新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

女子医大謝罪:お疲れ様でした

2011-01-10 16:31:26 | Blogを書く理由

東京女子医大が謝罪したということで、ついに最後まで非を認めなかったところも認め、佐藤先生や患者さんの「他(自己以外)」との戦いが終結したということで、本当にお疲れ様でした。

ただ、もちろんこのような事態が起きたことは変わりありませんし、一度つけられた傷が治るわけではなく、最後まで自己の中では戦いが続くのだと思います。

そういう意味では・・・ひとまずなのだと思いますが・・・。

 

 東京女子医科大学病院(東京都新宿区)で2001年、心臓手術を受けた小6女児が死亡した医療事故をめぐり、機器の操作ミスが原因だとする調査報告書で名誉を傷つけられたなどとして、刑事事件で無罪となった佐藤一樹医師(47)が大学と元院長に損害賠償を求めた訴訟は6日、東京高裁(園尾隆司裁判長)で和解が成立した。大学側が報告書の誤りを認め、謝罪した。
 原告側代理人によると、高裁が昨年12月、和解案を提示。和解条項には200万円の解決金支払いも盛り込まれた。
 大学の報告書は、佐藤医師が人工心肺装置のポンプの回転数を上げたままだったことが原因と結論付けていた。昨年8月の一審東京地裁判決は「佐藤医師の過失は否定されるべきだ」と指摘する一方、損害賠償請求権の時効(3年間)を理由に請求を棄却した。
 佐藤医師は業務上過失致死罪で逮捕、起訴され、09年に無罪が確定した。和解後には「報告書を基に起訴された。全国の医師には、医療事故の『内部報告書』の危険性を検討してもらいたい」とのコメントを出した。
 東京女子医科大広報室は「今後も安全で高度の医療を提供する大学病院として一層努力する」としている。
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細かいことに関しては、
紫色の顔の友達を助けたい」を参照してください。
ともかく、一応終結・・・ということで、お疲れ様でした。
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梅村さとし氏の話(ジャミックジャーナルより)から

2011-01-10 15:20:11 | 医療

こんにちは

 

14時くらいに帰ってきました。

今日は少しゆっくりできるかな~と思ったりすると、体調を崩すんですな・・・。鼻汁、咽頭痛など風邪症状が出てきました。

 

こんな時は葛根湯

 

葛根湯は症状は改善しないけれども、抵抗力を上げることで「有病期間」を短縮する。だから、風邪の初期に使用しましょう。まぁ、正確には患者さんの証に合わせてと言いたいところですが、葛根湯はほとんど万能じゃないかしら?

 

使っていてそんな気がする。むしろタイミングが重要な気が・・・。

 

ということで、葛根湯を…と思ったら・・・・

 

葛根湯がない!

 

しまった。常備薬がほとんど切れている。

あると言えば、五苓散とかくらいか・・・・。

 

むぅ・・・・。明日、受診手続きをしておこう。とりあえず・・・・安静を・・・。明日までに復活しておかないと・・・前線勤務の血液内科医がいなくなる(笑

 

さて、たまたまジャミックジャーナルを開いて読んでいました。毎月届きますので・・・。

 

で、最初のページの方で「梅村さとし」民主党参議院議員の記事がありました。賛成部分もありますが、反対部分もあります。

 

「医療がサービス産業のように言われてしばらくたち、医師のメンタリティが折れてしまう要因はいたるところに存在します。患者の要求する水準はどんどん高くなり、病院は計益指標を良くすることに必死で、医師の負担が増しています・・・(記事より抜粋)」

