定例的なささやかな贅沢の一つは、市民ホールでアフタヌーンコンサートを聞くことだろうか。一段高い舞台と200席弱の客席が連結していて、演奏者がよく見え、息ずかいまで聞こえてくる。1500円なのでいつも2枚求め、友人知人を誘って出かけている。
昨日がその日だった。駅で友人と落ち合い、木立を縫って老舗の料理屋に向かった。道すがら、主の手により溢れんばかりの草花をもつ知人の庭を訪ね、クリスマスローズの株分けした鉢を頂く約束をした。予約していた料理屋は樹木に囲われ純和風の庭作りだ。内庭には回遊池を配し、庭石と実物大の水車、ししおどしが音を響かせ何れも苔むしている。山野草の中に建つ茶室で頂いたお茶をは美味。ガラス越しに庭を望みながら、ユッタリ和風御膳を楽しんだ。
その友人はかっての同僚で遠距離通勤していた。夫のことを悪し様に言っては私を笑わせていたが、病を経て日常生活に多少の不便を覚えるようになったようで、「この頃、優しくしているの。ヤッパリいてくれないと困るしね」と述懐してまた私を笑わせた。