乗船前は群馬県の中学校で英語教師をしていた白人女性エミリーは、BEE(Bicycle for Everyone’s Earth)というNGOに所属し、環境保護を訴えながら北海道から沖縄まで、仲間と共に自転車で日本縦断した経歴の持ち主だった。
私は船内で何度か彼女の講座(いつも小さめの会場だった)に参加したが、身近な環境問題を一緒に考えようとmy箸、mycup、mybag運動を提唱し、teaタイムにmycup持参者にスタンプを押すなどのアピールをしたり、フェアトレード、地域通貨活動なども展開していて、一般的には馴染みの薄いフェアトレードの考え方を啓蒙していた。
日本縦断中の体験談は、自転車のパンク修理は勿論タイヤ交換をした事。行った先では市民やマスコミ関係者との交流や学校訪問をして環境問題を一緒に考えた事。時には地域住民と海辺や丘のゴミ拾いなどに参加した事などが話された。
また中南米やアフリカでは、自分で設立したNGO[ムヘレス」の活動の一環としてエイズ教育や性教育の実施をしたことなどを、現地のレポートや映像を通して紹介した。日本の状況も「先進国のなかでエイズ感染者が突出して多い」ことなどが報告され、日本の若者達もジット聞き入っていた。そして「自分に限って・・・」の思いから「エイズ怖い病気だと実感した」「モット教育が必要だ」「帰国したら検査を受けたい」と変わって行ったようだった。多くの先生達も初乗船で外国人特有のお祭り好き。事ある毎に全部の参加者とくに若者たちと共に楽しむのだった。