新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療崩壊:医療現場と家庭の両立はできるのか?

2009-04-12 21:16:41 | 医療

さて、続けます

 

どうでもいいですけど、桜散ってしまいましたね。

 

病棟で患者さんと話をしていました

 

「桜も散っちゃいましたね。先生、花見とか行かれたんですか?」

「いや~。花より団子なんですけど、お酒を飲む機会もなかなかなくて・・・花はちらっと楽しんできましたけど」

 

いや・・だって、いつ呼ばれるかわからないのに昼間から酒を飲もうとも思わないし、近くの公園で「花を見る」だけですよね。

 

ただ、飲み会にしても花見にしても「人と話す」ことが好きな僕ですから、一人で花だけ見ててもすぐ帰りますよ。

 

ここで一句

ももいろの 風が吹き去る 葉桜の あとに来るのは 初夏の日差しか

 

適当すぎる・・・・(汗

 

思いつきで詠んではいけませんね

 

さて、今日の記事です 医療の携わる人間は誰しも分かっていることですが、医師の数は全く足りておりません。

うちの大学も研修医に依存している病院の一つだと思いますが、研修医が少なくなると診療科や病院によっては「一人一人の医師の負担」は大きくなります。

そういう意味では抜本的な改革が必要なんですけどね

 

毎日新聞です

臨床研修医:府内30%減、医療崩壊…府と26市町村、国に定員案撤回要求へ /京都 4月10日15時1分配信 毎日新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090410-00000223-mailo-l26  

都道府県別に臨床研修医の定員を設定する厚生労働省の臨床研修制度見直し案は府内の医師不足を一層深刻化させるとして、山田啓二知事と26市町村長が連名で同省に対し、定員設定の撤回などを求める意見・要望書を提出することを決めた。府内の研修医は08年度274人だったが、見直し案では190人とされ、全国最大の30%削減となる。9日開催の知事・市町村長会議で決議した。13日に提出する方針。 

 

見直しは医師の地域偏在などを是正するためだが、定員設定により京都、東京、大阪、神奈川、福岡の5都府県で削減され、その割合は京都大と府立医大の付属病院などのある府内が最大となっている。 

 

意見・要望書は「地域医療や医学教育の現場に大きな混乱をもたらすと指摘される」として、「撤回のうえ抜本的に再検討すること」を要求。府が府立医大に一般財源から年間100億円超を運営費として投入していると強調し、「全国一律の見直しは自治体の努力を無にする」と批判している。 

 

見直し案を巡っては、先月開かれた府医療対策協議会でも病院や大学関係者から猛反発の声が上がり、同協議会も同様の意見書を同省に出す方針。この日の会議でも「今でも医師が足りないのに、もう(大学病院から)派遣してもらえなくなるとの危機感を持つ」(中山泰・京丹後市長)などの声が上がった。

【太田裕之】

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地域偏在というKey wordが出るようでは抜本的解決なんて夢のまた夢だと思うのです。

 

間違いなく「医師」は絶対数が全く足りておらず、それを解決する方法は「医師数」を増やすこと、仕事を減らすことなどでしかないわけですが 医師数を増やすと言っても・・・・

 

 

「医師数を大幅に増やします」

と声高に言ってみても、

「どうやって?」

 と突っ込みたくなるところではあります。

 

教育というものは「教師:この場合は大学病院の医師」が充実するからできることです。

 

大学から人が離れている現状では…そして今の教育体制では難しいだろうと思っています

 

できるとすれば「講義」は大学で、病院実習は現状の臨床研修のことも考えてみると「CBT合格者」はどの「教育病院」でも臨床実習を受けることができる…という形にして、大学病院の医師の負担を減らしてみるか・・・?

しかし、これだと一般病院の医師の負担は大きくなるばかりですが・・・

 

これはCBTの予行が行われていた僕たちの時代に、僕が厚労省や文科省に要望を出したいと思っていたことなんですけどね

「不公平だw」 ってw

 

今思えば完遂しておけばよかったと思います。

 

他にもいくつかやれそうな手はありますが、いずれにせよ抜本的なシステムの作り直しは必要だと思っています

 

そもそも「医療現場」というのを見てみたらいいのに

特に「人が死ぬ」というのを多く経験する「重症患者」を扱う診療科の状況を・・・。

 

 

こんな患者をずっと休まずに医師が倒れるまで、もしくは退職する(今の日本の医療は70歳、80歳の医師もカウントされていますから退職という概念はないのかもしれませんけど)診療し続けるのか・・・・

 

そう思われるのではないでしょうか?

 

僕は今はまだ楽しんでいますけど、やはり家庭を持つようになったら「両立」できるようになるかと言えば「両立」できなくなると思います。

 

その時に「家庭」をとるのか、それとも「患者さん(仕事)」を取るのか・・ 一般的に「仕事」というのは「生活」のための資金を集めるために行うもので、人間は「仕事をするため」に生きているのでないことを考えれば、普通なら家庭を取ると思います

 

しかし、今の日本の医療では「家庭」を取ると「患者」の不利益になりすぎるために「患者を優先」せざるを得なくなります

 

そんな状況に疲れるから・・・家族のためにも「勤務医」は離れていくのだと思います。

 

人間は「仕事」のために働いているのではないはずであり、「家族」のことを考えれば「家族の不利益」「家庭の崩壊」につながるのであれば、職場を変えるなどの選択肢は個人の選択肢として行ってよいものだと思います

 

それは「ひと」として与えられている権利だと思います

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なかのひと 

ただ、可能であれば「医療現場(患者さん)」と「家庭(家族)」を両立できるような医療システムを作り出すことができればよいと思います

 

それでは、また。

コメント (3)
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僕のスタンス:「医療」「教育」「社会福祉」の改革を!

