新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

病床数削減が患者さんのメリットになるか?

2009-04-17 23:42:39 | 医療

こんばんは

 

今日は朝回診のあと、毎週金曜日の定例行事・・血液回診がありました。

 

今日から週末のバックアップの人が診察して歩くという形を取ることになり、僕が先頭だったりw

 

「おはようございます。先ほどもきましたが、また診させてください」

 

・・・・・微妙~(笑

 

その後もいろいろありまして、今日は最後に研修医の先生に中心静脈カテーテルの挿入を行ってもらいました。

 

バックアップは血液内科医全員w

 

3回目で穿刺だけ(僕が)交代しましたが、他はまぁ・・・よしとしましょう。

 

と、他にもいろいろやっておりましたが…今日は体調も芳しくなかったので早めに撤退してきました。

 

 

食後に腹痛(差し込むような痛み、普通なら胃潰瘍などを疑う)はするし、何に感染したのかリンパ節は腫れて痛いし・・・ ということで、今日は早めに撤退。

 

何といっても週末フル回転しなくてはならないですから・・・・

 

さて、今日は体を休める前にこちらの記事を・・・。

 

 

最終的に病院が潰れてしまうと患者さんに不利益が出るわけですが、病床数削減で患者さんに不利益がでないということはないかもしれません

 

僕らもどうしようもないと頭を抱えている毎日です。

 

 

先日も

「自家移植や同種移植を行う悪性リンパ腫・骨髄異形成症候群以外の(悪性リンパ腫や骨髄異形成症候群)患者は全員転院させないと、白血病の患者さんとかの診療ができない」

という話が出ていました。

 

これが現実です。 困ったものです。

 

うちも事実上同じ規模で病床削減してますからね・・・。

北海道新聞です

 

市立札幌病院137床削減 効率活用で黒字目指す

(04/17 07:53)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/159528.html  

 

札幌市は市立札幌病院(八百十八床)と精神科専門の同病院静療院(百六十二床)の病床数を計百三十七床(14%)削減する公立病院改革プラン(二〇〇九-一一年度)をまとめた。役割を高度医療に特化し、容体が安定した患者には地元の病院を紹介するなどして病床を効率よく活用、一二年度の黒字転換を目指す。  

 

国は各自治体に、公立病院の経営改善計画を策定するよう求めていた。市立の二病院は昨年度の赤字総額が約九億円となる見込み。  

市は市立札幌病院の病床数を来年度から削減、一一年度までに七十五床減の七百四十三床にする。  

静療院は一一年度に、成人部門(百二床)を四十床程度に減らした上で本院に移す。  

入院患者の一部に他病院への転院が必要なケースも出てくるが「身体的疾患と精神疾患を併せ持つ患者を受け入れられるようになる利点がある」としている。  

 

今年二月の市立札幌病院の病床利用率は82%だが、病床数の削減などで一一年度には90%を目指す。また、容体が落ち着いた患者に地元の病院を紹介する「逆紹介率」を、昨年度の27%から一一年度には二・二倍の60%に増やす。  

市病院局は「患者に不利益がでないよう、転院後も他病院と連携してフォローしたい」としている。

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恐らく多くの病院が直面している問題なのでしょうけど、本当に大問題です。

 

病床利用率を上げないとやっていけない。看護比率が高くないと病院の収益が上がらない。けど、看護師数は急には増えない→病床削減するしかない

 

病床削減=患者さんは締め出される

 

受け入れる患者を高度な医療に特化する→それ以外の患者さんは?

 

 

こういう現状を一般の国民の方がどれほど理解されているだろうか?

 

「大学病院に来たのになぜ私たちが他の病院に行かなくてはならないのか?」

そうじゃないと、診療が成り立たない国の制度だからです・・・orz

 

うちの大学の周辺に血液内科はほとんどなく、患者さんが集中していますが、それを診きれるわけもなし・・。

 

先日、安全に抗癌剤治療を施行できなくなりつつあると言いましたが、すなわち病床数が足りない。医師も足りない。看護師も足りない

けど・・・患者さんは多い

 

(再発した患者さんを)外来で治療するためには治療強度を落とす必要があるが、治療強度を落とすことは再発した患者さんに対して大きな不利益になる

 

だからと言って他の病院も受け入れるだけの余力はなく・・・・。

 

そうすると治療強度を落とさずに外来で祝祭日を含めて毎日状況を確かめながら治療をしていくしかないわけで・・・・(僕らの負担ってすごい大きくなってるw)。

 

急性期病院に限って言えば・・・病床数の削減が患者さんの不利益にならないということはないと思います

 

少なくとも自分が勤務している「ここ」に関して言えば、完璧に不利益になっています。

 

先日の嫌がらせのために診療科変更した「あれ」に関しても、完全に血液診療に関しては不利益以外の何でもないですし…最悪ですね。

 

急性期病院の病床数削減が本質的に患者さんのためになるかどうかは僕は否定的に考えています。唯一、患者さんのメリットになるとすれば「看護師」さんの数が相対的に増えますので、そのことだけでしょうか・・・。

 

まぁ、いずれにしても「国の政策」は「国民」の健康をどのようにしようと思っているのか。そして国民の健康不安が広がれば、経済にも打撃を与えかねないとなぜ気がつかないのでしょうか?

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

僕は不思議でなりません。

 

それでは、今日はなんとか僕自身の体調を回復させたいので、ここら辺で失礼します。

 

では、また。

 

 

P.S 

昨日外来でこんなこと言われました

「先生、やせましたね。癌だったりしませんか(笑

「多少はやせますよ。毎日食事する時間もないんですからw

「調べたら癌だったりしてw けど、心配しないでください癌で治療をしても、私みたいに太ることはできますから」

「ははは。健康に気をつけます。じゃぁ、お大事にしてください」

 

 

何故外来でこんなことを言われるんだかw

コメント
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