新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

埼玉は医師不足

2009-05-23 18:49:24 | 医療

さて、続けます

 

日本で人口当たりもっとも医師の数が少ない「埼玉県」

 

ここは医師一人一人の頑張りが県民を支えていると言っても過言ではないと思います。 その代り受け入れ不能にもなりやすいのですが・・・・。

 

うちの先生とも「ベッド数が30床になって、医師数がもう一人でも増えたらベッドの運営も楽なのだけど」と言っております

 

深谷赤十字病院:医師不足で危機 救急患者受け入れ減 支援態勢求め意見交換 /埼玉

5月22日12時1分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090522-00000031-mailo-l11  

 

◇行政との意見交換で医師会 

県北で最大の病床数があり、救急医療や周産期医療などで地域の基幹病院に位置付けられる深谷赤十字病院(深谷市)が、厳しい医師不足に陥っている。危機感を持った深谷市・大里郡医師会(清水巌会長)が、行政など関係機関に呼びかけた意見交換会が21日、市内で開かれた。 

 

深谷赤十字病院では、耳鼻咽喉(いんこう)科に1人だけいた医師が6月末で退職することになり、7月から同科の診療を中止する。4月には心臓血管外科で3人いた医師が1人に減ったばかり。さらに別の診療科でも近く医師の減少が予定される。5月現在の常勤医師数は66人と、4年間で10人減った。1年半前からは506床のうち47床を休床している。 

 

意見交換会では、諏訪敏一院長らが、医師の減少で救急患者の受け入れ減につながっている現状を説明。特に半減して3人になった小児科は「来年は1人になるかもしれない」とした。医師会側も「地域全体で医師が足りず、妊婦の受け入れ拒否がいつ起きてもおかしくない」と訴えた。 

 

新井家光市長は、▽安易な救急搬送の抑制▽地域内の県立病院の充実▽隣接の群馬県を含めた広域的な医療圏の設定--などの対応が必要だとの認識を示した。出席した県議らも県への働きかけに努めることに同意した。 

 

同医師会の金子勝担当理事は「病院が患者の受け入れがままならないほど深刻な状況であることを住民は理解していない。病院が抱える課題を地域で共有することが出発点」と話している。【金沢衛】

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うちも800床のところを実際の稼働を600床に減らしていますけどね。

 

本当にどうするのか考えないと崩壊しますね、この地域の医療は・・・。血液内科に関しても人口当たり東京の3分の1くらいの医師数で動いている埼玉県。経験数は3倍なのかもしれませんが、過労で倒れていく医師が多いのは当たり前ですよね。

 

実際、去年書きましたが・・・・・一日前に(いろいろと相談)話をしていた先生が、もう二度と話たりすることができなくなりましたしね

 

埼玉県の医師数を増やさないと、結局過労で倒れたり、そういう理由でどんどん勤務医が辞めて行ったりするわけです。負のスパイラルを描いています。

 

まぁ、医師の絶対数が足りない現状では「余っている地域」から医師を集めてくることもできない(笑)わけです。

 

 

せめて僕が学生時代に厚労省にメールした時に「そうかもしれない」と動いていたら、今頃は少しは改善の兆しが出てきたのかもしれません。

 

まだ、何もしていない国に期待しても仕方がないのかもしれませんが・・・このままでは「国民の安全」を保証することもできなくなりますね。

 

 

先程も書きましたが、もはや「Triage」せざるを得なくなってきています。

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そんな国「日本」をどう思いますか?