これに関しては全くの同感。

 ◇愛媛大大学院医学研究科医療情報学・石原謙教授
 医師不足やドラッグラグ(新薬の承認が欧米より遅れて国内で使えないこと)など、近年の日本の医療を危ぶむ声は多い。だが、愛媛大大学院医学研究科医療情報学の石原謙教授(57)は「日本の医療はレベルが高い」ときっぱり。「日本の医療レベル、医療制度の本当の姿をきちんと見てもらうために、正しい情報を伝えたい」と、医療費や治療成績などのデータを基に調査、発表している
 石原教授によると、経済協力開発機構(OECD)のデータなどでは、日本のがんや糖尿病など多くの疾患の医療レベルは高く、健康達成度は世界トップクラス。一方で、医療に対する満足度は最低ランクだという。「医療や健康は恵まれているのに、不安感、不信感は強く持っている」と指摘する。
 その結果、日本人は医療関連などの民間保険に、他国に比べて圧倒的に多く加入しているという。公的な医療保険や、自己負担が上限を超えると医療費の払い戻しを受けられる「高額療養費制度」でまかなえる場合が多いといい、「日本人は民間保険の負担が大きすぎて、消費活動が抑制されている。医療は、経済や財政の面からも考えないとよくならない」と話す。
 本来は循環器内科医師。10年程前、日本医師会のシンクタンクの研究部長になり、医療の現状調査を始めた。
 「日本医療のレベルの高さを理解してもらいたい。まずは医療関係者から」と、月に数回、全国の病院などで調査結果を講演。今後は市民にも伝えていきたいという。【柳楽未来】

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世界最高水準の医療を提供している国だと思いますし、以前どこかで記事にしましたが地域格差もそれほど大きいわけではない。

ただ、だんだん要求が高くなってきたため「専門医」以外が手を出しにくいというのはあるのではないかと思う。

 

もちろん専門医以外が手を出さないほうがよい領域はあると思います。

血液内科、特に白血病の領域に普通の医師が…たとえ腫瘍内科医であっても、血液内科を専門にする医師以外が手を出すことは難しいかと思います。「臨床腫瘍学会」からも「白血病の領域だけは血液内科医以外が手を出すな」というような話が昔ありましたしね。

 

逆に僕らが心臓カテーテル検査をやることはないと思いますし、吐血した患者さんの緊急対応(Vitalの安定化ではなくて、止血のための内視鏡治療)などは専門家がやるべきだと思っています。

 

ただ、最近は本当に「専門家以外が何かをして、間違っていたら○○・・」というのが多いような印象があります。

 

僕は自分が「~~」と診断しても、念のため患者さんには「僕は○○という診断で良いと考えます。理由は~で、まず間違いないと思いますが、専門家は××科ですので、一度受診されますか?」と尋ねたりします。

 

次に書かれているのは「診療・研究・教育」のバランスを見直すという記事でしたが、少し反論させていただきたい。

記事には

「もともと、一人の医師が診療・教育・研究の全てを経験することで日本の医療の質は高まってきました。~中略~臨床と研究や留学を両立しようとすると生活が成り立たなくなる問題があります。一部の大学では研究に専念する医師に手当を支給していますが、そうした仕組みを作りたい(記事より抜粋)」

という記載があります。

確かに生活の問題はあると思います。研究している大学院生は・・・あくまで「学生」ですからね。

 

ここで書かかれているのは「研究」だけでやっていくことが難しい…ということが書かれているような気がします。一般の大学ではその通りだと思うし、大学院生が大学院生として研究だけができる体制ではないというのはその通りだと思います。

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なかのひと 

反論する場所は、僕はこの前提はともかくとして…今診療科によっては「臨床と研究を両立させる時間がない」という話でしかないです。

先日も書きましたが、この国を代表するT大ですら、研究が徐々に困難になってきているといいます。

そのT大の(基礎系の)教授の先生が

昔の医師は臨床も研究も両立させていたものだ

というようなことをおっしゃっていたと伺いましたが、それは…状況が異なってきているからだと声を大にして言いたい。

 

今、患者さんに説明するのに必要な時間は昔に比べると非常に長時間必要です。

「パターナリズム」ではないので、「患者さんに選択してもらう。…少なくとも理解してもらう」ためにはかなりの時間が必要になります。

自分たちの血液内科を題材にすると、仮にウェスタンブロットをやっていたとします。電気泳動に45分~60分くらいかけたとして…その間に患者さんの説明をして…といっても、患者さんによってはそれ以上の時間がかかる

昔聞いていた「患者さんの対応の合間に実験を進める」というのはかなり難しいと思います。

 

