初日の出を見ようと何人かが集まったのだろう。
元日の朝の店先であった。
単なる商法でない、暖かそうな感じがそこにあった。
「貸切なの」ときけば、「どうぞ」と招き入れてくれたかもしれない、そんな店の人の雰囲気だった。
帰れば雑煮が待っているから、そこでトン汁を食べようという気にもならず、「貸切の札が気に入ったので」と写真だけ撮らせてもらった。
脇に立って待っていてくれるので、「写真に入ってもらうといいのですが、顔は写らないようにしますから」と言ってから、しまったと思った。
「初日のようなその晴れやかな顔を撮らせてください」と言えばよかった。