昨日の京都新聞に元滋賀大学長の宮本憲一さんの記事が載っていた。
教職を引退後も環境問題などの研究会「背広ゼミ」を開き、ほかの研究者と共に沖縄の米軍辺野古基地や高江のヘリパッド建設を強行する政府に抗議声明を発表されているそうだ。 以下部分抜粋
宮本さんが1982年米国に行った時ニューヨーク市立大の環境科学研究所のセリコフ所長が「日本は世界一アスベストを使っているが、社会問題になっていない。」と言われ帰国後アスベストの論文を書いたが反響がなかった。
2005年にクボタ工場周辺で健康被害が発覚した時、論文まで書いていながら多くの人が苦しんでいるのに見つけられなかったという悔いが残った。
アスベストは戦後最大の産業災害になる恐れがある。
福島原発事故は足尾鉱毒事件を超える日本の歴史上最大の公害だと語っている。
アスベスト問題の被害者を支援する団体に行った時「調査に来たのは先生が初めて。昔ならこれだけの事件なら若い研究者が殺到した」と言われショックだったと。
教えていた大学院生に「何とかしなきゃと思ってもいいんじゃないか」と尋ねたが、皆黙ってその後も行かない。
この20年で研究者の知的摩滅が進んだ、狭いテーマに固執して社会科学者として国民が本当に困っている問題に格闘する態度を失い始めているんじゃないか」
最後の知的摩滅が進んだのではという部分が心に残った。全ての研究者がそうでないとしても学者と言われる人の本分は?と思ってしまった。