理論を進めるために一時的につくった
「作業仮説」に過ぎなかったと考えるべきだと思うのです。
私は量子力学の基礎に横たわる問題を、
純粋に物理学の問題として解きたいと思っています————————



——————美意識は確かに重要です。
そもそも、我々はなぜ苦労をしてまで科学をやるのか、
偉大な科学上の発見はどうして人々を感動させるのか。
この様な問題を考える上で、
美の問題を避けて通ることはできません。
とりわけ、何らかの科学的心理を能動的に理解する際には、
はっきりとした美意識が伴う様に思います——————————



——————物質である脳から、
様々なことを感じる意識がどのように生み出されるのか。
この「心脳問題」こそが、
この世界に潜んでいる秩序を明らかにしてきた科学にとって、
最後に残された難問であるとされている——————————



——————水の冷たさ、薔薇の香り、砂糖の甘さ。
クオリア(質感)は、私たちの体験する世界を構成する、
まさにありふれたものであるが、同時に、
それを従来の科学的世界観の中に位置付けるのは、
限りなく困難でもあるのである。
意識の中のクオリアを
科学的世界観の中に位置付けることが困難な理由は、
何よりも、質感は数で表すことができないという点にある。
チョコレートの甘さと栗の甘さは違うが、
その差を数学で表すことは容易ではない。
ヴァイオリンの音色と、
ピアノの音色の関係を数字で表すことなどできない———————


にほんブログ村 その他日記ブログ 日々のできごとへ

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 何者ですか? | トップ | 表裏 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (返事不要🌟)
2020-10-29 09:46:02
本能が俯瞰出来たら
色々スッキリする
のかもしれません
返信する
こんにちは (アンネン)
2020-11-17 13:30:25
先日ネットオークションで雑誌を見つけ購入しました。先ず、大前提、全くもってわからないです。

『意識の起源』『量子力学の非局所性』『ツイスター理論』『ペンローズの三角形』がわかったら面白いだろうなと思いながらわからないのですが…

ところで、ペンローズの三角形はメビウスの輪が4つくっついた感じですよね。

14歳からの哲学という本で、メビウスの輪を例に挙げて「内と外はつながっている…同じ…」というような事が書いてあったのが印象的なのですが

意識も宇宙とつながっているというか…
何が言いたいのかわからず、かたじけないのですが、この感覚に感謝です。

とにかく、とてつもなく面白そうで、私の何かがよろこんでおります。いつも、面白い記事をありがとうございます (⍢︎)/
返信する
アンネンさんへ。 (amenouzmet)
2020-11-17 23:44:39
私の何かがよろこんでおります、、、
これが何よりの道標ではないかと。(^^)よきかな。よきかな。と。
返信する

コメントを投稿