こんばんは
今日も病棟は安定しています。安定していると言いながら結構シビアな患者さんはいます。
しかし、血液内科というのは「抗癌剤治療」ができることに加えて「抗癌剤治療によって起こる様々な問題を解決できる」ことを前提に治療を行っておりますので、ある程度のことは織り込み済みです。
今日はその安定しているさなか、面接がありましたが
「ど~ですか?」
と聞かれたので
「別に満足していますけど?あえて言うのらどこら辺に(うちの医療は)行くのかしらとは思っています」
というようなことを答えて、5分もかからず終わりました
最初に今日はMRICの記事を紹介します
■□ 医療志民の会が発足します! (前編) □■
共同代表 元白血病患者 大谷貴子
福島県立医大産婦人科名誉教授 佐藤 章
来る4月11日、閉塞的な医療の現状を打破するべく「医療志民の会」が発足いたします(http://iryoushimin.cocolog-nifty.com/)。目指しているのは、人びとが健康に恵まれ、安心して暮らせる医療制度の構築です。それには、医師、患者、政治家など、様々な立場の人々が議論し、協力できる“開かれた場”が必要です。同会はこの開かれた場として、社会に情報発信および政策提言を行っていくために活動を開始いたします。
今日、地方の医療は疲弊し、大都市でも救急患者の受け入れに支障が出るなど、日本全国を通じて医療は危機的状況を迎えています。一方で、明るいきざしも見えています。日本各地で住民が立ち上がり、医療を守るために医療提供者と手を携えて活動を始めました。全国の病院で医療の質を高めるための改革が進められ、日本医師会も公益法人制度改革により真の公益団体へと転換を迫られています。
ただ、こうした志ある人々のアクションも、その多くが他との連携については大きな進展が見せておらず、全体として社会的なうねりに高まっていないのもまた事実です。私たちは、こうして全国に点在する草の根レベルの活動同士をつなぎ、新たな賛同者・協力者を迎え、協同の場を提供してゆく所存です。
そこでこの場をお借りして、共同代表から皆様へのメッセージを2回に分けて掲載させていただこうと思います。今回は、自らの闘病経験を白血病患者の支援に活かし、日々奔走している共同代表の大谷貴子よりお伝えいたします。
「静かなる自殺」を防ぐために!
大谷貴子
このたび「医療志民の会」が、満を持して産声を上げるに至りました。ご参集いただき、また関心をお持ちいただいている皆様は、今日の医療が抱える問題に関し、意識の高い方々ばかりと解しております。しかも皆様のバックグラウンドは、私たち患者あるいは医療関係者のみならず、代議士の方々、法律関係者、経済界でご活躍の方々をはじめ、非常に多岐に亘っています。このことは普段、なかなか大きな発言力を持つことが難しい多くの患者にとって、大変心強いことです。
先日、国レベルでの解決をみた骨髄フィルター欠品問題や、現在も訴えの声が相次いでいるグリベックの経済的負担問題など、直接的に患者の不利益になるような医療問題がこのところ頻発しています。その一つひとつに関して、今もどこかで声にならない声を上げ続けている患者さんたちがたくさんいます。私たちはこの「医療志民」の会で、そうした声を拾い上げ、ぜひ様々な分野でご活躍の皆様のお力を借りて、事態の解決につなげていきたいと考えています。
具体的な話をさせていただくと、まず、がん医療をはじめとする治療費の問題です。私は幸い、白血病を骨髄移植によって克服したサバイバーであり、化学療法薬のための高額な支払いを続けているわけではありません。しかし、例えば血液がんについては、グリベックやサリドマイドなど、医療の進歩に伴って優れた治療薬が出てきたことで、その経済負担という新たな問題が生まれてきました。
薬のお陰で入院の必要なく、外来通院だけで済み、仕事も持ちながら治療を続けられるのは、かつての常識からしたら画期的なことです。しかしその反面、毎月何万円という高額医療費ぎりぎりの支払いをずっと続けていかねばならないことは、経済的にも精神的にも、患者とその家族にとって非常に重い負担なのです。もちろんこれは血液がんに限らず、乳がんでも大腸がんでも同じことです。標準治療を提示されても、あまりに高額なため、絶句されるのです。