受け持っている患者さんの数が少ない…状態であればどうにかなりますが、もし重症度の高い・救急性の高い診療科で…医療の最前線と研究を両立させるためには、それなりの医療スタッフが必要になります。

 

それゆえに「研究と臨床を両立させるために必要な医師数が増えてきている」ことをあげさせてもらいたい。

 

医療事故問題に関して、現場の実態と乖離した事故調の設立に反対といのは同感です。

「国が医療事故を一元管理し、責任の所在を追求する医療事故調は確実に現場の医師を委縮させます。標準的医療以外を認めない事故調の発想は『吐血の患者が搬送されても、消化器科以外は診るな』といっているようなものです。~(記事より抜粋)」

まぁ、標準的医療・・・というか、吐血している患者に対して輸液もせずに…というのはいかがなものかと思いますが、時に「それを言われたら、結果が悪かったらすべてダメなのか?」というようなものがあります。

患者さんのためにどうすればこの患者さんを救命、延命できるか…を考え、全力を尽くしても結果として悪い目が出た時に・・・その責任を追及されてしまう。それが気になるところです。

 

患者教育に関しても同感で、記事には

「必要以上の専門医志向や、救急病院の利用が医療資源の無駄遣いであることは、今も周知が足りません(記事より抜粋)」

とありますが、その通りでしょう。

本当に夜中の2時に「風邪」「じんましん」で初診という人も過去にはいましたからね。

 

医療ではないですけど、本日の記事には

 昨年1~11月に全国の警察が受理した110番は、前年同期より23万6958件多い849万1285件で、2年連続で増加したことが9日、警察庁のまとめで分かった。緊急性のない苦情や道案内の問い合わせなどが全体の4分の1超を占めた。同庁は、緊急でない場合は相談専用電話「#9110」の利用を呼び掛けている。
 通報内容では、運転免許証の更新窓口や道案内の問い合わせなどの「各種照会」が12.9%、「妻から家を追い出された」「ハチに刺された」などの「要望苦情相談」が11.6%、いたずら電話などの「虚報・誤報」が2.0%あった。
 最多は交通事故の通報などの「交通関係」で、30.0%を占めた。 

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と書かれています。そういう意味で国民教育の徹底は必要かもしれません。

 

その一方でこの記載に関して気持ちはわかるが、全面的に賛成できないと思うものがあります。

「私は医師は職人であり、人生の半分を患者のためにささげる修行僧のようなものだと思っています。日々、患者のために奔走する中から医療の楽しさややりがいを覚え、社会からも尊敬される。しかし、医療崩壊が社会問題化して医師のQOLが重視されるようになった結果、医師が公的な存在であるという認識が希薄になりました(記事より抜粋)」

確かにQOL重視の考え方の医師も出てきました。それは否定できません。

それはそもそもなぜ医師になったのか…というところから話始めなければならない問題だと思います。

 

僕は幼稚園、小学校のときには「生物学者」を希望し、小学校一年生の時は顕微鏡片手に様々なものを見て回り・・・という生物大好き人間でした。医師になろうと思ったのは、高校2年生になってからで、僕が思うような生物学者への道を追求するのではなく、同様に生命にかかわり自分の好奇心を満たしてくれるだろう医学の道を志すようになりました。

実は生物学の中で「人体」に特化した「医学」を学ぼうと思ったに過ぎないのかもしれません。

 

ただ、一方で「偏差値が高かったから」という方も結構います

偏差値が高かったから医学部に来た人に「自分の人生を他人に捧げろ」といっても無理かもしれないですよね。

 

しかも、医師って他に資格として何かができるわけでもないから、医療にかかわるでしょう。そうするとQOLを考える人も出てくるのではないかと思います。

 

ただ、患者さんに接する以上「(最低でも自分の分野で)標準以上の力を持って、患者さんに有益なことができる」が最低条件だと思っています。

それゆえ、後輩には

「どんな医師になりたい?それを思い描いて、自分が思い描いた医師になれるように研修期間で様々なものを学ぶこと」

と言います。僕はそれを聞いたら、彼や彼女がそういう医師になれるように全力を注ぎます。

 

