新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

豚インフルエンザ:情報を待ちましょう

2009-04-25 23:42:21 | 医療

こんばんは

 

今日は関東地方は雨ですね。

病棟から帰ってからはのんびり過ごしておりました

 

 

明日は当直なので今日は早めに寝ようと思うのですが、その前にひとつ記事を書きたいと思います

 

今日の記事は豚インフルエンザに関しての報道がされていますので、それに関して思ったことをつらつらと・・・。

朝日新聞です

 

メキシコで豚インフル?60人死亡 米で人・人感染確認

2009年4月25日1時56分

http://www.asahi.com/health/news/TKY200904240307.html  

【パリ=国末憲人、ワシントン=勝田敏彦】

世界保健機関(WHO)は24日、豚インフルエンザでメキシコ国内で60人が死亡した可能性があると発表した。一方、米疾病対策センター(CDC)は同日、3月以降、カリフォルニア州とテキサス州で確認された豚インフルエンザウイルスについて、人から人に感染するウイルスであると断定した。WHOはメキシコの一部の感染者のウイルスとカリフォルニア州で確認されたものが同じ遺伝子構造だったと発表した。  

 

WHOの発表によると、メキシコでは人への感染が疑われるケースが3月末以降数百件発生し、60人が死亡した可能性がある。メキシコ市周辺で約800件の感染の疑いが報告され、このうち57人が死亡。さらに中部サンルイスポトシ地方でも似た症状24例が報告され、3人が死亡した。  

 

AFP通信によると、メキシコ政府は16人は豚インフルが原因で死亡したと確認したと発表した。  

インフルエンザで死亡する場合、一般的には肺炎などを引き起こす。患者の多くは、普段病気に縁の少ない青年層だという。ロイター通信によると、24日はメキシコ市の学校の多くが休校になる。  

 

AFP通信によると、メキシコ政府は感染を広げないために集会を避けたり、地下鉄の使用を避けたりするよう呼びかけている。  

 

米国の感染について、CDCは「ウイルスは感染性で、人から人へ拡大することを確認した」としている。ただ、「現時点では、どれほど容易に感染が広がるかはわからない」という。米国内では7人の患者が確認されているが、いずれも回復している。ただ、AFP通信によるとCDCの報道官は「非常に懸念している」と述べた。  一方、CDCによると、豚インフルエンザウイルスに人が感染する例はまれで、米国内ではこれまで1、2年に1人の割合だった。  

 

だが今回、米国で見つかった豚インフルエンザウイルスは、豚と鳥と人のそれぞれに感染するウイルスの遺伝子が混じった未知の構造の遺伝子を持っており、遺伝子が変化したことで、人への感染力を持つ新型ウイルスになった可能性がある。  

厚生労働省の担当者は24日、深夜まで情報収集に追われた。担当部署の新型インフルエンザ対策室の職員は、WHOやCDCの情報をホームページで確認したり、関係機関に問い合わせたりした。

------------------------------

米とメキシコのウイルス、同一の遺伝子 豚インフル

2009年4月25日13時56分

http://www.asahi.com/health/news/TKY200904250051.html

【パリ=国末憲人】

メキシコで発生した豚インフルエンザの問題で、世界保健機関(WHO)は24日、一部のウイルスが、米国の患者から見つかった豚インフルのウイルスと同一の遺伝子を持つとの調査結果を公表した。現地に専門家を派遣し、警戒を呼びかけている。メキシコ国内の死者は62人に達したという。  

 

通常、人に感染しにくいはずの豚インフルのウイルスが広範囲に広がったことが確認されたため、感染拡大がいっそう懸念されている。  

WHOが明らかにした発生状況によると、メキシコでインフルエンザのような病気は3月18日に最初に確認され、4月になって急増。メキシコのコルドバ保健相は24日の会見で、23日現在、首都メキシコ市でインフルエンザが疑われる例が1004件報告されたと明らかにした。肺炎が少なくとも854例報告され、そのうち59人が死亡した。WHOによると同国中部サンルイスポトシでは24例報告され、うち3人が死亡。米国国境のメヒカリでは4例が報告されたが、死者は出ていない。  

