ひょんなことからマレーシアへのパック旅行に出かけることになった。羽田を深夜に出て7時間のフライトで早朝にはクアラルンプールに到着した。日本との時差は1時間だ。眠れるはずもなく赤ワインを飲み、早めの機内食で非日常が始まる。入国審査でさんざん待たされる。後で分かったことだが時間通りにゆかなくて平気なお国柄だという。多民族国家でマレー系と中国系とインド系の人口比は6:3:1だ。
旅行会社の事前のパンフレットのトイレの項には「紙を置いていないところが多いので水で流せるティシュを持ち歩くように」とあるだけだった。そこで初日の空港内の水浸しのトイレには驚くことになったが、日程をこなすうちにトイレ事情を理解することになる。通貨はRM(マレーシア・リンギット)で為替レートはRM1=¥30である。ありがとうの意味のTerima Kasih(テリマ・カシ)を覚えた。
鉄道は少ないが高速道路はかなり整備されている。高速道路を疾駆する若者のバイクは無料だという。料金所の横に設けられた狭い通路をバイクが抜けてゆく。産油国なのでガソリンの値段は日本の四分の一と安い。産出石油の6割を日本に輸出している。空港から45㌔を45分かけて首都のクアラルンプール市内に着く。新王宮の見学からマレーシア観光が始まった。(写真は新王宮)
国家元首たる国王は13州のうち9州にいるスルターンによる互選で選出され任期は5年だ。政治と無縁の国王は世襲でなく終身制でもない。すべてのリンギット紙幣には1965年に就任した初代首相のラーマンの肖像がある。4代目のマハティール首相はアジアの中で優れた政治家の一人として尊敬する国民は多いようだ。日本や韓国の経済発展モデルを見習う「ルックイースト(東方政策)」を推進した。その政策顧問の一人が大前研一である。