今の僕と同じレベルになれるわけはないが、昔の僕を超えるレベルには短期間(研修期間)で到達してほしい

 

そう思っています(それが無理な話だと言われそうですが)。

 

 

まぁ、いろいろ思うところがあるわけですが…この問題山積みの医療をどうやって改善させていくかが問題と思っています

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なかのひと 

 

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ど~でもいい話:僕とプロテインの溶媒・・・

2011-01-09 17:39:45 | ど~でもいい話

こんばんは

 

先程帰ってきました。当直中も結構大変で、ゆっくり座れたのは17時過ぎくらいでした。そして・・・当直明けですが、16時くらいまで病棟で頑張っておりました。

 

で・・・帰ってきてから、Blogのコメントの返信をしてから、筋トレをしておりました。

 

加圧トレーニングです。

 

僕はトレーニング後は「WHEY protein」を飲んでいます。ちなみにKentaiのが一番よさそうです。

 

ど~でもいい話です。

 

このProteinを飲む際に溶かして飲むのが一般的だと思います。

僕は最近までは「牛乳」「水」などで飲んでいましたが、最近「ミルクティ」がおいしいのではないかと試してみました。

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なかのひと 

カゼインが入っているから安定剤として良いだろうし・・・。

 

試してみたところ、非常においしいし、飲みやすい。

 

本当にどうでもいい話ですが、そう思いました。

 

まともな記事はまた後ほど・・・・。

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集蛾灯

2011-01-07 19:48:12 | Blogを書く理由
こんばんは。

朝からほとんど食べずに生活しております。

まあ、コンビニでうどんを買って食べましたが、それ以降は食べる暇もなく走りまわっておりました。

後輩の休みが今日からというのはあるのですが、それ以上に…

患者さんが集まる!

二つの診療科から内々に相談が来て、どちらも緊急を要すると判断して対応してました。

気がついたら、昼飯を食べ損ね…

骨髄像を見ながら
「昼飯、忘れてた」
と、呟いたものの臨床を優先し今に至ります。

血糖値が足りない

そんなことを思いながら、携帯で記事を書いてます。

先に食事をするべきかな?

明日は当直です。

また、後程
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病棟より

2011-01-06 23:45:43 | Blogを書く理由
間に合いそうにないので、病棟から

こんばんは。

今日もあっという間に一日が終わりました。

明日も頑張ります。
では、また
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指導医確保のための臨床研修提携って?

2011-01-05 23:19:27 | 医療

さて、追加記事です。

 

一応、今年から再び毎日更新を目指そうかな・・と思っています。頑張ります。

 

この記事を読んで、理解できなかったからあえて記事にします。誰か教えてください。

 厚生労働省は来年度から、医師の地域偏在の解消や臨床研修指導医の確保に向け、大学病院や都市部の中核病院と、医師不足地域の中小病院や診療所が連携した臨床研修の実施に対して財政支援を行う。同省医政局は、来年度予算案の「元気な日本復活特別枠」に「臨床研修指導医の確保事業」として10億300万円を計上している。

 同省の担当者によると、同事業では大学病院や都市部の中核病院と、医師不足地域の病院などの間で研修医や指導医を一定期間派遣するといった研修プログラムを作成したり、指導医を派遣したりした病院に対して財政的な支援を行う。大学病院などからの一方向ではなく、医師不足地域の中小病院から大学病院などに指導医を派遣することで、将来的に中小病院の教育体制の充実につなげる狙いもある。

 当初、同事業は医師不足診療科である救急、外科、内科の臨床研修指導医の休日・夜間指導手当への財政支援を行うものだったが、「元気な日本復活特別枠に関する評価会議」での評価などを受けて見直しが行われた。

 一方、臨床研修の充実のための「臨床研修の質の向上及び研修医の確保等に向けた臨床研修病院群の形成促進」には9300万円を計上。臨床研修病院の関係者などで構成する地域協議会を都道府県単位で設置し、地域の特色ある研修プログラムの作成や研修医の適正配置に関する協議、募集定員の調整などを行う。同省は都道府県などが想定されている協議会の設置主体に対し、運営費用などの支援を実施する。

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・・・・・意味がわからないのだが・・・。どういうことかしら?