 

米疾病対策センター(CDC)は23日、全米で豚インフルエンザ患者が7人報告されたと発表していた。WHOによると、米国ではこのほか、新たに9例の疑わしい例が見つかっている。  

カナダの研究所が分析した結果、メキシコの例のうち18例は豚のA型インフルエンザウイルス(H1N1)と判明。さらに、12例のウイルスは米カリフォルニア州で見つかったウイルスと同一の遺伝子を持っていた。  

 

通常のインフルエンザはお年寄りや子どもが患う場合が多いが、今回の患者の多くは、普段健康な若者。地域的にも広がりが大きく、予測しがたい事態が起きているのでは、との強い懸念をWHOは抱いているという。  

 

WHOはメキシコに専門家を派遣するとともに、25日にも緊急会合を開き、対応を協議する。WHOのマーガレット・チャン事務局長は24日、滞在中の米国で米、メキシコ当局者と情報を交換した。  

ロイター通信によると、現時点で米、メキシコ両国への渡航を控える呼びかけは必要ないと、WHOはみているという。

-------------------------------

いずれにせよ、もう少しすると状況が分かってくるのでしょうけど・・・まだ何とも言えませんね。

 

確か鳥インフルエンザも青年層の死亡率が高いという結果になっています。その共通項がどこに関係しているのか・・・。

 

今後、パンデミックの可能性は否定できませんが・・・情報が第一ですね。

 

不確実な情報でバタバタと騒ぐ必要性はないと思いますけど、しばらくは警戒が必要ですね。実際にそういう患者が多数発生したときの対策も・・・。

 

アメリカなどと異なり日本の対応は大体一歩以上遅いですからね。

 

 

アメリカでの感染拡大で潜伏期などある程度の予測はつくはずですので、感染者の症状などそういった情報を含め、日本政府としても情報収集は早めにやんないとだめですね

 

日本はどちらかというと閉鎖体制なので、国の青年層が動けなくなった場合、人的損失・経済的損失などなどとんでもないことになりますよね。日本語の話せない人をいきなり会社で引き受けることはできないでしょうから(笑

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

そうなったときに医療体制が半壊滅している今の状況がどれほど将来に悪影響を与えるかわかってくるのではないかと思います

 

だいたいですけど・・・・実生活においても・・・僕が言ったことって、少し後に起こっているような気がします(いつも既視感があります)。

 

あんまりそういう悪い予想が当たらないといいのですけど とりあえずは情報待ちですね。それがわからなかったら対策の練りようもない。

逆に情報があれば対策を立てることができる。

 

そう思っています。

 

日本国民のため、日本という国の未来のためにも・・・

では、また。

 

P.S うわさではタミフルとリレンザは効くとか効かないとか・・・。そのあたりの情報をしっかり調べる気力が今のところない僕でしたw

 

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宿日直勤務は時間外労働

2009-04-25 00:57:59 | 医療

さて、今まで忙しくて・・しかも日をまたいで帰ることが多かったので書けなかった記事を書いてみます

 

まず、こちら。読売新聞の一面にも出ていたので「ほうほう」と思いながらかけませんでした。

 

Googleで調べたら一番上に毎日新聞が来たので、これで行きます。

 

訴訟:産科宿直に割増賃金 「待機時間も労働」--奈良地裁判決

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090423ddm041040107000c.html  

奈良県立奈良病院(奈良市平松)の産婦人科医2人が、夜間や土曜休日の宿日直勤務に対し低額の手当ですませるのは違法として、04、05年の割増賃金など計約9230万円を支払うよう求めた訴訟の判決が22日、奈良地裁であった。坂倉充信裁判長は、県に時効分などを除く計約1540万円の支払いを命じた宿日直勤務を時間外労働と認めた初の判断とみられる。  