「静かなる自殺」という言葉をご存知でしょうか。例えば、子どものいる家庭を支える大黒柱たる男性が、ある日、大腸がんになったとします。彼は休職し、6割のお給料を受け取って、そこから家族の生活費、子どもの教育費、そして自分自身の治療費を賄います。外科的治療を終え、これで、万全かと思いきや、その後、通院治療で良いものの、化学療法が始まります。退院し、通院となれば、仕事に復帰して、もとの額のお給料がまたもらえるようになりますが、それでも以前のような体力はなく、残業はできず、生活はようやくという状況です。そんな中でも子どもは日々成長し、それに伴って教育費諸々は上がる一方。家計はますます苦しくなります。その上、いわゆる「標準治療」と言われる化学療法の費用が待ち受けています。そこで男性は、死を覚悟で、高額の治療を中断する決意を固めるのです。家族のその後の生活費は保険金でカバーできることを見越して……。
これが「静かなる自殺」です。
決して大げさな話ではありません。現実に起こりつつあることなのです。想像していただけるでしょうか。100年に一度といわれる不況の今、生活はただでさえ容易ではありません。そこに月に何万円もの治療費支払いが、一生続くのです。個人的な節約の努力でなんとか賄えるといった金額の範囲を超えています。
現在、がんは国民の2人に1人が経験する病気です。まさに明日はわが身、上記の問題も他人事とばかり言っていられないことを、ご理解いただければと思います。
さらに、骨髄移植フィルター問題も、実はまだ解決していません。昨年に突然、ドナーからの骨髄採取に不可欠な器具である骨髄移植フィルターの供給停止を知らされ、私たち全国骨髄バンク推進連絡協議会では全国に署名を呼びかけました。そして骨髄移植推進財団(骨髄バンク)ほか多くの方々のご協力により、代替器具の迅速審査・承認が実現しました。これにより、骨髄移植の停止という最悪の事態は免れたものの、残る問題は、今後の供給ルートです。
先の緊急輸入にあたっては厚労省の働きかけもあり、代替品の供給元である米国のバイオアクセス社は、もともと出回っていた製品の供給元であるバクスター社を選任製造販売業者として、承認を取得しました。聞くところによると、バイオアクセス社は今後も日本での販売を視野に入れてはいるようですが、輸入・国内販売を担うと期待されるバクスター社がどうやら乗り気とはいえないようなのです。実際、バクスターの執行役員が長期的な目処は立っていないことを明らかにした、という報道もありました。
私たちも対応については、まだ頭を抱えています。前回は署名を行い、国民の皆様のご理解とご支援をいただいて、迅速な解決に至ることができました。しかし、再び同じ問題について、しかも間をおかずに同じ署名を行うことが有効かどうか、ちょっと躊躇しています。署名など簡単なことと思われるかもしれませんが、人手も限られており、またそもそも悠長なことを言っていられる状況でもありません。
以上のような個々の問題について、解決を図るにはやはり私たちだけの力では到底足りるものではありません。ぜひ「医療志民の会」にご参集いただく皆様と、そしてそこから広がるネットワーク、そこに集う人々に、お知恵とお力を貸していただきたいとお願いする次第です。
経済負担の問題に関しても、何かよいアイディアはないものか、私たちも必死に考えてきました。その中で出会ったのは、イギリスの政策です。数年前から、がん検診でがんが発見された人は医療費はタダ、一方それ以外での発見は自己責任として通常の負担もやむを得ないとする制度が導入されています。これにより、がん検診の受診率は当然、急上昇。近頃では、早期発見・早期治療による医療費低減の効果が、徐々に現れ始めているそうです。国家財政的にも、またもちろんのこと患者の負担の低減という観点からも、画期的な試みです。
そういった大掛かりな施策には、やはり世論のバックアップが何より必要です。「医療志民の会」がそこで求心的な役割を果たせることを、願ってやみません。
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ということです。
僕も4月11日は内科学会に行ってきてよいということなので、時間があればこの会合にも行ってみたいと思っています。
というか、行こうと思っています。
http://blog.with2.net/link.php?602868
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「医療市民の会」発足しますよ~ということで、まず一つ目の記事をご紹介いたしました
それでは、また。