大学病院や地域の病院が連携することは良いことだと思う。それは臨床現場の交流、患者さんがより早く、より適切な病院へ転院などもできるようになるかもしれない

だから、悪いことではないと思うのだが・・・。

 

たぶん、大学病院からの医師派遣も難しいかもしれないですけど、医師不足の病院から医師を派遣するというのはなかなか難しくないですか?

一時的に勉強のために数カ月派遣+その間誰かに交代で来てもらう・・・という体制を作りたいのか?

 

けど、指導医不足をどうにかして、医学生に対しての教育能力を高めようというのであれば・・・地域の臨床能力はただ低下するだけでないか?

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なかのひと 

どういう青写真なのだろう?

 

Imageができなかったので、誰か教えてください・・・

 

ということで、明日は僕が一番きつく感じる外来→カンファレンス(だいたい22時過ぎまで開催)の日ですw

頑張ります。

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食事を忘れる・・・

2011-01-05 23:12:32 | Blogを書く理由

こんばんは

 

今、帰ってきました。

今日から職場に復帰しましたが・・・早速昼飯をすっ飛ばしました

 

忙しくて朝ご飯を食べた後は、食事をするのも水を飲むのも忘れてしまいました。19時ころようやく落ち着いて、医局に行き、その後食事をしました。

あとは20時過ぎから患者さんの状態を見て回って、医局から持ってきた雑務を片付け、さらに保険の書類を書き・・・で、今帰ってきたところです。

今週は木曜日の自分の外来日以外にも多くの患者さんが受診するようになっており、本日も10名以上、明日は40名、明後日も10名近くで60名くるんですね。

 

明日も昼は当然食べられないだろう・・・(汗

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なかのひと 

昼を食べていると患者さんを待たせてしまうし、新患さんが来ると昼の時間あたりから診始めないとどんどん遅れてしまうので・・・はい。

 

そうやって新しい年は始まっていったのでした。

 

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CAG療法など

2011-01-04 10:12:28 | 医学系

おはようございます。

 

今日までお休みをいただいております。

けど、年末年始に休みをもらっていると何が起きているか気になるので、、昨夜帰り際に病棟によりました。病棟で患者さん(入院患者20名くらいですかね)がどういったことが起きているか・・・ということの確認です。

 

抗癌剤治療に関しては、だいたいどの時期にどのような有害事象が生じるか予測しています

予測してそれをできるだけ予防し、それでもおきたら治療する。そうやって抗癌剤治療による体のダメージ(特に血液疾患の場合、もっとも怖い有害事象である骨髄抑制が強いので:強くしないと効かないですから)から回復するまで頑張る

 

そうやって治療を行います。

 

先程、ミカンさんのコメントでCAG療法という単語が出てきたので、少し解説を含めた記事を書いてみようかと思います。たまにはそういうBlogの記事もよいかな…と思いました。

 

急性白血病などに関しては日本の治療施設であれば標準治療として主にJALSG(Japan Adult Leukemia Study Group)の標準Protocolによる治療がおこなわれると思います。

 

標準治療が効かなかったとき(標準治療は多くの方に治療効果があり、有害事象も許容範囲内である)に他の治療法ということになります。

 

僕は急性骨髄性白血病の患者さんに関しては標準治療が効果に乏しかった時にこう言います。

標準治療で効果が乏しいので、他の治療法を選択しないといけません。大きな考え方としてはより大量の抗癌剤を投入するか、少量をダラダラと行くやりかたか・・・です

で、ここから細かく説明するわけですが…大量の抗癌剤を投入するというのはこの場合はHigh Dose AraCを含む様なレジメンですね。当然抗癌剤の量が増えますから、有害事象も効果も上がるかもしれない。

 

今回、CAG療法の話が出ましたが、CAGと言われて何が思い浮かぶでしょうか。

CAG:Coronary. Angiography、CAG リピートなどなど・・・

基本的には少量ダラダラ作戦の一つです。他にもCAM療法、AVG療法などがあります。

 