2009-04-12 20:39:57 | 報道関係の方々への期待

こんばんは

 

今日も無事に終わりました~。

 

まぁ、まだ終わっていないですし・・・今から病棟に急患が来るのですが、そちらは当直の先生に

「いつもどおりの点滴メニューがありますので、それでお願いします」

と言ってしまいました。

 

もちろん病状が異なれば対応は違いますが・・・・

 

この方は血栓症を起こすPNHの方で、月に2回ほど腹痛で入院されます。本人もそれが分かっているので最近は重症にならないうちにすぐ来るようになりました。

 

ただ、時々軽すぎて3日位で帰ることもありますが、今までは血栓症→敗血症パターンだったので、それで長々といるよりは早期対応で早く帰る方がよいだろうと思っています

 

当直の先生がわからなかったら電話がかかってくることでしょう

 

昨日、内科学会の後「飲み会があり、多くの方とお会いしました。再会した人も多く、またいろいろな話を聞けて非常に楽しく過ごせました。

 

そんな中御指摘を受けて…「僕の基本的な考え方」「自分のスタンス」を明らかにしようと思い、記事を書きます。

 

僕は今の日本の「医療」「教育」「社会福祉」の政策が抜本的に改革されるのを望んでいます。

 

因みに・・・社会福祉とはWikipediaではこのように書かれています

 

「社会福祉(social-welfare)は、未成年者、高齢者や障害者で生活上なんらかの支援や介助を必要とする人、経済的困窮者・ホームレスなどに対し、生活の質を維持・向上させるためのサービスを社会的に提供すること、あるいはそのための制度や設備を整備することを指す。」

 

今の日本で「衣食住」に困るような人々を支えるシステム、そういうシステムの構築が必要であり…例えば、現在の不況で職を失う人が大勢出ておりますが、それを再就職させることを義務付けるようなシステムを企業に与えるとか…そんな政策・システムを作ってみるとか・・

 

何はともあれ「社会福祉」に関して日本は弱いと思っています。

 

社会福祉が弱いということは日本国憲法第25条「生存権」に反するものです。 少なくとも「日本」という国家のレベルに対して政策は弱いと思わざるを得ないのです。

 

医療に関しても「生存権」に関わりますが、衣食住に加えて「健康に生活する」権利を国民に保障するのは重要なことです。

 

衣食住の不安がなく、健康上も国家が支えてくれるような何らかのシステムが構築できれば・・・少なくとも「日本国民」が持つ将来の不安は少なくなると思っています

 

教育に関して「今」ではなく「将来」の日本のために必要不可欠なものです。

 

教育というものを通して「自分とは何か」「自分が人生において行いたいものは何か」「自分が貢献できるものは何か」「自分が得意なものは何か」そういったものを自覚し、自分を100%肯定でき、誰かのために尽くせるようになれば・・・。

 

「武士道」ではないですけど「どのような人間になるか」を教育を通してイメージアップし、そういった子供たちが能力を最大限発揮してくれたら20年後の日本は、そして世界は素晴らしいものになるだろうな…と思っています

 

目先のことを考えると「教育」というものは利益をすぐには出さない分、何らかのアクションを起こしにくい分野ではあるかもしれません

 

このBlogでも過去に書いてきたように「日本」という国は「教育」に関してもあまりお金を使わない国です。

 

それが問題だと思っています

 

それゆえに「医療」の現場を通して「医療の重要性」を訴える(医療現場が崩壊しますよ~というメッセージを出す)こととともに、教育や社会福祉に関するメッセージを出し続けています

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なかのひと 

ここが改善されれば・・・・「不安」が解除されれば、将来の不安に対して「貯蓄」に専念しなくてもお金などを「消費」することができるわけです

 

すなわち経済的な発展も見込めると思います。

 

そういう考え方もあると思っています。

 

しかし、このようなものが改革されるためには「国民」の側がそれを求めていかねばならず、このような崩壊の危機に瀕している「医療」「教育」などの実情を国民が知らなくてはならないと思っています。

 

その為には「マスコミ」「マスメディア」の人たち・・・そして地方議員を含めて「現場を見ている政治家(現場をみない政治家は不要)」がそれを国民に向けて発信していく必要があるのではないかと思っています

 

ですからマスコミの人々に大きな期待をしていますし、可能であれば「日本を変える」「国民を変える」力となって欲しいと思っています。

 

少なくとも僕にはないような力を「マスコミ」の方々は持っているのですから。

 

それでは、また。

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内科学会+α

2009-04-12 01:07:57 | 医療

こんばんは

 

内科学会に参加してきました

 

何人か知っている先生とすれ違いましたが、気がついたかどうか・・・・。

 

そしてそのまま飲み会に突入しました。こんな時(完全に病棟に戻れなくて、飲もうと飲むまいと対応不可能な時)しか,痛飲することもできませんので、しっかり飲んできました

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なかのひと 

しかし、結局3回ほど電話はかかってきましたが・・・・。

 

とりあえず今日は無事帰ったということで、明日以降に記事を記載したいと思います

 

では、また

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