 

判決などによると、同病院は県内外からハイリスクの妊婦らを24時間受け入れている。原告は04、05年に1カ月当たり6~12回の宿日直勤務をした。勤務時間は宿直が午後5時15分から翌日午前8時半、日直が土曜休日の午前8時半から午後5時15分だが、その前後も恒常的に勤務が続いていた。  

 

判決は原告らの宿日直勤務が「分娩(ぶんべん)の回数も少なくなく帝王切開も含まれる。救急医療もまれではない」として労働基準法上、割増賃金を払わなくてよい「断続的労働」とは認めなかった。割増賃金の根拠となる労働時間について「待機時間も労働から離れることが保障されているとはいえない」と宿日直開始から終了までが労働時間に当たると認めた。  

 

原告側は、自宅で待機する「宅直」も労働時間に含めるよう主張したが、判決は「病院の指揮命令下にあったとは認められない」として請求を退けた。【高瀬浩平、阿部亮介】 毎日新聞 2009年4月23日 東京朝刊

-------------------------------

宅直は退けられたとはいえ、一定の見解が出たようでよかったと思います。

 

しかし、僕みたいな人間もそうですが「事実上無休」で働き続けている人間がいないと成り立たない現実の医療現場です。・・・これを労働として認めてしまうと・・・「労働基準法」には全く外れてしまいます

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

それゆえなかなか認められないという部分もあるのでしょうけど、宿直などが実際の労働時間として扱われるというのは1歩前進というべきでしょうか。

 

もっとも、実際は僕みたいな人間はいっぱいいます

 

ど~せ、お前ずっと病棟にいるんだから、当直室に住みこめよ。その方が寝る場所も確保できるぞ

と以前医局にいた先生に言われたりして・・・

 

 

この裁判にしても別に「働いているから賃金を出せ」というわけではないと思うのですが、それ(無給・無休)が当たり前だと思われるのは如何なものかということなのだろう・・・・と思っています。

そして・・・一般の方々に少し現場というものが分かっていただけるのではないかという意味でも、一歩前進だと思うのです。

こうやって書いているとすでに1時です。悲しいことに明日(日曜日)は当直ですし、明日も病棟のことを考えると行かざるを得ないかな~と思っています。

 

何といっても「生死」に関わる患者さんが多いので。

では、また。

 

 

P.S:今日車の中で上司の先生と「いや~睡眠が浅くてね。自分の家(単身で来ている)に帰るとぐっすり寝れるんだよね」というような話をしていました。

こういう(急変の多い)診療科の宅直というのもまともに休んでいるうちには入らないと思いますけどね

 

実際、昨日も夜中の1時半に(僕あてに)電話ありましたし・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

過労死レベルの看護師2万人:待遇改善への努力を・・・

2009-04-25 00:27:56 | 医療

こんばんは

 

今日も一日が終わりました。

 

病棟業務の後に、ちょっとした研究会のようなところに行きました。

そこから帰る際に車に同乗させていただき、

「ちょっと病棟診てきます」

と言って病院に車を回してもらったところ

 

人が倒れている!」(上司の先生)

「本当ですね!」

 

 

病院玄関に人が倒れている!

車を降りて駆け寄り声をかけました

 

 

「大丈夫ですか?」

「うんや・・・・」

 

 

酔っぱらいか! しかも・・・・某診療科の先生じゃないか・・・・。

 

 

昨日の件があるからなぁ・・・。もっとも、某芸能人・・・Kさんの件は(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090424-00000956-yom-soci

 

「たまには羽目を外しても仕方がないのではないか・・・」

と普通に思ってしまいますね。

 

まぁ、総務相は羽目を外さない方のようなので厳しい意見を出されていましたが・・・。なかなか人間性まで否定できる自信はないですけどね

 

 

僕はちなみに医者になってからはそんなに飲みませんけど、学生時代は羽目を外すこともありましたからね(僕の場合、飲まされてわからなくなることしかないですけど。飲まされキャラですから)。

