「原発ゼロ」プログラムという本をやっと半分ほど読み終えた。専門的で難しい部分があって、大事なことが書かれているなと思いつつ後回しになってしまっていた。
「原発を止めても、現存する使用済み燃料や、高レベル放射性廃棄物をどうするかという問題が、われわれの上に重くのしかかっている。」と書かれ使用済み燃料がもう満杯状態であることや最終処分場の問題点などが詳しく述べられていた。
このことと関連して後片付けの問題は原子力関連の技術がこれからまだまだ必要なのに原子力への批判が原子力技術敵視のような傾向になることに危惧をもたれている。
「再生可能エネルギーについても日本の買取制では買い取るよう義務づけはしているものの優先接続の義務がないため送電線の容量の限界などを理由に風力発電からの給電を後回しにして不利な接続条件を付けて、風力発電の接続を制約する事態が続いている。」ことなどが書かれていた。
後ろの部分で筆者は「日本の原発問題の背後にあるアメリカの対日エネルギー戦略や日本の政財界のあり方に国民がしっかりと目を向け、脱原発の市民運動を「国策」転換を求める国民運動のレベルまで高めない限り、福島の経験を活かしきれないのではないかと」と述べている。
最後に原発は停止しても直ぐに安全になるわけではなく放射性物質の崩壊熱で核燃料が損傷する恐れがあるため冷却し続けるため、その維持管理に1日何千万円の費用がかかる。
「国民の意思で原発を停止するということは国家財政で安全管理を持続的に行うための巨額の財政支出に関する立法措置も必要だといい、私たちが「原発ゼロ」を望むならこれらの課題を担い切る覚悟と、必要な「モノ」「ヒト」「ワザ」「カネ」を確保する現実的な手立てを講じなければならない」と述べられていた。
唯、「原発なくそう!」という私たちの切実な想いの奥にはこんなにも考えていかなければならない問題があるということを知り、これからの運動のあり方を考えなければと改めて感じた・・・。