1.胸やけの病態生理
かつて胸やけは胃酸濃度に関係すると思われていたので、胸やけは、胃酸過多のを意味していた。しかし現在では胃酸濃度と胸やけは無関係なことが判明している。
胃液が胃の中にある限り、胃粘膜が胃壁を保護しているので悪さをすることはないが、胃液が食道に入った場合、食道炎を起こす。ではなぜ胃液が食道に入ってしまうのだろうか。これには2つの原因が関与している。
一つは胃の入口にある噴門が十分閉じないこと(閉鎖不全)、他の一つは胃の逆蠕動である。
2.胸やけの針灸治療
1)胃の逆蠕動に対する治療
噴門の閉鎖不全を治療することはできないので、針灸は胃の逆蠕動の治療に目を向けるほかない。胃の蠕動は副交感神経緊張で増大するから、針灸治療方針は交感神経優位の土壌づくりになり、瀉法的方法をとる。
余談だが、酒を飲み過ぎて気分が悪くなった友人がいたとしたら、自分はどういう行動をするだろうか。あま背中をさすることで嘔吐を促すようにするだろう。これは胃の逆蠕動を促進させる手技であって、胸やけの場合はこれと反対の刺激を行うのがよい。
すなわち、座位にさせ腹に力を入れさせた状態での上背部強刺激、速刺速抜を行う。刺激点は胃のデルマトーム帯であるTh5~Th9なので、中心は膈兪穴あたりになる。
2)胸やけを感じる部位に対する局所治療
胸やけを自覚する部位は、心窩部(巨闕~鳩尾)あたりである。患者に、胸やけを感じる部位を指さしてもらい、その部に強刺激の速刺速抜手技を行う。内臓体壁反射の機序を介して胃の蠕動運動の鎮静化を図る。
かつて胸やけは胃酸濃度に関係すると思われていたので、胸やけは、胃酸過多のを意味していた。しかし現在では胃酸濃度と胸やけは無関係なことが判明している。
胃液が胃の中にある限り、胃粘膜が胃壁を保護しているので悪さをすることはないが、胃液が食道に入った場合、食道炎を起こす。ではなぜ胃液が食道に入ってしまうのだろうか。これには2つの原因が関与している。
一つは胃の入口にある噴門が十分閉じないこと(閉鎖不全)、他の一つは胃の逆蠕動である。
2.胸やけの針灸治療
1)胃の逆蠕動に対する治療
噴門の閉鎖不全を治療することはできないので、針灸は胃の逆蠕動の治療に目を向けるほかない。胃の蠕動は副交感神経緊張で増大するから、針灸治療方針は交感神経優位の土壌づくりになり、瀉法的方法をとる。
余談だが、酒を飲み過ぎて気分が悪くなった友人がいたとしたら、自分はどういう行動をするだろうか。あま背中をさすることで嘔吐を促すようにするだろう。これは胃の逆蠕動を促進させる手技であって、胸やけの場合はこれと反対の刺激を行うのがよい。
すなわち、座位にさせ腹に力を入れさせた状態での上背部強刺激、速刺速抜を行う。刺激点は胃のデルマトーム帯であるTh5~Th9なので、中心は膈兪穴あたりになる。
2)胸やけを感じる部位に対する局所治療
胸やけを自覚する部位は、心窩部(巨闕~鳩尾)あたりである。患者に、胸やけを感じる部位を指さしてもらい、その部に強刺激の速刺速抜手技を行う。内臓体壁反射の機序を介して胃の蠕動運動の鎮静化を図る。