 

さて、今日の記事ですがまずはこちらから紹介します

看護師2万人が過労死予備軍=疲労感強い20代、事故不安も-看護協会

4月24日20時44分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090424-00000215-jij-soci  

過労死レベルに相当する勤務状態にある看護師は全国で2万人程度いるとみられることが24日、日本看護協会の勤務実態調査で分かった。特に20代で疲労感が強く、疲れている人ほど医療事故に対する不安が大きかった。同協会は、残業時間の削減や、疲労が蓄積しにくい勤務体制の構築など、待遇改善に向け取り組みを進める方針。 

調査は、看護師の過労死を認定する判決が相次いだことを受け緊急実施。昨年11月から今年1月にかけ、無作為に抽出した病院勤務看護師1万人に調査票を送り、3010人が回答した。 

-------------------------------

 

もうちょっと詳細にはこちら CBの記事です

 

過労死危険状態の看護師、全国に2万人

4月24日20時51分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090424-00000007-cbn-soci  

日本看護協会は4月24日の記者会見で、「時間外勤務・夜勤・交代制勤務等緊急実態調査」の結果を公表し、全国で約2万人の看護職が交代制勤務において時間外勤務時間が月60時間以上に及ぶ過労死危険レベルの状態にあると推計していることを明らかにした。  

同調査は、国立循環器病センター(大阪府吹田市)に勤務していた看護師村上優子さん(当時25歳)がクモ膜下出血で死亡したのは「公務災害」だとした昨年10月30日の大阪高裁判決などを受けて、看護職の時間外勤務や夜勤、交代制勤務の実態を把握し、対策を促進することが目的。昨年11月から今年1月にかけて、会員名簿から無作為抽出した病院勤務の看護職1万人を対象に実施し、3010人から回答を得た。  

それによると、交代制勤務をしているのは1728人で、このうち月60時間を超える時間外勤務をしている看護職員は74人。日看協では、これが全回答者の2.46%に当たることから、日本の病院勤務看護職員総数約82万人のうち、約2万人が過労死危険レベルの勤務をしていると推計した。  

また、「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3交代勤務で働く看護職員のうち、昨年10月の1か月間に、「日勤から深夜勤」、「準夜勤から日勤」などで出勤間隔が6時間以下になったことが「ある」とした人は、57.9%に上った。  

村上さんがクモ膜下出血で死亡したのは「公務災害」だとして、両親ら遺族が国家公務員災害補償法に基づく遺族補償の支払いを国に求めた行政訴訟の大阪高裁判決は、「村上さんの業務は、量的な過重性に併せ、質的な面から見ても過重で、クモ膜下出血の発症には公務起因性が認められる」などとして、公務災害と判断した一審の大阪地裁判決を支持した。国は11月13日に上告を断念し、判決が確定している。

-------------------------------

ちなみにうちの病棟の看護師さんが言っていました

 

「昨日、日勤・深夜と来て休みがなくて翌日の日勤ってありえなくない?」

 

そんな話が出るくらい「看護師数」が少なく、また労働内容は厳しいものです

 

並の病棟と比べて急変が多発しますからね

 

にもかかわらずかなりの連続勤務、延長勤務をしてもらっています

 

帳簿と現実があっていない…といったところでしょうか。

 

その待遇のあまりの悪さに「看護師」さんが皆辞めていくというのに、待遇改善の手段を講じないのが不思議。

 

・・・その看護師さん達に

「先生、今の勤務あり得ないよ。辞めた方がいいよ」

と言われる僕もどうかとは思いますが、僕は医療を楽しんでいますから。

 

 

まぁ、まとめますといろいろな待遇改善が「看護師」さんが集まるきっかけ(隗を持って始めよというやつですね)になると思います。そして看護師さんが集まってくると、業務内容でも待遇改善となり、それは更によい医療を提供することができるようになるでしょう。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

医師も同じだと思いますけどね

 

それでは、次の記事に行きます

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする