「商店街はすたれるもの」とみなが思うと、商店街はどんどん寂しくなる。
世の人々は、そういうマイナス思考を巧みに植え付けられてしまっているのではないかと思うことがある。
引導の親戚のようなこの種の話のタネには、肯定の相槌を打ってはならないのだ。
こう言うと、「現実がそうではないか」と言いたがる人が必ずいるが、その人は現実病に罹っているのだ。
現実がだめだからこそ、何とかそこから抜け出そうと、がんばる人が出てくるので、現実が万々歳なら何もすることがなくなるではないか。
まだ開店前の時刻に、「ここの商店街もすたれたね」と話しかける人がいたので「まだ開店前なんだよ」と答えた。
商品棚の覆いから靴が1足のぞいている。
さあ、いちばん先に私を見つけて買って欲しいと。