年の暮の出来事だった。
サイレンが聞こえ、すぐ近くで止まった。
駐車場に消防車が来ている。前の道路にもう1台。
どこからも煙の出ている様子はない。
しばらくして救急車が来た。
見下ろして眺めているのも気がとがめるので部屋に入ったが、救急車が出て行くまでにだいぶ時間が経った。
超小型のボヤだったのか。
後で聞いたら、救急車を頼んだときに他に出ていて、とりあえず消防車が駆け付けてくれたのだという。消防隊員も救急手当てができるからか。
2台はどうかと思うが、とにかく現場に駆けつける、ということになっているのだろうか。
もしそのときどこかで火事があったら、そうか、火事現場がこちらに近ければ、ここからのほうが早い。反対だったら。
いや、よかれと思ってやってくれていること、余計なことは考えまい。
これが出収めにしてほしいという願いを込めて、活動状況を見せるのも行政サービスの一環だった。