 

さて、それではまた。

今日は何もないといいなぁ・・・・。

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年齢によるTriageが必要な日本社会

2009-05-23 18:24:49 | 医療

こんにちは

 

今日の緊入は…非常に今の社会制度を考えさせる患者さんでした。

 

 

患者さんは80歳くらいのおじいさんで悪性リンパ腫の治療後の患者さんです。去年治療をしたけど、全行程は年齢もあって施行しきれなかったのですが、運よくその段階でPET-CT上CRに入っていました。

 

外来でしばらく経過を見られていましたが、本人は「これ以上の治療はいずれにせよ望まず」ということで、こちらは手を引いて近くの病院で…ということになったようです。

 

 

その患者さんが体調が悪くなり、うちに運ばれてきました。

 

僕が診察したわけではないのですが、結局・・・「老衰」に近い状態で、ご飯が食べれなくなって…ということのようです。

 

当初は心房細動などでも診療している循環器内科の方が救急で当たったようですが、「心臓ではない」という理由で「基礎疾患があるから血液内科で診てもらうように(それを言うなら心房細動という基礎疾患はどうするんだ?)」とこちらの当直に降ってきたと・・・。

 

 

こちらの当直は当直で「ただ寝ているだけ・・・」の患者さんを入院させる余裕はありませんし、本質的に悪性リンパ腫はCRのままで再発しても治療はしないことになっている患者さんを受けとっても仕方がないから

 

「救急を受けたのだからそっちが診るのが普通ではないか?」

と断ったら、循環器内科の当直が「教授当直(が一人いるんですけど)」に言って・・・・・。

 

どういうわけか、基礎疾患がある方がみろと言われて入っていらっしゃいました(月曜日に直接プレッシャーをかけに行ってこようかと思っています。もういなかったので・・・・。循環器科の当直には「こんなことをするのなら70歳以上の血液疾患が疑われる患者、お前の所からは二度と診察しないからな!」と言ってきました。)。

 

僕らは昨日の夕方、受け入れ不能で断られ続けている10代の急性白血病の子を断っています。本当は僕は受け入れる余裕はあったし、受け入れたかったのですけど

この子を受けると明日以降の入院が入らない

という(ベッド数)理由で断ったのに・・・

 

 

わけのわからない理由で患者さんの入院の余地がいきなりなくなるというのは如何なものかと思う。

 

昨日の白血病の子を受けなかったのに、治療をしないことになっている79歳の寝たきりの方を受け入れるというのは納得もいかない!

 

このようなことになったのは何が悪いのでしょうか?

 

救急隊がともかく運ばないといけないという理由で「患者の状態」を考えずに大学病院に運ぶからでしょうか?

 

それは一つの理由ではあります。

 

 

医者の数も救急の患者を受け入れるベッド数も、看護師数も足りないから・・・それも大きな要因だと思います。

まぁ、一番悪いのは国なんでしょうけど・・・そんなことを言っても始まりませんから・・・

 

 

救急対応できるベッド数が少ない…ということはどういうことか・・というと「年齢でのTriage」が当然始まるということになります。

 

今回は典型的なパターンです。助けられる患者さんを断って、大学病院で入院加療が不要な患者さんが入院する。それによって助けられる患者さんは助けられなくなる。

 

このままでは「70歳以上の患者さん」の受け入れる余地はなくなります。

 

合併症のために入院し、それに対応できるほどの余力は医師の数もベッド数もないのですから。 70歳以上の患者さんは当然合併症が多くなります。それを抱えていることで「若年層」の患者さんの治療が不能になるのであれば、助けられる患者さんを助けるために「年齢でのTriage」を行わざるを得なくなります。

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しかし、それは「医師の応召義務」に反することになりますし、本質的に人としてやりたくはない話です。

 

にもかかわらず、(年齢でのTriageを)やらざるを得なくなってきている日本の医療社会。

 

もっと本格的に国民はそれについて考えていかなくてはならないと心から思います。

 

それでは、また。

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ど~でもいい話:僕とサリドマイド

2009-05-22 00:04:58 | ど~でもいい話

こんばんは

 

今帰ってきました。

 

連日、いろいろありますが退院のめどがついてきた患者さんが多くなってきました。

 

その中の一人は来た時は本当にレベル3桁、みんな(家族も含めて)

「こりゃ助からんだろう」

と言っていたのに、今は自分で歩行したりしている。 こういう人たちがいるから頑張らないといけないですね。

 

外来でも先日来た若い女性が

「先生、治りました」

とわざわざ来てくれました。こういうのはうれしいですよね。医者冥利に尽きるという感じです。

 

