今アフリカでの出来事を書いている最中、最も現実であって欲しくない現実の事件が起きてしまった。訃報に接した昨日以来私の心はスッカリ塞ぎこんでいる。あの一番の元気印のクマーさんが銃弾に倒れたのだ。しかも彼がこよなく愛したアフリカの地で。
一昨日の朝、悲しいお知らせと題したメールを受け取った。読みながら「エーッ・・何で・・彼が・・」とうろたえるばかり。何度読み返しても読み違えてはいない。彼はジャンベが大好きで事ある毎に叩いては幸せそうな表情を見せていた。船が寄港地を出港するときは決まってテーマソングに乗せてジャンベを叩き、回を追うごとに弟子も増えて数人で叩くようになっていた。
下船後は先ず米国に帰り母親や兄、姉とクリスマスを楽しむと私に言っていた。その後はピーターバンドに合流するか船に帰るか決めかねていると乗客の親しい人に話していたらしい。とりあえず練習がてら出掛けたピーター宅に強盗が入り、心臓を射抜かれて死去したという事だった。主人は負傷で客人が死去という痛ましさ。
彼の船内での役割は語学教室のマネージャー。5回目乗船の彼が初乗船の他の先生方に資料の提供を含むマネージ全般、英語スピーチや卒業式の仕切り、先生方の出し物の工夫など船内を走り回り、又寸暇を惜しんではサッカーに興じたり、我々常連と共にボックササイズを楽しんだりと大活躍だったのに。
今ピースボートの職員がご家族を現地にお連れしているという。ご家族の 悲しみはいかばかりかと察する。彼は私にとってはわが子の世代であった。世界の平和を熱く説く彼に「世界の平和が大事なのは当然だけど、貴方自身が平和に暮らす必要も?」と問うと「今の仕事も好き、も少しやってみたい」と返事した言葉が忘れられない。