何をしているかというと抗癌剤ってそれぞれの薬の違いがあります。

急性骨髄性白血病で重要な薬剤としてAraC(シタラビン):キロサイドという薬があります

この薬は細胞周期、難しいですね。癌細胞が増えるときに癌細胞を壊す性質が強い薬です。因みにある一定濃度より増やしても効果はないといいます(だから、特殊なやり方でなければ移植の前処置とかには使用しない)が、癌細胞が増えるときに壊すわけですから癌細胞を増やすように仕向ければいい。

 

これはMDSのようなタイプにも効くわけですよね。ゆっくりしか増えませんけど、無理やり増やせばいい

急性骨髄性白血病の細胞は早いと4日で倍になります。それを考えれば固形腫瘍と全く違うというのは一目瞭然なんですが、この速さがない場合・・・効果が乏しくなります。

 

だから治療法はこうなります

           1                                                        14

G-CSF           ↓    ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓ 

アクラルビシン   ↓    ↓   ↓   ↓

Ara-C           →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →

 

というふうになります。

CAMはG-CSFをM-CSFにすることで単球性白血病に、AVGはアクラルビシンをエトポシド(VP-16)に変更した治療ですね。

 

何をしているかというと、G-CSFやM-CSFというのは通常抗癌剤と同時に使用するのは「禁忌」です。何故なら有害事象が増えるから。

これらの薬は「好中球減少時」に使用することでこれらの回復を助けます。

 

逆にもし抗癌剤と同時に使用すれば、好中球の細胞回転が増加しますから、より好中球が減るわけです。

 

そしてここがPointですが、白血病細胞のなかでゆっくり増えるタイプだとかMDSから進展したタイプなど・・・そのゆっくり増えることが原因でどうも効果が乏しいのではないか…と考えた時に「AraC」の効果を高めるには

 

白血病細胞を増えるように仕向ければよい!

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なかのひと 

ということになります。

急性骨髄性白血病の細胞は基本的に「顆粒球」から発生していますので、G-CSFで増える可能性があります。で、これでプライミングしてあげることで、白血病細胞が増えるように仕向けて抗癌剤が効きやすいようにする

 

G-CSFで白血病細胞を増えるように仕向ける

→白血病細胞が増えようとする

→増えようとするとAraCがそれを破壊する。

 

この治療法だと、血液毒性は高いですけど…他の有害事象はそれほど大きくないというのがあります。使用している抗癌剤の量は少ないですからね。

高齢者などでも使用できる治療法ではありますね。

 

そんな治療法(考え方)ですね。

では、また。

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箱根駅伝 復路

2011-01-03 17:40:07 | Blogを書く理由
こんばんは。

今、新千歳空港にいます。お土産を買いすぎました(汗

今から飛行機に乗ろうか…というところですが、一つ。

今日の箱根駅伝は素晴らしいレースだったと思います。
優勝した早稲田も二位東洋も最後まで見せてくれましたし、シード争いも素晴らしいと思いました。

各大学の選手・コーチ・監督の皆様、お疲れ様でした。

来年も頑張ってください。

では、また
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出版するのは良いのだけど・・・:近藤誠医師へお願い

2011-01-03 09:30:07 | 医療

おはようございます。

 

さて、今日は午後には実家を出て本州へ帰ります。今は快晴で飛行機は大丈夫だと思いますが、本州はどうなのかしらと思っています。

 

さて、朝一番ですが一つだけ記事を。

悪性リンパ腫の患者さんがいて「近藤誠」医師の本に影響を受けて、怒鳴り込んできた方がいるそうです。というか、僕が直接担当はしていたんですけど、外来日でない日にたまたま他の診療科を受診して、そこで爆発して行ったそうなんですが・・・

 

直接言ってもらわないと話にならないとは思いつつも、思わず患者さん(+家族)に

1時間近くかけて説明しただろうに

と言いたくなりました。因みにDLBCL(T cell rich B)でB症状がひどくて、ほっとくともうすぐ…という状態の患者さん(他科に入院中)をできるだけ早く治療に入ったというのがあるのですけどね。