 

さて、ど~でもいいのですが・・・・そんな診療状況の中最近思うのは「サリドマイド」ですね。

 

保険診療になりました。ですから保険で行かなくてはいけないのでしょうけど・・・・ 個人輸入すると大体1ヶ月60000円くらいで輸送料込みで手に入ります。日本のサレド(サリドマイド)の薬価は1カプセル6700円、1ヶ月分で18万・・・・。

 

個人輸入の方が安いんですけど・・・・・。

 

困る・・・。保険診療で行わないといけないのは当たり前なのですけど、手続きが面倒な上に料金がかなり高くなる

 

 

患者さんは3割負担だから同じくらいの負担なのかもしれないけど、日本の医療費はかさむばかりだよな・・・・。

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なんか納得がいかないのは僕だけなんですかね?

 

それでは、今からネットサーフィンして今日の記事をチョイスしますね。

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医療過疎の状況で入院のドタキャンはやめてください

2009-05-21 01:12:17 | 医療

こんばんは

 

今日は若干落ち着いていましたが、入院患者さんのドタキャンがありびっくりしています。

 

CLLの患者さんで初診時にすでに治療適応がある患者さんで、脾臓が余りにも大きく腫瘍崩壊が怖かったので入院して治療しようと思ったのですが・・・

 

「症状がないのに抗癌剤治療はやはりやりたくないです」

ということらしく、入院を断られました。外来で本人の了解もいただいていましたし、家族にも納得いただいていたのですけど…抗癌剤治療を行うのに本人の了解がなければどうしようもありません。医者として最後の努力をしますが、それ以上は他の患者さんのこともあるので難しいですね。

 

そういう意味では・・・・せめて当日ではなくて少し早目に言っていただければと思いました。

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埼玉県内は基本的に医療過疎で、人口当たりの血液内科医は東京の3分の1・・・患者さんを入院させる(入院していただく)のにもかなり苦労します。

 

 

きつきつの病床管理です。

 

 

その中でドタキャンされるというのは他の患者さんへの影響が大きく、あまりやってほしくないところですね

 

 

明日(今日か・・・)もあるので今日はこのあたりで

 

では~

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梅雨の恩恵?

2009-05-20 01:04:02 | 医療

こんばんは

 

 

さて、今日もいろいろありましたが大きなことはDay0でした。明日からまた大変な日々が待っていますが、そこは管理能力が問われるということで、人数が少ないながら頑張ります

 

 

さて、豚インフルエンザの話題でもちきりの最近ですが…少しだけ良い可能性も・・・

 

 

今回、季節性のインフルエンザの発生条件とかなり異なるのが「季節」です。 冬場は当然ながら「乾燥した」時期ですし、北海道のように雪が降るような状況でも、「湿気」としては低い状態が続きます

 

 

それが・・・・これからの季節は日本は「梅雨」です。

 

湿度が高い=飛沫としての感染以外に・・・乾燥してチリの中に潜んでいたウイルスが風で巻きあがって体の中に入るというリスクは低いのではないかと・・・実は少し期待しています

 

 

これは頭の中で考えただけなので、実際のところはどうかは検証していませんが・・・湿度が高い時期だけに少し予防効果があるのではないかと思っています。

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なかのひと 

そうなれば北海道以外(北海道は乾燥した状態が続きますので)は梅雨の恩恵を受けることになるかもしれません。

 

マスク、手洗いなどで予防可能・・爆発的な感染を経験せずに少しずつ広がるという理想的な体制になるのではないかと・・・僕はそう期待しています

 

 

そういう意味ではこの記事も・・・日本にとってはぎりぎりセーフだろうか?まぁ、できるだけ早く…と思うところではありますけどね

 

<新型インフル>ワクチンの生産 早くても7月中旬以降に

5月19日21時36分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090519-00000146-mai-int  

