玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*白露

2015年09月14日 | 玉川上水の四季

 ヒガンバナが姿をみせた。8日から22日は二十四節気の白露で、大気が冷えてきて露を結ぶころのことだ。9日には台風18号が知多半島に上陸し日本海に抜けて温帯低気圧となった。10日はその低気圧と日本の東の海上を北上する台風17号の影響で関東と東北は記録的な大雨となった。そして鬼怒川の堤防が決壊するなどして大きな被害がもたらされた。多摩川の真水を引き込んでいる近くの新堀用水は白濁した流れになっている。

 オープンギャラリーの展示は節気の前日に入れ替えを行う。9月になってからは雨の日が多く、7日の白露の展示の入れ替えの日も雨だった。私は展示の入れ替えは台風が過ぎ去るまで、数日は遅れるにちがいないと考えていた。ところが展示はきちんと7日に行われていたのである。後で鈴木さんに伺うと7日の午前中に一時間だけ雨が落ちてこない時間帯があったという。(13日の白露の観察会・順にサルトリイバラ、イノコズチ、カラムシ、ガマズミなど)

 

 

  まるでマジックのようだった。鈴木さんが展示物を持って玄関を出る時にはまだ雨が落ちていたという。この話を聞いて私はあらためて鈴木さんのギャラリーに懸ける執念を見る思いがした。ギャラリーの小さな花壇にはルリタテハの幼虫の食草であるサルトリイバラが育っている。這うように伸びる茎を針金でうまく誘導している。花壇には他にシソ、ホトトギス、スミレなどがある。

 白露の樹木としてコムラサキ、ニシキギ、ヌルデ、ガマズミ、花はヤマジノホトトギス、イノコズチ、ヒガンバナ、カラムシを紹介している。イノコズチについてくわしい掲示があった。「晩秋に玉川上水を歩くと衣服に『ひっつき虫』として知られています。この時期に小さい花を咲かせているのはミズヒキとイノコズチでミズヒキは赤い部分の中に小さい花をつけ、イノコズチはミズヒキよりも小さな花でルーペで見ないと花が咲いているかどうかわからないほどです」私は観察にふまじめでルーペを持ち歩かない。玉川上水の自然観察を大勢の人に紹介したいという鈴木さんの活躍ぶりを拝見することで私は満足なのだ。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする