友人が貸してくれた「隠れ共産党宣言」の本。共産党のことがたくさん書かれているのかと思いきや、なんの日本の農業政策についての現状、国が進めようとしている、いやすでに進めている農業というものについて詳しく述べ、それがこの国のもしかして亡国に繋がりかけないことをわかりやすい口調で述べておられた。
これまで日本の自給率は40%を切っており、いざとなったら大変なことになるという頭のなかでの理解で終わってしまっていたことに恥ずかしさを感じた。
「基礎代謝、すなわわち生きていくために必要な最小のエネルギー必要量は一般成人女性で1200キロカロリーちなみに4歳前後の男子の基礎代謝が920キロカロリー悲しいかな我が国の食料自給率では基礎代謝すらまかなえず、政府の責任は極めて重い」と書かれている。
また 「ゴカン」と題して携帯電話のイヤホーンで着信音にも気づくこともなく「現在」が発している音や声に耳を閉ざしている人が少なくないことで目,舌、鼻、皮膚、耳の五感に現在を触れさせていないとすれば状況は深刻だといい、外界を感知するための五感が錆びつき意思・感情・思考を伝達しあうためのコミュニケーション能力は確実に劣化、退化すると述べられている。
他にも農業協同組合の詳しい事情や変化などについても書かれており、食べることが農協とどうつながっているのかということも遅まきながら改めて知ることができた。
では何故表題に「隠れ共産党宣言」とつけられたかだが、日本共産党の綱領の中に農業を基幹的な生産部門として位置づけるという(抜粋)文言や農業保護やTPPへの全面的な反対姿勢などが一致していたと書かれていた。
読みどころ満載 目から鱗の一冊だった。