【ジュネーブ澤田克己】世界保健機関(WHO)は19日、新型インフルエンザワクチン生産用のウイルス株の作成が遅れており、ワクチンメーカーへの供給が6月にずれ込むことを明らかにした。メーカーが大規模な生産を開始できるのは、早くても7月中旬になりそうだという。  

 

各国の専門家や保健当局、製薬企業が参加して14日に開いた電話会議の結果をまとめた報告書を公表した。  

 

報告書によると、季節性インフルエンザワクチンの生産をやめて新型用ワクチン生産に全面的に切り替えた場合、最高で年間49億回分のワクチンを生産できる見込み。ただ、誰も免疫を持たないため、1人に2回の接種が必要だとしている。  

また、新型用ワクチン生産の準備を急ぐよう求める一方で、季節性ワクチン生産に支障を与えないようにすべきだと指摘した。

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それでは、また。明日も忙しいですからね・・・

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感染拡大を緩やかにするだけで意味がある!

2009-05-18 23:45:59 | 医療

続けます

 

僕はこの対策変更には反対です。基本的に一気に患者さんがでないだけでも意味があるのです。それが分かっていないのであれば、厚労相失格です。

 

 

週内にも対策切り替え=「季節性と変わらず」-新型インフルエンザ・舛添厚労相

5月18日18時14分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090518-00000128-jij-soci  

 

新型インフルエンザの感染者が急増した18日、舛添要一厚生労働相は同省内で記者会見し、政府の専門家諮問委員会から新型インフルエンザは季節性と大きく変わらないとの報告を受けたとして、週内にも対策を切り替える方針を示した。軽症患者の自宅療養などを検討する。 

 

舛添厚労相は、致死率の高い鳥インフルエンザを前提とした政府の行動計画は実態に合わないとし、「軽めの症状に合わせた形の対応に変えたい」と述べた。 

 

行動計画は現在の「国内発生早期」段階では、軽症者も含めて患者全員の入院を定めているが、今後は軽症者の自宅療養を認める方向。また、感染の疑いのある人が発熱外来だけでなく通常の病院を受診できるようにすることや、感染者と接した人にタミフルを予防投与する原則の見直しも検討する。 

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僕は個人的に新型インフルエンザの怖いところは「免疫が全くない」ことだと思っています。

 

 

はっきり言えば「毒性」は低くても患者数が多くなれば死亡数は増えますし、それだけでなくインフルエンザの患者数が一斉に増えれば他の患者さんが診れなくなります

 

何が言いたいかって、それだけの余力が日本の医療にはないと思います。

 

医師も看護師も足りない中、インフルエンザの患者が大発生したら「他の疾患」の患者さんを見れなくなっていきます

 

また、僕が血液内科という分野の医者だからさらに気になるわけですが、血液疾患、膠原病などで免疫抑制剤やステロイド剤を使用している患者などインフルエンザにかかったら致死的になりかねない人たちに感染率を上げるようなことはしてほしくないとも思っています

 

 

一斉に発生しないだけでも意味があります。

 

対応を「入院」ではなくて「在宅でタミフルを飲んで安静にしている」というのは賛成ですが、患者数が爆発的に増えかねないような対応を取るのは「ただのおバカさん」だと思います。

 

 

僕が間違っているかどうかはわかりませんが、そういう懸念は強くあります。

 

 

ですから、在宅治療を中心とすることには賛成しますが、感染拡大防止を続けることには大きな意味があるということを再認識してほしいものです。

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なかのひと 

そうでなかったら厚労省なんて意味がないと思っています。

 

他にネタにする記事があるか探してみますね。

それでは、また。

P.S

一応、新インフルエンザネタでこんな記事を読みました・・・

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090518-00000652-san-soci

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090518-00000625-san-soci

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090518-00000074-san-soci

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/accident/254923/

 

 

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内科を受診したヘルニアの患者さん:大学病院の入院適応は?

