忘れ人の独り言

明治生まれの両親がさりげなく生きていた姿が今,私に語りかけてくる。

いまどきの「常識」の本

2013-09-30 | 日々の業

ブックオフで105円で買った本「いまどきの「常識」」。 もう8年も前に出され香山リカという精神科医が書いておられる。

どうして日本人はこうなのだろう?もっと原発にしろ憲法にしろ自分のこととして考えればいいのに・・・先の選挙で自民党が圧勝した折、知人が嘆いていたのを思い出し、日本人の何かが変わったのかしらと興味がわき思わず手に取った本だった。

「平和」という言葉を口にするだけで相手はひいてしまい、話がしにくくなってしまうと著者はいう。そして自由や平和を語る著者のところに「国を貶めるな」「きれいごとを言ううな」という批判の手紙が毎週届き、精神科医としてこのように怒ってくる人の心を不快にさせていいのだろうかとも思うと書かれていた。

目次欄には

1 自分の周りはバカばかり  ・・・・世界の中心は自分・・・悪いのは私ではない・・・etc

2 お金は万能・・・・結局お金がものをいう・・・・現実には従うしかない・・・・

3  男女平等が国を滅ぼす・・・・男は男らしく、女は女らしく・・・・結婚しないと幸せになれない・・・・

4 痛い目にあうのは「自己責任」・・・「偉い人」には逆らうな・・・競争には勝たなければいけない・・・病気も障害も「負け組」・・・

5 テレビで言っていたから正しい・・・人は死んでも生き返る・・・外国人は危険・・・・

6 国を愛さなければ国民にあらず・・・「平和」や「反戦」にとらわれるのは頭が古い証拠・・・軍隊を持ってこそ「普通の国」だ・・・

最後のほうで日本人は一般的に取り越し苦労が多くて心配性な気質を持っているが集団になるととたんに「なんとかなるさ」「誰かがやってくれるだろう」と思考停止に陥って無責任になるようだと書かれていた。

また「時が解決する」「水に流す」など「時間さえたてば過去の問題もすべてなかったことになる」という発想が一種の美徳にもなっている。

関連して原発のことや中国、韓国のことなども述べられている。8年経った現在常識もまた随分と変わっているだろうなと思いつつそれでも今も通用する内容で充分読み応えがあった。