患者さんが本に書かれている内容と自分の病気が一緒なのか区別するのは難しいと思うので、怒っても仕方がないのですが…僕らが無理やり患者さんに治療することはないです。

他の人にも言います。

治療を無理やりするわけではなくて、必要性を理解して治療を受ける方を選択してほしいだけだ

って。

 

僕はその本を読んだわけではないので、本の批判はしません。

ただ、話を聞く限りでは「抗癌剤治療で死期をはやめているだけだ」「抗癌剤治療は不要」「健康診断も不要」というような内容だとか?

 

違っていたら教えてください

 

抗癌剤治療で死期を早めるかどうか…ということに関しては、抗癌剤治療の原則として「延命、治癒が期待できる」というものがあります。それが期待できないのに治療をしたら「詐欺」です。その通り。

しかし、現在は治験中のもの以外は基本的に延命が十分期待できるとされたものが行われているわけです。

 

因みに悪性リンパ腫や白血病など「治癒を期待できる疾患」と「他の癌腫の抗癌剤治療」を一緒にされてしまうだけで、患者さんには不利益になります。

 

抗癌剤治療が不要かどうか。

効かない患者さんには不要。延命も希望できない患者には不要。

白血病の緩和ケアを行うに当たり「内服抗癌剤を使用するか」という面に関して、使用している人と使用していない人といます

使用していない人はまさに「抗癌剤によるメリットが出ないだろう」と思われる人。

内服の抗癌剤程度では「治癒」には入らず、白血病細胞が増えることで全体的な不利益が出てきたと考えれば開始します。どう考えたって、他の状態なら「毒物」入れているのだから、有益性がないならやる必要はないでしょう

また、濾胞性リンパ腫のように「今」なら良い治療薬がありますが、昔は「注意深く経過観察する」という低悪性度リンパ腫に関しては患者の全身状態が悪かったら(リンパ腫によって状態が悪化しているなら治療ですけど、他の原因で)、経過観察ですよね。メリットがないから

 

ただ、逆に「白血病細胞が増えてきたことで不利益が生じている」「リンパ腫細胞が増大してきて不利益が生じる場合」などはやらざるを得ないでしょう。

 

因みに治しに行く場合は「白血病」「リンパ腫」で治療をしないという選択肢はあまりないと思います。

 

健康診断、癌検診のメリット。これは不明ですね、確かに。

ただ、これをやっているのとやっていないのとで全体的な「差」が出ることはなくても、個人個人では有益かもしれません

いや、有益な人が出るかもしれません。たまたま撮影した胸部単純写真に結節があれば、精査するでしょうし、血液検査でたまたま白血球が減少していれば…とかですね。

 

ここは否定はするつもりはないのですが、抗癌剤などにまったく意味がないような書き方をされているのであれば「間違い」であると言わせてもらいます

 

僕は本を書いたり、Blogに意見を書いたりするのはいけないことだとは思わないのですけど、自分の専門分野以外のところに影響が出るようなことはしないほうがよいと思います

放射線科の先生が抗癌剤治療に関してどれほどの知識があるのか知りませんが、基本的に不利益な治療はしません。特に血液内科分野では有益性が高いです。因みに僕は結構細かいですよ説明が・・・。患者さんは知っているかと思いますが・・・。

近藤誠医師がこのような本を書いている。お前は私に毒をもった。詐欺だ。訴えてやる

みたいなことを言われたら、

「近藤誠って誰?いったい、なんなんだ?」

と思います。

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なかのひと 

ほぼ全員に僕は「抗癌剤は毒物であって、有益性がなければ治療はしない」ということを言っていますが、「それでも治療を行うメリットがあるから一緒に頑張りましょう」というような形にしていると思う。まぁ、治療を受けるように誘導はしていますね。だって、有益性が高いのだもの

 

と、思いました。

箱根駅伝、おもしろいですね。今年は本当に面白いです。

 

では、また。

P.S 白い恋人を買って帰らないとね。約束だし・・・w

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