2009-05-18 23:33:30 | 医療

こんばんは

 

昨日は当直でしたが何件か診療依頼がありました。

うち診療後に帰っていただいた患者さんがいます。 この方は大学病院でなければ入院でもよいのですが・・・。少しそういうこともあるのだな・・・という題材として使わせていただきます。

 

 

初老…というと失礼かもしれませんが60代前半の方で、神経内科にかかりつけの患者さんでした。

 

電話を受けたところ「腰から片足にかけて痛みが走って動けない。すぐに診てほしい」とのこと

 

いくつかの質問で「腰椎椎間板ヘルニアでよさそうだ」というところまでは想定できたのですが・・・

 

 

「すいません。今のお話だと入院させてほしいというように聞こえたのですが、入院を前提の受診であればお近くの二次救急の病院で整形外科がある病院に行っていただいた方が良いと思います。こちらで診察するとすれば痛み止めを使ってコントロールすることを主目的にして、一回帰宅してもらうことになります」

 

 

と言いました。

 

 

何故って・・・大学の血液内科の病棟で「鉄欠乏性貧血」でふらふらしているから入院させてほしい…と言われても困りますし、もっと困るのは「腰椎椎間板ヘルニアで腰が痛いから安静のため入院させてほしい」というこの患者さんのような状況。

 

 

治療する手段が専門外の上に、ベッドが一つなくなり・・・他の患者さんが診れなくなる・・。

 

 

大学病院の整形外科は手術を前提に入院している患者さんが多いので、今回のように寝ているだけ…というのはあまりないと思います

 

神経内科のベッドでも血液内科のベッドでも・・内科のベッドで寝ているだけの患者さんが一人いるために、100%以上で回転している病棟がさらにどうしようもなくなるのは避けねばなりません

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その様な患者さんが一人いるだけで救命できる患者さんが一人減るから。

 

結局来たのですけど。診察してもほぼ間違いなく椎間板ヘルニア。

 

 

痛み止めの点滴と内服(少し発現機序を変えてみました)をして、本人が落ち着いたので帰れるかと思いましたが、動いた拍子にまた激痛が走り大騒ぎになり整形外科の先生に来てもらってブロックをしてもらいました

 

その後、今にも「絞め殺してやる」というような感じで見ている家族二人に向かって

 

「電話でもお話ししたように、今この病院で入院というのは難しいです。ブロック注射をしたことでもう少し状況が落ち着いたら、基本的には帰っていただきます

 

今、内科の病棟に入院してもただ寝ているだけになります。何かの処置をするといっても整形外科の先生に頼むだけになります。

 

そうすると○○さんが以前入院して治療されたように、入院して治療しないといけない人が一人入れなくなります

 

整形外科に関しても基本は手術を前提にしている患者さんの入院ですが、先ほどから言っているように基本は痛み止めで治療をして、それでもだめならブロック、痛みの改善がなかったり麻痺が進むなら手術となります。今すぐに入院する適応があるかと言えば、筋力が落ちているわけではないですからすぐに入院の必要はないと思います。

 

もし、安静にすることを望まれるのであれば、近くの病院で入院していただくのが一番だと思います。ブロック注射が効いているうちに一度帰宅されて、明日(月曜日)の平日にすぐ整形外科を受診するようにしてください」

 

こういう話をして本人・家族の納得を得て、帰っていただきました

 

 

今回の御家族は救急車で受診されましたが、最終的に意味をくみ取ってくださいました。

 

しかし、意外と多くの患者さんがこういう状況を理解していただけなかったりします。意外と救急隊すら意味が分かっていなかったりします

 

ただ、本当にぎりぎりの運営をしているだけでなく、実際に患者さんの入院の適応というものがありますので、今回のような場合とか、例に挙げたような場合は大学病院の受診は考えたほうが良いのではないかと思います。

 

 

ど~でもいいのですけど・・・。先月も当直明けに骨髄採取穿刺をやっていたような気がする。

 

 

続けていきますね(の前に、当直明けなのだから寝ろと言う感じです)

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ど~でもいい話:僕と医者としての人間関係

2009-05-17 00:17:47 | 医療

こんばんは

 

患者さんとのやり取り、看護師さんとのやり取り、医師通しでのやりとり・・・いろいろ人間関係にはあります。

 

