知人が添付した故郷の写真を懐かしく拝見したと彼の地に住むメル友より返信があった。秋風がちょっぴり肌に冷たい午後のひと時「茶ぶし」を飲みながらと。かって叔母や祖母が囲炉裏端で飲んでいた。私もそんな年齢になったのだと述懐しながら・・。鰹節をかき梅干しと味噌を入れお茶を注ぐと、ふわ~と鰹節と梅干しの味と香りが立ち上り美味しいと。
我が家では「節湯」と称しお湯を入れて味噌汁として飲んでいた。女兄弟のいなかった私は母屋の向かいの隠居に、祖父母の手伝いがてら寝起きを共にしていた。小さな大工箱にはカンナと鰹節が納まっていて、毎朝小さくなった祖父は丁寧に鰹節をかき味噌を入れて熱々の味噌汁を作るのが日課だった。実子がおらず姪を養女として育てた祖父母は、事の他私を慈しんでくれた。「節湯」はソックリ私の祖父母に繋がる懐かしい味であり思い出だった。(メールにあった噴煙をあげる今夏の桜島)
そして思う。私は果たして子供達に故郷に相当する味を残せているだろうかと。共働きで忙しさにかまけ、行事は保育園がやってくれるのを幸いに任せきりだった。結婚してからも母や義母は故郷の味(最近はデパートからだが)を届けてくれている。あと何日。娘待望の日本の食材を持って出かける日も近づいて来た。