忘れ人の独り言

明治生まれの両親がさりげなく生きていた姿が今,私に語りかけてくる。

《「里」という思想》の本

2013-12-14 | 生き方を学ぶ

「里」という思想という本を読んだ。読み進むうちに著者が語る歴史の意味や自分たちが今おかれている状況を広く深く見つめることが出来たように思う。

一番簡単でわかりやすかったのは1965年頃からどこに行っても、人間がキツネにだまされなくなったという部分だ。

「1965年を境にしてキツネが人間をだまさなくなったのであろうか。それともにんげんがキツネにだまされなくなったのであろうか。はっきりしていることは、この時期を境にしてキツネが人間をだます生き物ではなく、単なる自然の動物になったことである。キツネと人間の新しい物語が生まれなくなった。」と書かれている。

著者はこの時期に日本の人々の精神や精神文化に大きな変化が起きたのではないかとみる。

「パソコンもインターネットも手段にすぎず、この手段を用いる人間の問題が解決されないかぎり、手段は傲慢さを助長する道具にさえなる。そんなものより真理や正義の独り歩きを阻止するものは、文化の深さのほうであろう。-中略ー21世紀に入って、いま私たちは、金と権力と支配の拡大しか価値をみいだせない人々が、唯一の正義をふりかざしながら、戦争をおこなっている姿をみている。」

   

いつも本を貸してくださり私のものの見方を深めてくださる友人に感謝しつつ。