僕はたぶんどちらかというと「やさしい」方で、患者さん(僕が担当でない患者さんからも)からも言われます

 

先生は優しい雰囲気だから思わず話しかけてしまうし、聞いてしまう。それに対してわかりやすく答えてくれるから

と、今日も言われました。

 

その反面、患者さんに不利益があるようなことがあると「豹変」します

 

例えば今もCHDFを使用している患者さんがいますが、ギリギリまで粘っていましたがこれ以上は粘れない・・・ここを逃すと患者さんの生命にかかわるというPointがあります。

 

そこまで粘って仕掛けているにもかかわらず・・看護師さんから

「え~、今ですか?明日からとかじゃだめですか?平日に・・・とか。○○さんに怒られちゃいますよ」

とか言われた時には

「今のタイミングを逃したら患者さんが死ぬので(CHDFを)回します。理由はアシドーシスが進行し始めたから。そういった理由があるのに(○○さんが)文句を言ったら・・・

と、不穏なことを言います。

一瞬病棟が凍ります

 

患者さんの不利益になるような話以外はどちらかというと

「いや~。まぁ、仕方がないのではない?

そんなことを言っていじめないでくださいよ~

そ~やって、いつも馬鹿にしてるでしょ!

などと(場を和ませたり、取り繕ったり)言っていますが、引けない線は守っています。

 

どちらかというと笑っているときは笑っていますが、笑っていない時の目つきはたぶん・・・・なのだろうと思います。

 

医師通しのやり取りで最たるものは…たぶん僕(血液内科)へのコンサルトが増えていること。特に内々でやっている「電話相談」ではないのですが、相談を受けたら最短距離で検査タイミングその他を計ります。

 

今週は最初、膠原病内科からの「抗核抗体陽性で汎血球減少ある人の血液中にBlast数%出ているんだけど」という相談(電話)で骨髄取ったら急性骨髄性白血病でした。

 

火曜日の朝患者さんと家族にお話をしました。

 

そのあとすぐに腎臓内科からの相談(電話)で、

「たぶん骨髄腫でしょう。しかし、これで腎臓に来ている可能性は今のところは低そうです。しかし、診断をつけておくことは必要だと思いますので、患者さんの了解がいただければ骨髄穿刺をしに行きます」

と言って、すぐに実施。実は今日患者さんと家族に説明しましたが、患者さんも家族もその結果に満足と納得をいただいたようです

 

その午後には脳外科から

「血液検査値の異常」に関して相談がありました。別にこの時に血液疾患を疑っていたわけではなくて「聞きやすい人間」に聞きに来た感じだったようですが

「これは・・・・腎臓内科に相談して。原因は何だろう。TTPでもないし、HPSでもないし・・・・。実は白血病だったりして・・・。僕は念のため血液像をすぐに見てもらうので」

と言って検査部に連絡。仕事を終わらせて検査部に行ったらBlast出現

 

すでにAMLを取るように手筈を整えている中、またかよ…と思いましたが患者さんのことを考えるとやらざるを得ず血液検査室+SRLに連絡し骨髄穿刺を16時半に実施

 

水曜日はバタバタしながら相談はなかったですけど、外来の患者さんの対応を実施。 木曜日は外来で初診、救急、院内依頼などをこなしつつ・・・・患者さんの急変対応や僕がいなかった病棟の状態の確認などを、すごく体がだるい中行い・・・。

 

 

と、どちらかというと声をかけやすいタイプということのようです。

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なかのひと 

もっとも、いい加減にしろというときはあるのですが・・・・。

 

そんな感じでいつもバタバタしております。 結構今日は体がしんどいですね。というか、何だろうこの疲労感は・・・・。

 

明日は当直なのになぁ・・・。なんかだるくて、頭も体も言うことを聞かない感じですね。

 

あれ、すでに日が回っている・・・。今日はもう寝よう・・・。

では、また

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国内初:一斉に発生して対応が限られたり、他疾患の患者さんの不利益にならなければよい!

2009-05-16 23:16:33 | 医療

こんばんは

 

さて、今日のトピックスと言えば新型インフルエンザの国内発生でしょうか。必ずこうなるのはわかっていたというのは事実だと思いますので、あとは一斉に発生するというのをできるだけ抑えて、混乱を最低限にすることが肝要でしょう。

 

もっとも、豚インフルエンザ疑いのおかげで僕は神奈川県の温泉宿に止まることができたわけですけど(笑

 

麻生首相「感染の拡大防止措置講じる」 新型インフル

5月16日13時17分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090516-00000556-san-pol  

麻生太郎首相は16日午後、新型インフルエンザが日本国内で初めて発生したことを受けて、「患者の行動や濃厚接触者への調査を徹底し、国内の感染拡大を防止するための措置を講じる方針だ」との談話を発表した。  

 

談話は同時に「油断は禁物だ。せきや発熱などインフルエンザのような症状がある人は早めに発熱相談センターに連絡してほしい。国民は国や地方自治体の情報をよく聞き、警戒を怠らない一方、冷静な行動をお願いする」と呼びかけた。

--------------------------------

僕は今回のインフルエンザは致死率は低いながら一斉に患者が出ると薬や入院先、その他で困ることになるし・・・何よりもインフルエンザではなくて入院の必要な患者さんの生命にかかわると思うので、一斉発生は避けたいところだと思っています。

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なかのひと 

それさえうまく回避できれば、むしろ日本国民が一回はかかっておいた方が将来のためにはいいかもしれないとも思ったりします。

 

今くらい慎重に対策を練り、一斉発生を避ける。それが最良のように考えております。

騒ぎすぎず、かといって甘く見すぎない・・そのくらいの対応がベストだと思います。

 

 

さて、今病棟から電話がありました。

部活の後輩ですが、良い研修医がいまして「血液内科」にほしいところです。

 

面白い。全身管理に長けているのは非常に良いですね。

 

欲しい情報は連絡が入るし、情報を聞きながら行いたいと考えていた処置が同じだというのが面白い。 思わず言ってしまいました。

 

「放射線科だとその能力生かせないぞ~。全身管理能力やその知識、患者さんともコミュニケーション能力も含め内科に来い」

 

まぁ、来たら歓迎します。今年は豊作かもしれない(血液内科)。

 

もっとも、僕の学年は僕以外の人間が皆辞めてしまいまして…

 

願わくばみんな帰ってこいよ~というところですね。

 

豚インフルエンザ・・・騒ぎすぎず、かといって甘く見すぎず・・生活を維持して頑張りましょう~

では、また。

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ど~でもいい話:僕と疲労感

2009-05-16 18:42:13 | ど~でもいい話

こんばんは

 

今日は病棟もそこそこ安定していました。いろいろ仕掛けて安定しつつあります。ただ、基本的には3日前元気だった人が急変する病棟なので大変です。

 

昨日も患者さんが一人なくなりました。苦しまずに最後は終わられたと思います。9年間リンパ腫と闘われて、骨髄も弱ってしまっていたのでこれ以上はやりようがありませんでした。 抗癌剤という「毒」を武器として使いますが、これが使えなくなってしまった状態の患者さんに対して根本的なところでやりようはないです。

 

そういう患者さんがいたからではないのですが、今妙な疲労感があります。

 

僕は疲労感とあまり縁がありません。過去にあった「疲労感」といってもハーフマラソン後の心地よい疲労感とかそういったものだけだったのですが・・・。

 

今回の疲労感は体が重くて「べと~」っとした感じで嫌ですね。

 

二連続で風邪かしらとも思わないわけではないのですが、ここら辺で体調を戻しておかないと明日以降の診療に差し支えるので・・・

 

9ヶ月間まともに休まなかったから慢性疲労症候群…というパターンもありなのですが、まぁ・・・体のサイトカインバランスを整えるようにもしてみようかしらと思っています。

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なかのひと 

また夜にも書きます。

では~

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